「なぜ?」からはじまる行動力。パワフルなウェブ解析士、佐藤 佳さん

「仕事とウェブ解析士」をテーマにお送りさせていただくウェブ解析士インタビュー。3人目は株式会社スノーピークビジネスソリューションズで広報と採用を担当している佐藤さんです。事業戦略立案にも携わり、営業支援や戦略支援を行う司令塔としての役割も担っています。また、昨年のウェブ解析士会議から始めたブログを毎日続けているなど地道な継続力の持ち主で、前年に活躍された方に贈られるウェブ解析士アワードでは「The Best Go-Getter」を受賞されるなど、多方面でのパワフルな活躍は、たくさんの方に勇気を与えています。

そんな彼女がウェブ解析士の資格を取得することになったのは、ある1本の電話がきっかけでした。自らの領域を積極的に広げてきた佐藤さんの姿勢は参考になるものばかりです。

(インタビュー:ウェブ解析士マスター 小杉 聖)
(編集:ウェブ解析士 中川 千春)

ウェブ解析士の佐藤さん
目次

知識ゼロ・経験ゼロから4年連続 200%成長の立役者

早速ですが、佐藤さんが今担当されていることについて教えていただけますか?

大学卒業後、地元のIT企業に就職しました。現在は会社の合併に伴って、株式会社スノーピークビジネスソリューションズ 事業戦略本部 企画部 責任者として、各事業の戦略的な支援を行っています。一方、プレイヤーとして広報と採用も担当していて、ウェブサイト・メルマガ・各種SNSなどの運用や、お客様の取材訪問、各種パンフレット制作、メディア対応、新卒および中途採用、インターンシップや職場体験の受け入れを担当しています。

戦略立案から広報・採用に至るまで幅広く手掛けていらっしゃるんですね。社内外との関わりも多く、「人と人をつなぐハブ」という言葉がぴったりですね!

ウェブ解析をはじめとして、「データ」と「人」をつなぐことがすごく楽しいんです。現場の人と一緒にデータを見たときに、そこから新たな気づきやビジネスの芽になるようなものが生まれることがあって、ワクワクしますね。

今までデータを活用できていなかった現場が活用できるようになると、また違った視点で見ることができるようになるのでオモシロくなりますよね!

私もそう思っていたのですが、ウェブ解析を始めた頃に「Google アナリティクスやマーケティングオートメーションってオモシロイよー!」って勢いよくどーん!とプッシュしたら、関係者にどーん!と引かれた思い出があるんですよ(苦笑)

同じ勢いでドン引きされたと(笑)

自分がオモシロイ!やってみたい!と思うことだけを押し付けてしまったんだなと気づきました。そんな経験から、誰かの役に立ちそうな情報を見つけたら「人」に言うのではなく、SNSなどの「場」に出すことにしました。続けているとどこかのタイミングで興味を持ってもらえるので、深い話はその後するようにしています。

自ら足を運んで話を聞きに行っているからこそ、現場や関係者の求めるニーズや喜ばれるものを的確に捉えられているんでしょうね。

そうですね。会社が「GENBA」を大事にしているので、お客様への訪問取材はもちろん、開発や営業などの関係する部門の会議に参加して、積極的に情報収集するようにしています。「今、この部署はそういうことをやってるんだな」とわかったうえで話をすると、協力者も得やすいですし。情報収集をするときは、「視点をモレなく集める」ことを一番意識していますね。

とはいえ、そうやって横断して動くのも難しいように思えてしまうのですが、佐藤さんの会社ではそういった文化が浸透しているのですか?

