「仕事とウェブ解析士」をテーマにお送りさせていただくウェブ解析士インタビュー。13人目は、株式会社メンバーズで運用広告担当をしている助川さん。
入社3年目の現在は、チームリーダーとして案件を持ちながら、後輩育成にも力を注ぎ、長期休暇はインドでバックパッカーをしたり、積極的にセミナー運営ボランティアに参加されたりしているなど、まさに仕事も人生も全力で楽しんでいるお方です。
今回は、助川さんがどんなきっかけでウェブ解析士を取得したのか、何を感じ、どんなキャリアを目指しているのか伺いました。助川さんのストーリーは、若手のみなさんにとってはロールモデルであり、ベテランの皆さんにとっては原点を思い出させてくれるに違いありません。ぜひご一読ください。
(インタビュー・編集:ウェブ解析士 佐藤 佳)
自分の価値って何だろう
助川さん、こんにちは!自己紹介がてら、今のお仕事について教えていただけますか?
株式会社メンバーズという、デジタルマーケティングの会社で働いています。メンバーズにはいろんな仕事があって、私はそこで不動産案件の広告運用を担当しています。2017年に新卒入社したのですが、最初は与えられた仕事をとにかく一生懸命やっていました。3年目になった今は案件のリーダーを任せてもらえるようになって、自分が2年半かけて学んできたことを後輩育成に役立てています。
3年目にしてリーダー、すごいですね!1年目の時と、3年目として先輩になった今、どんな気づきがありますか?
入社したころって、壁にぶち当たると先輩にアドバイスを求めますよね。でも、ときどき先輩の言うことがしっくりこない時ってありませんでしたか?いざ逆のポジションになってみると、後輩から当時の自分のようなリアクションが返ってくることがあって。これは同じことが起きてるぞと思いました(笑)。本人が気づいていないだけで、みんな「自分の中に答えを持っている」から、背中を押してあげればいいんだと気づきました。
私も身に覚えがあります(笑)。そろそろ仕事に慣れてきたころだと思いますが、どんなスタンスで臨んでいますか?
あたり前のことをしっかりやりながらも、「当たり前じゃないことやったろ!」と思ってます。社会人になってから、自分の価値って何だろう、自分はどこで価値を出せばいいんだろうと考えたところ、みんなが「えっ!?それは考えなかった!」と思うようなことをやりたいと思ったんです。最近やったことと言えば、社内サークルで「滝行サークル」を立ち上げたことでしょうか。おかげさまで社内外問わず話題になりました(笑)。
資格取得は一番ノッてるタイミングで!
ちなみに就職は最初からウェブ業界を考えていたのですか?
就活を行っていくうちに、ウェブ業界に進みたいと思うようになりました。この先、どんなビジネスでもウェブは必要不可欠ですし、伸びる業界だと思ったからです。もうひとつは、パソコン1つで仕事ができること。海外で働いてみたいという夢があって、リモートワークしやすい職種に魅力を感じました。きっかけは、大学2年生の時に友達を訪ねて台湾に行ったことや、3年生の時のベトナム留学です。東南アジアの独特な雰囲気にハマってしまい、最近はインドでバックパッカーをしてきました(笑)。
かっこいいですね!そんな助川さんが、ウェブ解析士を取ろうと思ったきっかけは?
就職が決まった時ですね。入社前にウェブ関連の勉強をしておきたかったというのと、たまたま母校の夏期講座で江尻さん(ウェブ解析士協会の代表理事)が講義を行っていて、単位をもらえるし、学べるし、いいなと思ったんです。また、ゼミの先生がウェブ業界の人で、「すごくお勧めだよ!」と言っていたのも後押しになりました。ただ、当時の私には「ちんぷんかん」でして・・・。実は、試験に1回落ちちゃったんです(笑)。
そうだったんですね。同じ境遇で再チャレンジを考えている方に向けて、自分なりに受かった要因を解析するとどうですか?
自分がモチベーション高くて、「一番ノッてる時」にやるのがいいと思います。私の会社では、入社直後に2か月間、フィリピンのセブ島でプログラミングと英語の研修を受けられます。その時が人生の中でもかなりモチベーションが高い時で、「成長したい!」「勉強して即戦力になりたい!」と強く思っていました。研修が終わって帰国した後に一気に勉強して、無事合格することができました。具体的な勉強法も大事ですが、気持ちも大事だと思います。
ウェブ解析士になってわかった魅力
ウェブ解析士の資格を取って、良かったことってなんですか?
