札幌市でウェブマーケティング事業を展開する株式会社ドミニオンは、ウェブメディア運用・SEO支援に特化したウェブマーケティング会社です。
社員・パート含めて11名の少数精鋭でありながら、未経験かつ主婦を積極的に採用。人材育成へ注力しています。2024年にウェブ解析士協会と法人契約を結び、社内教育へご活用いただきました。
働き方が多様化する昨今、業界未経験からウェブディレクターへ着実に育成する取り組みを、同社エグゼクティブディレクターの高木さんにうかがいました。
(インタビュー・編集:ウェブ解析士 ふじね まゆこ)
知識の底上げを全社で実現
――貴社はウェブメディアの運用支援に精通し、過去には「バリューコマースアフィリエイト Most Valuable Partners 2023」通信の部でMVPを取得したと聞きました。事業内容を教えていただけますか?
株式会社ドミニオン 高木 健太朗さん(以下、高木さん):弊社はウェブマーケティング支援を主力事業としています。オウンドメディア運用やアフィリエイト分野の支援が得意です。
社員7名、アルバイト数名の小さな会社ですが、案件数は規模以上に多いと思います。
――当協会の法人会員へ申し込まれたきっかけは?
高木さん:これまで独自のノウハウを社内共有してきましたが、ウェブ解析ツールの見方、数字の扱い方などテクニカルな部分に弱さを感じていました。
加えて、社内向けのマニュアルを作るよりも、資格のほうが良いなと思ったのがきっかけです。
――パート・アルバイトも全員、資格取得を目指すのでしょうか?
高木さん:そうですね。弊社ではウェブ解析士を含めた資格取得に、立場を問わず手当がつきます。
SEO検定、簿記など、事業に関する資格や自己の成長につながるのであれば基本OKです。簿記はウェブに関係ないと思われるかもしれませんが、数字に強くなれます。ディレクターとなればサイト運営に対して、どのような費用がかかって、いくら収益があり、サイトの利益はどのくらい残るなどの把握や確認は自分でやることになりますから。
書籍購入も会社側で負担します。制度導入後の社内アンケートでは月に1〜5人読書すると回答していたので、もしかすると以前よりも本を読むことが多くなってるかもしれません。
――社内の学びに手厚いですね。
高木さん:インセンティブの効果かわかりませんが、前向きに学んでると思いたいです。
弊社の代表も、社内に向けた勉強会を月1回程度行っています。スキルアップの環境は整っていると思います。
未経験から即戦力へ成長できる理由
――貴社のメンバーは8割が未経験かつ主婦だそうですね。
高木さん:そうです。弊社はもともとクラウドソーシングで人材募集していました。ご存知のとおり、SEO、アフィリエイトの分野は変化が激しいため、知識・経験がすぐ古くなってしまいます。
過去の知識・経験に固執してしまいがちな経験者よりも、業界未経験のほうが知識を素直に受け入れて成長が早いので、この方針を採用しています。
――未経験とは、どの程度のITリテラシーを求めていますか?
高木さん:ブラインドタッチができればOKです。できなかったメンバーも、やる気を見込んで採用したところすぐクリアしました。SEO、ASP、アフィリエイトなどの用語すら知らなかった方がほとんどです。
――主婦を歓迎する理由は?
高木さん:家事育児をしながら、未経験でウェブディレクターを目指そうとする方は、相当な覚悟を持っていらっしゃるんですね。そして真面目です。かつ、正社員ではなくアルバイト・パートとして応募するということは、限られた時間でしっかり働きたい意思があるのだと思います。
結果、未経験で採用した9名のうち、3名がウェブディレクターとして社員になりました。
成果の還元が、メンバーの定着率を上げる
――今後、ウェブ解析士の資格を社内でどのように活用したいですか?
高木さん:弊社ではライター、リーダー、サブディレクター、ディレクターの順番でキャリアアップしてもらっています。このサブディレクターの要件に、ウェブ解析士取得を採用予定です。
――これまでのお話から、メンバーのみなさんが前向きに学び成長する様子がとても素敵だと感じました。働く環境づくりで意識していることを教えていただきたいです。
高木さん:募集しはじめたときは、同じような会社よりも良い条件を目指しました。でないと募集かけても人が来ないと思ったからです。
服装・髪型自由、出勤時間自由、オンライン可、資格手当……。あとは、社食(食費補助)があります。
――一般的なパート・アルバイトで働く方の悩みは、シフト変更の際にスタッフ自身が個別にお願いしなければいけないことや、休みが取りづらいといった点にあると聞きます。
高木さん:なるほど。その点は柔軟に対応できているんじゃないかと思います。
弊社の勤務時間は9時から18時ですが、メンバーの希望に合わせて変更可能です。
入社後すぐディレクターを目指しますが、会社としては、週3日・5時間勤務でディレクターに成長してもらえたら素晴らしいと思っています。
なぜなら、マニュアル通りの経験ではなく、自らウェブディレクターに必要なスキルを習得する時間を算出し、ご自身の判断で稼働時間を捻出するほうが、マニュアルとの差を埋めたことになります。
自ら時間を確保できる人ほど成長速度が速いのは普通のことです。
――確かに。与えられた仕事を指定された時間でこなすよりも、自分で時間を決めて短時間で高い価値を生み出すことに注力したほうが、お互いにとって良いですもんね。
高木さん:稼働時間が周りより少ないにも関わらずウェブディレクターになれる方は、会社にとって貴重な存在だと思っています。
その方の取り組み方から、短時間で効率的にスキル向上できるアプローチを社内全体に反映すれば、会社の仕組みを改善できるのですから。今のマニュアルをより改善できる機会の1つでもあり、これから入ってくる人材の育成にも貢献できたことになるのです。
弊社では、このような人材に報酬として還元をしています。
――素晴らしい取り組みですね。我々も、個人、そして企業のデジタルマーケティングにおける知識の底上げに寄与できるよう尽力したいと思います。
関連リンク
株式会社ドミニオン:https://dominion-biz.co.jp/