はい、当社の代表が「良好な人間関係の構築が何よりも重要だ」とよく話していますので、社内全体でそういうカルチャーが浸透していますね。
「自分の人生における社長は自分」とも言われています。ふとしたときに、つい発想が(会社に)雇われてる人目線になってしまうこともありますが、「人生における社長は自分、全員社長」として、自由と責任は強く意識されている風土だと思いますね。

そういえば以前、こちらの会社に入ったきっかけを寄稿されていましたよね。

就職活動をしていた時、偶然いまの会社を見つけました。当時は小さなIT企業だったのですが、「岡崎にIT企業なんてあるの?」という好奇心から会社説明会に参加してみたんです。そうしたら本当にオモシロイ会社だとわかって、「こんなステキな会社が知られていないのはもったいない!!」と、広めたい一心で入社を決めました

その頃からすでにアツい(笑)

当時の規模は12名で、役員を除くと営業と開発のみ。当然ですが広報部はありませんでした。自分のできることで貢献しながら、「どうやったらこの会社を広めることができるんだろう?」と考えていたところ、偶然いただいた一本の電話から、ウェブ活用をスタートすることになったんです。

佐藤さんの地道な努力のプロセスは以下に網羅されているので、ぜひご一読ください。何はなくとも、行動することで道は拓けるのだなあと、感嘆とともに改めて考えさせられます。

仮説を元にした実験を小さく積み重ねていけば、世界は変わる

佐藤さんインタビュー中

今年のウェブ解析士アワード「The Best Go-Getter」の推薦文に「地道な努力を続ける事を結果に繋げられる方」とあるとおり、まさに「継続力・行動力の佐藤さん」という印象を受けます。

ありがとうございます(笑)
でも、入社前の私は、Think, think, think…という感じで、石橋を叩きすぎる傾向があったように思いますね。今では Think は Action と一緒になって活きるんだ、と考えるようになりました。大きく考えすぎると、難しく感じてしまって躊躇してしまう。小さく考えて進めたほうが堅実かもしれないと考えが変わるようになりましたね。

なにかきっかけがあったんですか?

会社の行動指針の中に「Think & Action」という言葉があったことや、ウェブ解析士の資格を取得したことがきっかけだと思います。当たり前のことですが、仮説をいくら考えたところで、実験しないとサイトのデータって変わらないんですよね(笑)実験を重ねることで、少しずつ目指すべきゴールへ近づけばいいんだ、と思うようになりました。

まず仮説を持つのが大切ですが、その仮説を立てて終わっているかもしれないというのは、耳が痛いですね……。

自分自身の仮説を持つことは大切だと思います。その仮説があっているかどうかなんて、一発で当てなくて良いんですよ。まずは自分の頭で考えることが重要です。
また、ウェブ解析のいいところは、仮説の素材となるデータがあることや、検証結果が数字でも表現できること。もちろん数字だけにとらわれてはいけませんが、自分の貢献度を計れるようになったことで、よりやりがいを持って取り組めるようになりましたね。

ウェブ解析士の勉強に必要なのは「なんでだろう?」という好奇心

佐藤さんの言葉は、すごく「ウェブ解析士マスター」っぽいですね(笑)

時々「マスターだと思ってました!」って言われます(笑)今はウェブ解析士ですが、少なくとも上級までは取得したいですね。オンライン講座ができたことで挑戦できる環境になったと思いますし、知識の不足を埋めていきたいです。でも、一番やりたいのは英語でウェブ解析を学ぶことです(笑)

留まることを知らない学習欲……!
ウェブ解析士のテキストは、かなりボリューミーになったじゃないですか。なかなか読む気がしない方も多いと思うんですが、佐藤さん的には、どのように取り組んでいったら良いと思いますか?

最初からいきなり分厚いテキストを読みだすと嫌になっちゃいますよね。コツとしては「よしやるぞ!」より、「もう見ない!」でスタートするのが良いかと思います。

“もう見ない”!? 新しい!

