ウェブ解析士の資格を取得した方を対象としたショートインタビュー。今回は、関西のベンチャー企業でウェブマーケティングを一手に担っている鳥羽(とば)さん。実務でも十分鍛えられる環境の中、それでもウェブ解析士の資格を必要とした理由を伺うことができました。
(インタビュー・編集:ウェブ解析士マスター 小杉 聖)
――― 鳥羽さんは現在、ベンチャー企業に所属されているのですよね。
鳥羽 歩さん(以下、鳥羽):はい、不動産投資を行っている、関西発ベンチャー企業のウェブマーケティングを担当しています。主にCtoCの集客を担っており、ブランディング、ウェブ広告、リードジェネレーションサイト、他サービスサイト運営やコンテンツマーケティングなど幅広い業務を行っています。ツールで言えば、Google アナリティクスとSalesforceがメインですね。
――― 手広い!もはやプロの所業ですね。
鳥羽:今の会社に転職したのは2019年ですが、それまで5年くらい、マーケティングとブランディングに携わっていました。以前はアパレルのSPA企業で対面でのコンサルティング営業を長くしていたのですが、後半はEC、SNS、コンテンツマーケティング、メールマーケティング、O2O施策などに取り組んでいました。
――― 対面コンサルの経験があると、お客様の気持ちに直に触れられますし、ウェブマーケティングやブランディングに活かせるのも納得です。
鳥羽:現職では対面での不動産投資コンサルティングサービスを主とした富裕層向けのマーケティングに取り組んでいます。富裕層の方に参加してもらうセミナーの集客などに取り組んでいまして、アパレルの単価と不動産投資では、商品単価の桁もお客様のニーズや嗜好もまったく異なりますので、前職の時にはできなかった施策にチャレンジしています。
――― 商品単価の桁がまったく違う富裕層向けのマーケティングと言われると、ちょっとドキッとしますね……。
鳥羽:ですよね。投資するお金が大きい分、会社やサービスの信頼性も重要になっています。ただ、前職と共通する部分もあって、例えばSEO施策だったり、ブランディングですね。企業の信頼性を高めるためのコンテンツや検索エンジンで新規を獲得できるコンテンツマーケティングは前職の経験を元に、現在も取り組んでいます。
――― それでもなぜ、ウェブ解析士を学ぼうと思われたのですか?
鳥羽:一言でいうと、ウェブ解析の理解と専門性が足りないと痛感したからです。
前職では広告運用を外注任せにしており、もらったレポートを見て指示を出すだけで良かったのですが、今はインハウスですべて対応しなくてはなりません。やりながら覚えるだけでは足りないと感じたので、ウェブ解析士を学ぶことにしました。分析スキルを高めて社長へのレポーティングを行い、実績と信頼を得るためです。
――― 社内、しかも社長をクライアントとしてレポーティングするのは、ベンチャーならではですね。
鳥羽:そうですね、前職とは比にならない深さで自ら分析しなければならず、社内の立場というか事業者目線はもちろん、業界の専門家としての客観的な提案も求められています。
――― すごく厳しいですが、磨かれる環境ですね……!
鳥羽:今までは指示する立場から、社長の直属としてPDCAを全部1人で動かしている立場になりました。社長に提案して、実際にやってみて、検証して、また次の提案。すべて結果につながるので、やりがいはありますね。
――― そんなにパワフルな鳥羽さんなら、ウェブ解析士の内容はそこまで役に立たなかったのでは?と思ってしまうのですが、オススメできますか?
鳥羽:学ぶこと自体は、強くオススメしますよ(笑)
私はオンラインの動画講座を受けましたが、自分のペースで受けられますし、聞き逃したところもしっかり理解できるまで繰り返し何回も聞けますし、テキストでわからないところを動画で説明してくれていたので、なかなかない環境だと思います。
――― 動画講座って人によって好き嫌いが分かれると思いますが、鳥羽さんにはちょうどよかったのでしょうか。
鳥羽:そうですね、リアルで受けたらスピードについていけなかったかもしれないですね(笑)。結構細かい設定の仕方も解説してくれていましたし、時間を気にしなくても受けられる動画講座ならではの良さはありました。
――― 確かに時間の制限はないですし、必要に応じて飛ばせるのも動画講座の魅力ですね。では、「もうちょっとこうしてほしい」といった改善点はありましたか?
鳥羽:Google アナリティクスの部分は、もっと学びたくなりました。使い方はもちろんですが、他の人がどういうふうに使っているのかがわかると、更に深まるのではないかと思います。初心者にしては難易度が高いものでも、用途がわかると「それなら使ってみよう」となりやすいので。書籍や本業ではあまり触れることのない、目的ベースの事例を知ることで視野が開けて選択肢も広がると思います。
――― いいですね!ライブ解析は時々やっているのですが、もっと増やしてもよさそうです。
鳥羽:それから、Salesforceとの連携はまだまだ学んでいきたいので、インサイドセールスの話がもっとあったらうれしかったです。
――― そうですね、CRMとのデータ連携はこれからもっとアツいでしょうし、ウェブ解析士協会としてもやっていけそうな分野ですもんね。
鳥羽さん自身は、今後はインサイドセールスを極めていく流れでしょうか。
鳥羽:今は本業で新しいことにチャレンジしながらキャリアを積んでいる最中ですし、個人でもアフィリエイトサイトを運営しています。個人でサイトを持っていれば検証もしやすいので、今後ウェブマーケティングでたくさんの会社に貢献しながら、マルチに活躍していきたいですね。そのためにやらなければならない課題は山積みですが、負けてられません!
――― 心意気がスゴイ!経験をすべてプラスに転換できる鳥羽さんの将来が楽しみです!