はい、ごめんください。新潟のウェブ解析士マスター、小杉 聖(こすぎ・ひじり)です。ありがたいことに、昨年のウェブ解析士会議では2016年の Best of the Best をいただいています。
参考:2016年アワード受賞式~Best of the Best は小杉 聖さん!~ウェブ解析士会議Vol.4レポート
そんな私が「ウェブ解析士会議 2018」の見どころと共に、参加するイベントを人生の思い出として数えられるほど充実させるためのコツをお伝えいたします。あえて言うなら、コツというより願望です。
今年のウェブ解析士会議のキーワードは「本質」
「ウェブ解析士会議」は、全国のウェブ解析士同士の交流とノウハウのアップデートを目的とした、年1回の大イベント。2018年は6月9日(ログの日)に開催されるのですが、増枠もして400名の大盛況となる勢いです。
なぜこんなにも人気かというと、テーマが一味違うんですよね。その名も「本質を見極め、全体像から見直すウェブマーケティングのいま」。本質をふまえて求められるスキルセットを学べる時間になることは間違いないでしょう。魅力的な講師陣が提示する「本質」も非常に興味深いです。
開催まで2週間を切りましたが、先行して情報をいただけたので、個人的な視点も交えてご紹介します。なお、タイトル(?)は若干変更の可能性があることをご承知おきください。
ウェブサイトの分析って実際にどうやればいいの?「Live!解析」(小川さん)
ウェブ解析の本質を学べるセッションです。
何よりも注目なのが、目の前で実際に解析される「Live!解析」。普段、小川さんがどのように解析しているのか、そもそもどこを見ているのかを共有できる貴重な機会です。
ウェブ解析に大切なことは知っているし、やらなきゃならないこともわかっている、でも、どこから手を付けたらいいのか実感がわかなくて……という方は少なくないでしょう。
そんな方が「うちのサイトでも、こんな感じで分析してみよう!」という第一歩を得られるセッションです。基本的に配布資料はないと思われるので、必要な箇所はしっかりとメモをとって、忘れないうちに分析しましょう。「家に帰るまでが遠足」と同様に、実際に分析してみるまでが小川さんのセッションです。
Google 検索エンジン Q&A(金谷さん)
Google 検索エンジンの本質を学べるセッションです。
ここのところの Google さんの動きは利用者の行動を元にした仕組みが実現される傾向にあり、「アレもついに来たか!」と感じている方も多いのではないでしょうか。
特に、パソコンを持たないモバイルユーザーの増加に伴う変化は顕著で、MFI(モバイルファーストインデックス)や Speed Update などは気になるところですよね。更に Search Console も新しい画面になって、変化に右往左往していませんか?
検索の変化は、ユーザーの行動変化。金谷さんのパートは、最新の情報から、その背景とこれからを見据えられるセッションです。「なぜそれが起きているのか」を常に意識できるようになれば、検索エンジンマーケティングのステージが変わるかもしれません。期待が高まりますね。
地方のウェブ解析士が、事業に貢献するために必要なこと(坂上さん)
地方におけるウェブ戦略の本質を学べるセッションです。今回の講師陣の中でも一番「地方の現場」に近い方なので、とてもリアルな事例を期待できます。
ウェブ解析士の資格を取得するプロセスで学べることは、ある意味、理想論です。「これができれば苦労しない」と思われたかもしれません。実際、そのような感想を持たれた受講生の方を何人も知っています(笑)
ウェブ解析士という資格で得られた「知識」は「知恵」に昇華する必要があります。でも、これは座学で学ぶものではなく、実際に行動して経験した人が実現できるものです。
小川さんのセッションで「第一歩を踏み出してみよう」と促されるので、行動の大切さは理解できることでしょう。とはいえ、進んだ先に目指すものがなければ、その歩みは止まってしまいます。坂上さんのセッションを通して、「自分はこれからどこを目指していきたいのか」を考えてみてはいかがでしょうか。
なお、坂上さんの書かれたウェブ解析士だよりの記事は、特にリアルでの反響が大きかったとのことですので、ぜひ一読しておくことをおすすめします。
参考:ホームページを作れば、来店客は増える? 事前リサーチとアクセス解析で、集客を成功させた高知のアパレルショップの事例。
企業のソーシャルメディア成功運用のカギは広告と運用の配分にアリ(田村さん)
SNS広告の本質を学べるセッションです。
