「仕事とウェブ解析士」をテーマにお送りするウェブ解析士インタビュー。72人目は、ウェブ運用のBPOを行う企業でウェブディレクターをされているウェブ解析士・SNSマネージャーの奥平 初(おくひら うい)さん。事務系のお仕事からキャリアをスタートし、課題発見と数値分析をこなすうち30歳を過ぎてウェブ業界へ足を踏み入れました。さまざまな経験のなかで貪欲に情報収集と実践をしてきた姿が印象的なインタビューでした。
(インタビュー:上級ウェブ解析士 毛利 美佳、編集:ウェブ解析士 ふじねまゆこ)
異業種からウェブディレクターへ
――自己紹介をお願いします。
奥平 初さん(以降、奥平さん):よろしくお願いします。私はBPO事業を中心に展開する企業でウェブディレクターをしています。現在の案件では大手家電メーカーのウェブサイト運用に携わっています。
――BPOについて聞き馴染みがない方もいらっしゃると思いますので、簡単に教えて頂けますか?
奥平さん:BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)といって、業務の一部を外部委託することです。私の所属する部署はウェブ分野を専門としており、大手企業のウェブ部門を支援しています。ウェブの戦略や運用を得意としています。
――ウェブ業界は長いですか?
奥平さん:もともとは大学事務の仕事からスタートし、1年ほど事務をつとめ、病院事務などの仕事を経て30歳を機にこの業界へ転職しました。
事務業務のなかでも、課題の理由を考え数字を見ながら解決の道のりを考える仕事が得意だったので、数字に強いこと、課題発見力の高さが培われたと思っています。
――全く違う業界への転職ですが、不安はありませんでした?
奥平さん:不安はなかったですね。物事を発信することはもともと好きでしたし、その能力を磨ける期待のほうが強かったです。
――ウェブ業界での業務で、課題に感じたことはありましたか?
奥平さん:ウェブの場合、いろいろな目線で全体像を捉えなければいけないところが、新鮮でもあり大変でもありました。そのいろいろな目線を得るための手段として、ウェブ解析士に行き着いたんです。
得意を活かすために試験へ挑戦
――ウェブ解析士を取得するきっかけは?
奥平さん:上司の勧めから取得しました。課題発見力を活かして取ってみたらと。
――受験に向けて何か工夫はされましたか?
奥平さん:ウェブ解析士認定講座の受講と、問題集を何回も解き直しました。わからないところがあればテキストを見直して、わからないところが無くなるまで。
――ウェブ解析士認定講座も受講されたそうですが、どのように感じましたか?
奥平さん:講座を受けてよかったです。講座で知り合った仲間もいますし、先生はウェブ解析を仕事として取り組まれている方で、手法や経験など教科書でわからないところを教えていただくことができました。
――資格取得されたのはいつ頃ですか?
奥平さん:2021年7月ですね。コロナ禍で仕事が少なかったこともあり、この期間で知識を磨きたいと思って頑張りました。
講座受講で視野が広がり仲間が増えた
――実際の業務で資格をどのように活かしていますか?
奥平さん:私の仕事はクライアント様のウェブサイトを分析し、施策へ反映します。どのようにクリエイティブへ反映させるのか提案します。
提案のエビデンスとして数字をしっかり持てるようになり、説得力が増したと感じています。
――資格を取得してよかったことは?
奥平さん:やはり仲間ができたことですね。TwitterなどSNSを通じていろいろな方の経歴、経験を伺えるきっかけになりました。そして、新しい技術やツールの情報を学べる機会がある点も大きいと思います。
――奥平さんはSNSマネージャーも取得されていましたね。SNSまで学ぼうと思ったきっかけは?
奥平さん:前職でリード獲得のためのウェブ運用に携わり、そこでSNS運用にも触れたんですね。そのとき私はSNSにあまり詳しくなく、どのSNSをどうやって効果的に使えばよいかしっかり理解し、アウトプットできる人間になりたい!と思ってSNSマネージャーに興味を持ちました。
――SNSマネージャーが活かされた場面はありましたか?
奥平さん:残念ながらリード獲得の成果を得られなかったのですが、発信力の強さやインプレッションの強さを実感しました。
そのほか、SNSマネージャー養成講座のインスタライブに出演するなど、協会を通じていろいろな経験をいただいて、とても楽しい日々を過ごしています。
――協会の各種講座や活動についてはどのように考えていますか?
奥平さん:時間が許す限り参加したいですね。2023年2月のデジタル推進委員登録説明会にも参加し、地域のためにできることがあればしたいと思いました。
企業を導くウェブディレクターに
――奥平さんの今後のビジョンについて教えてください
奥平さん:ウェブは作って終わりではなく、いかに運用するかだと思います。課題を発見し、PDCAを回し、解決していった結果、事業の成果を得る。そんな支援をしていきたいです。
企業を導くウェブディレクターを目指して、今も仕事に励んでいます。
――最後に一言メッセージをお願いします
奥平さん:私はウェブ解析士を取得して、さまざまな角度からウェブを見れるようになりました。資格取得で業務そのものの見方が変わるはずです。ぜひ挑戦してみてください。
あとがき
異業種を経験されたのちにウェブ業界への転職。ご自身の強み「課題発見力」をさらに生かせる資格としてウェブ解析士という選択肢があるのだと、新たに発見させられるインタビューでした。
デジタル推進委員への登録は、ウェブ解析士をお持ちの方であれば皆さん登録することができますので、奥平さんのように資格と掛け合わせてご活用いただくとお仕事の幅が広がりそうです。(毛利)