まずは、自社サイトやメルマガ、ブログやSNSなど、なんでもいいから数字がとれるもので自分なりに考えたことをやってみると良いと思いますよ。やってみて疑問が出てきた段階になってテキストを見ると「わあ、とっても上手く説明してくれてるんだ!」と感じられます。

なるほど、疑問を解決するためにテキストを使う、と。

私自身、Google アナリティクスをまず触ってみて、面白いな!と思ったところからスタートしているんです。そこで、勉強できる方法を探したのですが、ウェブ解析士の資格は他の資格と比べて網羅性があるし、ビジネスの全体設計も学べそうだと思ったので選びました。大切なのは、“知識を覚える” んじゃなくて、”知識を使う” こと。興味や好奇心からスタートするといいと思います。

さっきも小さなことからって話がありましたが、そんなに大層な疑問でなくてもいいんですよね。

はい。たとえばメルマガの開封率が前回より下がっていたとしたら、シンプルに「なんでだろう?」と思えるようになるのが大事ですね。自分から出た疑問は知識を吸収しやすくなりますし。中にはなじみが無くとっつきにくい単元もあると思いますが、こういうものがあるんだなと知っておくのが大切で、また必要になったり、興味が湧いたりした時に勉強すればいいと思います。

小さな子どもの「なんで?」が探求につながっていく感じと同じですね!

そうですね。自分の小さな疑問・関心・好奇心を大切にして、ワクワクにつなげて欲しいです。また、取った後の姿をイメージしながら勉強すると、ワクワクできると思いますよ!あとは「ウェブ解析士の資格をがんばる!」って宣言すると、実は周りにも仲間がいるので、Twitter や Facebook などで宣言してみるのもいいと思います。

私も問題集の刊行に関わっていることもあって、「ウェブ解析士、難しい〜〜!!」ってツイートを見ると、つい反応したくなってしまいます。

小杉さんみたいな方もいますし、私もウェブ解析士のイベントでお知り合いになった方は多いですね。だからぜひ認定後にはコミュニティに飛び込んでみてほしいです。
私自身、最初は交流の仕方がわからなかったんですけど、協会主催のセミナーにまずは参加することから始めました
交流を前提に資格を取りにいくのもアリだと思います。教科書だけだと解決できないこともありますが、いろんな人の知見が加わると、理解も深まります。

そうですね、地域ごとの支部活動はSNSでしかできていないので、なかなか見えにくいと思いますから、まずはウェブ解析士向けのセミナーに参加してもらうのが一番ですね。委員会活動もしていますし。

自分から動けば動くほど、情報やチャンスが集まると思います。コミュニティが見当たらなければ、自分で立ち上げてみてほしいですね。あれこれしてるうちに仲間が集まるはずです。

私も時々、ウェブ解析士向けのオンライン呑み会やってるのですが、頻度が少ないんですよね。だから「やりたい!」っていう人が出てきたらバックアップしたいです(笑)

そういうのもいいですよね!私もぜひ参加したいです。
最近、ウェブ解析と、あと2つくらい自分の強みと掛け算すると、自分の武器ができるんじゃないかなと考えています。この間も名古屋で開催した中部支部の懇親会に集まってくれた方々は、いくつも強みを持っている方ばかりだったので、そういう人たちの話を聞いて刺激を貰うのも良いと思います。

佐藤さんの場合は、まずやってみるという行動力とたゆまない継続力ですね。

自分の強みを活かして、これからも Action!を続け、恩返ししていきたいです。

あとがき

佐藤さんの会社では「何事においても一番土台となるのは、良好な人間関係」であり、それができる環境であること、その土台のもとでスキルや創造力を磨けること、更に業務効率にも有意義にはたらいていることなどを伺いました。それらは、たとえばランチタイムに声をかけるなどのちょっとしたことですが、佐藤さんは日常的にそれらをやっているとのこと。

これからの個の時代において、一人ひとりに寄り添うことを苦とせず、相手に興味を持って目的を達成していくことの大切さ、そしてそれらをどうやって楽しんでいくかを、改めて考えさせられました。

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ウェブ解析士の佐藤さん

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