ひとつは、基本の広告用語や計算方法を知っていたことで、すごいねって先輩が褒めてくれたことです。あれは嬉しかった~(笑)。もうひとつは、広告以外のことを聞かれても答えられる点ですね。お客さんからGoogle Analyticsとか、KPIの目標設計とか、サーバー周りのことを聞かれても、「これ勉強したな」って学んだことが紐づくので、ウェブの全体像を学べる点が魅力だと思います。
逆に、デメリットはありますか?
資格だけ取りたい人にとっては、資格維持に必要なフォローアップ試験の合格と、年会費がネックと感じるかもしれません。とはいえ、試験があることで新しい知識が得られるし、コミュニティを通じていろんな人と出会えるので、見方を変えればありがたい仕組みです。あとは魅力的なセミナーが多い反面、若手のお財布では手が出しにくい点(笑)。セミナー運営ボランティアなどをうまく活用して、若手も貪欲に学んで欲しいです。
若手に向けて、お勧めの自己研鑽について教えてください。
セミナー運営ボランティアは、かなり活用させていただいています。手伝いながら学べるし、運営側も人手が欲しいと思うので、Win-Winですよね。また、セミナーに参加している人は学ぶ意欲が高いので、コミュニティに関わることで自分の学びが広がると感じています。具体的には、出会ったらFacebookのお友達になって、セミナー後もみんなが投稿している気づきや学びをみて、新しい観点や情報をどんどん取り入れています。
今後の目標とキャリアについて
成長に前向きな助川さんが、目標にしている人ってどんな人ですか?
自分の上司です。年齢は29歳で、ロールモデルにもしやすいと思っています。どんな人かと言うと、ちょっぴりへらへらしていて、憎めない感じの人です(笑)。ただ、予算に対するコミットがすごいんです!それからフィードバックが早くて、しかも的確なんですよね。上司のように愛嬌があって、決めるところはしっかり決める、そんな人になりたいと思っています。
今も海外で働きたいですか?今後のキャリアや、行ってみたい国は?
機会があれば国内の地方はもちろん、海外でも働いてみたいと思っています。理由のひとつは、これからのビジネスは海外を取り入れないと成り立たないと思うから。もうひとつは、成長過程にある国に飛び込んで、一緒に成長するのも楽しそうだからです。会社の期待にも応えながら、全て欲張ってやれる方法を考えています(笑)。将来はベトナムに移住し、パソコン1つで働けたらいいなぁと思ってます。
最後に、これからウェブ解析士を取得する人に向けて、メッセージをお願いします。
まず飛び込んじゃいましょう(笑)。私は英語がペラペラに話せるわけではないのですが、とにかく海外に何回か飛び込んでみたら、最近は世界のどこにでも1人で行ける!と思うようになりました。また、今の行動がどう未来につながるのか、その時はわからないものです。私は小さいころ絵を描くのが好きで、中学では美術部に入りました。高校では演劇部で体を使って表現する面白さに気づき、それが大学のプレゼンに活きるようになって、今ではディレクターをやっています。受験費用や勉強の壁はあると思いますが、ウェブ関連の資格では充実度NO.1だと思っています。ぜひチャレンジしてみてください!
あとがき
助川さんと初めてお会いしたのは、2018年のウェブ解析士会議でした。第一印象は、素敵な笑顔と、キラキラな目。いったい彼女の輝きの源泉は何だろう?と気になっていたので、このような機会をいただけて嬉しく思います。実際インタビュー中、「こんなに私のバックボーン聞いてて記事は大丈夫ですか」って心配されてしまうほど(笑)、助川さんのお話は本当に面白かったです。
特に印象的だったのは、助川さん流の海外の歩き方。スキルを身につけようと思うよりも、飛び込んで「度胸」を付ける方が効果的であること。そして、「わからなくても、会話しようと思う気持ちが大切」だというお話です。助川さんみたいな人が増えたら、海外で活躍する解析士が増えそうですね。今後の益々のご活躍をお祈りしております!