そもそも「SNSで広告」ということに抵抗感を持つ方もいらっしゃるでしょう。そのような方は、広告そのものに抵抗を感じていることも多く、なるべく広告を使わずにコンテンツのみで周知させたいと考える傾向にあるようです。
今回の田村さんのセッションでは、ソーシャルメディアというインフラを舞台に、広告運用と通常の運用(オーガニック運用)のバランスを、事例を元に学ぶことができます。なぜ広告が必要なのかを、改めて考えられる良い機会になりそうです。
ウェブ解析士協会の Facebook や Twitter の広告運用も任されている方なので、そのデータと分析内容も紹介されるようです。お手伝いをしている身としては、冷や汗で滝行することになるのではないかとドキドキしていますが、リアルなデータをお楽しみいただければ幸いです。
検索集客を意識し、訪問者の行動を促すWebコンテンツ制作の極意(松尾さん)
ウェブライティングの本質を学べるセッションです。
松尾さんはいつもストイックに本質を追求し続けている方なので、紡がれる言葉のひとつひとつが心に響いて来ることでしょう。
私が心理学を本格的に学びたいと思っていた時に、認知心理学から学ぶきっかけになったのも、松尾さんが登壇されたCSS Niteのセッションでした。それから数年経っても、人と人をつなぐ手段としてのライティングの本質は、大きくは変わっていないのではないかと感じています。ですから個人的には、得られる知識のアップデート以上に、音楽のように流れていく進行と随所に仕込まれたおもてなしの心を観察することが楽しみでなりません。
ウェブの世界は、どうしてもテキストの情報量が多くなりがちです。だからこそ、ウェブライティングの本質を意識して、「人」と「システム」の両方に響く言葉を一緒に考え、味わう時間にしたいですね。
あしたのウェブ解析士(江尻さん)
ウェブ活用の本質を学べるセッションです。
ウェブ解析士の方々の活動や、ウェブ解析士協会の代表理事という立場から見えてきた課題から、「ウェブ活用を支援する者としての生き方」についての提言に期待が高まります。
「ウェブ解析士の資格を取得しても、何にも活かせないし無駄だった」という声は割とよく聞きますが、私自身、ウェブ解析士マスターの資格を取得をきっかけに起業して5年を迎えようとしているので、人生が変わるほどの影響を受けた一人です。それまでは、マーケティングのMの字すら知りませんでした。
反面、「ウェブ解析士の資格を取ると独立する人が増える」という声も聞きますが、私個人は、積極的にウェブ解析士の資格取得を推奨することはしていません。あくまでも、実務にどう役立てたいかを想定できるならオススメしたい。そんなスタンスです。
江尻さんのセッションを受けて、ご自身の「働き方改革」に向き合ってみてはいかがでしょうか。
「目的」の前に「本質的な問い」を持とう
「目的を持ってセミナーに参加したほうが良い」とよく言われています。ですが、「知識を得る」のは手段であって目的ではないのでは、と考えるようになりました。
実際に私も、最初にウェブ解析士の講座を受けた目的が「ウェブマーケティングを総合的に勉強したい」だったので、気持ちはとてもわかります。知識がないとそもそもの判断ができないから、という理由なんですよね。日本の一斉教育が知識の詰め込みなので、ある意味仕方ないのかもしれません。
そこで参加者の皆さんには、今回のキーワードである「本質」を見極め、「そもそも、なぜ私はこのイベントに参加するのか」という問いに向き合っていただくことをオススメします。トヨタ発祥の「なぜなぜ分析」ほど厳密に考える必要はありませんが、( ゚д゚)ハッ! とするまで深めてみてください。
「なぜウェブ解析士会議に参加するのか」
この問いに対する私の答えは「登壇者の方やウェブ解析士の皆さんに会って、そのオーラを味わいたいから」です。「なぜオーラを味わいたいのか」という問いへの答えは、「非言語の情報を観察して味わうことで刺激を受けるのが楽しいから」です。より楽しく仕事をしたいので、共感しにくいイベントにはほとんど参加しなくなりました。つまり私の場合、「大好きな人に会いに行く」という答えになります。
……さすがにこれだと特殊すぎるので、もう少し考えてみましょう。
たとえば、「なぜウェブ解析士会議に参加するのか」という問いに対して「最新ウェブマーケティングの本質を学びたいから」という、テーマに沿った至極まっとうな答えが返ってくるとします。そうしたら「なぜ本質を学びたいのか」を考えてみてほしいのです。
「自分の将来のヒントを見つけたいから」?
「自分の将来のヒントを見つけたいから」という理由があるなら、もう一歩踏み込んで、「なぜヒントを求めているのか」と問いましょう。もしかしたら、道に迷っていることを打ち明けたくなるかもしれません。もし誰かの人生を参考にしたいと思うのなら、まずは自分自身を見失っていることに向き合う必要があるかもしれません。どの分野に楽しさを感じるのか、セッションを通して問い続けてみてはいかがでしょうか。
「小手先ばかりの情報では手詰まりだから」?
「小手先ばかりの情報では手詰まりだから」という理由があるなら、もう一歩踏み込んで、「なぜ手詰まりだと思っているのか」と問いましょう。もしかしたら、現場の状況を話したくなるかもしれません。愚痴っぽくなるのは嫌だと思うかもしれません。でも、それを克服している講師が目の前にいるのです。愚痴を聞いてもらうのではなく本質的な問いを磨きに磨いて、懇親会に参加してみてはいかがでしょうか。
「仕事に活かすための参考にしたいから」?
「それでもやっぱり仕事に活かすための参考にしたいから」という理由があるなら、もう一歩踏み込んで、「なぜ書籍ではなくイベントで知識を得たいのか」と問いましょう。もしかしたら、どの本を読んだら良いのかわからないのかもしれません。知識を得ることそのものに満足してしまっているのかもしれません。否定はしませんので、それぞれの分野で自分なりの答え(仮説)を持っておき、答え合わせをするつもりで参加してみてはいかがでしょうか。
本質的な問いの答えは、もらえるものではなく探すもの
世の中には普遍的な答えがある問題の方が少ないにも関わらず、正解を探そうとする人が跡を絶ちません。「空はなぜ青いの?」という子どもの疑問に、波長を説明するのが正解なのでしょうか。
私は、「空は青いのに空気が透明なのは不思議だね」とか、「青空を見ているのは気持ちがいいね」とか、「青くないときはどんなときだろうね」と一緒に考えられる大人になりたいと思っています。その先に波長を調べる機会があるのなら、ただ説明されるよりも好奇心を持って知識を得られるのではないでしょうか。
これからAIが発展する時代において、知識を覚える重要性は低くなっていくでしょう。それ以上に、大人も子どもも好奇心を持って問いを作り出すことの方が大切になると、私は考えています。
ウェブマーケティングの世界でも、問いを立て、その未来を想定し、検証する。ウェブ解析士の資格を持っていても具体的に活かせないと悩んでいるのなら、こういう本質を意識するだけでも変わってくるのではないでしょうか。
ウェブ解析士会議では、たくさんの方に出会うことができます。あなたの仮説を検証できる機会はきっとあるでしょう。ぜひ問いを深めて、本当の目的に向き合ってみてください。
会場までのアクセス補足
さて、実際にイベントに行くには会場をしっかり確認しておかなくてはなりませんね。私は新潟(長岡)から向かうので、東京の土地勘がほとんどありません。更に「方向音痴」のスキルが暴走しかねないので、事前に会場を何度も確認しておかないと辿り着けないのです。
私のように自信を持って道に迷う方はなかなかいらっしゃらないとは思いますが、きっとこの記事を読まれる方は会場を確認されるはずなので、ここで補足しておきます。
会場は「ベルサール神田」のイベントホール(2階)です。ベルサールという建物は多いので、お間違いのないようにご注意ください。13時に始まりますので、開場する12時半には余裕を持って到着したいですね。
ベルサール神田までの最寄り駅
- 「小川町駅」B6出口 徒歩2分(都営地下鉄新宿線)
- 「新御茶ノ水駅」B6出口 徒歩2分(東京メトロ千代田線)
- 「淡路町駅」A6出口 徒歩3分(東京メトロ丸ノ内線)
- 「神田駅」北口 徒歩7分(JR線)
- 「神田駅」4番出口 徒歩7分(東京メトロ銀座線)
- 「大手町駅」C1出口 徒歩8分(半蔵門線、丸ノ内線、東西線、三田線、千代田線)
私は登壇者ではありませんが、見かけたら気軽に声をかけてもらえるとウレシイです。
皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。