
「仕事とデジタルマーケティングと資格」をテーマに、ウェブ解析士協会会員の働き方を深掘りするインタビュー。92人目は、株式会社セカンドマインド 取締役 重田浩樹(しげたひろき)さん。中小企業向けの財務コンサルティング事業を運営する傍ら、複業でセールス・マーケティング支援、SNS運用代行をするなど幅広い分野で活躍されています。上級ウェブ解析士・上級SNSマネージャーで得た、「個人の努力だけでは届かないもの」について伺いました。
(インタビュー:チーフSNSマネージャー 毛利 美佳、編集:ウェブ解析士 ふじねまゆこ)
資格で得られる知識と権威性が、クライアントの納得度を高める
――自己紹介をお願いします。
重田さん:株式会社セカンドマインド 取締役の重田浩樹と申します。主に財務コンサルティングを行う事業会社です。そのほかに私個人の活動として、SES系とエンタメ系の企業でセールス、マーケティングのマネージャーと、SNSの運用代行も行っています。
――ものすごいバイタリティですね! ウェブ解析士を取得したきっかけを教えてください。
重田さん:前職でEC事業会社に所属していたとき、数値分析や提案に必要な知識が不足していると感じたのがきっかけです。当時は専門知識を独学で集めていたので、知識とエビデンスを網羅的に学べる学校や場所を探していました。
――数ある資格からウェブ解析士を選んだ決め手は?
重田さん:権威性を持てる点ですね。資格取得後、クライアントへのご提案ひとつでも、資格があることで私自身の説得力が上がりましたし、クライアントの反応も変わったと感じています。
解析レポートを出すときも、デジタルマーケティングに関する所感を伝えるときも、資格の有無で相手の返答が変わります。どんな人にも伝わりやすい肩書は、日本国内において特に重要なんだなと実感しました。
――私自身も資格の権威性を感じますね。ちなみに、SNSマネージャーを取得しようと思ったきっかけは?
重田さん:EC事業に取り組んでいた当時から、SNSは今後のウェブマーケティング、ブランディング、BtoCビジネスに間違いなく必要不可欠だと思っていました。上級ウェブ解析士を取ったら、必ず上級SNSマネージャーも取るのは、私の中で必然でしたね。
――重田さんの前向きな姿勢が素晴らしいです。ちなみに、SNSの経験はそれまでにありましたか?
重田さん:SNS運用のアドバイスやテストの提案などを行っていました。ただ、それまでの知識は独学でしたから、資格を取得することでより信頼性が高まる点に期待していました。
有資格者のつながりに価値がある
――資格を取って感じたメリットは何でしたか?
重田さん:私が一番価値を感じるのは、ウェブ解析士協会に属して人のつながりができたことです。SNSマネージャーのFacebookのグループや、セミナーを通じていろんな知見が得られました。
2つの上級資格を持って協会内のいろいろなグループに参加すると、声をかけられたり、話を振ってもらったりする場面もあります。つながりを作りやすい環境が嬉しいですね。
また、周りに、ウェブ解析士協会のセミナーに出て勉強している旨をお話をすると、相手の反応が変わって説得力が増したように感じます。学んだ知識だけでなく、その経験自体も実務的なところで良い影響があったと思いますね。
――知識だけでなく、協会をフル活用いただけて嬉しいです!クライアント様の反応の変化について、具体的に教えていただけますか?
重田さん:例えば、専門用語でも、言葉の意味をちゃんと理解して説明できるかどうかは、かなり信頼度に直結します。クライアントがその言葉を耳にしたときに、「重田さんも資格持っていましたよね。あの分野についてどうでした? 」という会話に発展すると、セミナーで学んだ知識・経験の共有により双方のリスペクトが生まれますよね。
このようにディスカッションが盛り上がる経験をして、資格で学ぶことはもちろん、協会員として、仲間を増やしていくのはすごく価値があるなと感じました。
駆け出すときは、提案前に期待値を調整する
――上級SNSマネージャーを取得した後によく聞かれる話として、「クライアントへ提案をしたいけれど、実績のなさから自信を持って提案しづらい」というお悩みがあります。これについて、重田さんはどう思われます?
重田さん:私は話の最初に「絶対に成功する方法はないですよ」と伝えるようにしています。加えて、クライアント側からよく「成功事例を見せてください」と聞かれますけれど、事例と同じことをしても絶対にうまくいかないという点も先に押さえていますね。
――なるほど。無理なことは先に伝えておくんですね。
重田さん:同じ業態、商材の競合だったとしても、ブランドの認知度やブランドイメージは違います。考え方を真似するのはいいですが、同じクリエイティブを作れば良いわけではないです。
そういったことは先に伝えておいて、クライアントの期待値調整をしっかりされると良いかと思います。そのうえで、認知度向上、ユーザーニーズの把握を行うのが私たちの役割だと伝えられるといいですね。
――勉強になります。他にも、しておくと良いことはありますか?
重田さん:「本気でSNSやるなら、お金をかけないと無理だ」と伝えています。すぐ成果が欲しいのであれば特に。無料で使えるツールだからといって、投資せず成果を得ることは不可能だと先にお伝えさせていただいています。
――とても大事ですね。
「資格取得後の活かし方」のほうが、合格よりも大事
――重田さんが今、注力されていることについて教えてください。
重田さん:現在は、業務委託先の自社メディア立ち上げに向けて動いています。エンタメ系のメディアで、グローバルをターゲットにしているので、英語、中国語、韓国語の展開と、認知獲得のためのX運用ですね。
国内向けのメディアとは戦略が全然違うと思いますし、私自身も初めて挑戦します。まずはここに注力していますね。
――重田さんのビジョン、目標も教えていただけますか。
重田さん:私は、戦略を立てるだけではなく戦術に落とし、施策に落とし、実務まで落とし込んで、PDCAサイクルを回せる人材になりたいと考えています。設計と実行に一貫性をもって取り組みたいですね。
あとは、決めたことを決めた通りにやるのではなく、臨機応変に対応できる柔軟な頭の使い方と、常にトレンドを一通り把握できている状態を目指していきたいなと思っております
――ありがとうございます!最後に、資格取得を考えている方へのメッセージをお願いします。
重田さん:この資格は、個人で取得される方もいれば、会社から取得するよう言われた方もいらっしゃると思います。基本的にデメリットはないので、ウェブに関わるならば取得して損はないですね。
そして、資格取得後も継続的に協会へ属している方が、継続して情報収集に務められる状況を作り、一生使える資産が積み立てられると思います。
ぜひ、資格を取ってからどう活かすか考えて、行動してみてはいかがでしょうか。
あとがき
事業会社で役員をしながら個人活動までされているアグレッシブな重田さん。資格取得によるスキルアップのみならず、肩書きによる権威性を感じているエピソードは、インタビュアーである私自身も非常に共感するお話でした。
単なる資格取得で終わらず、協会員としてのメリットを最大限に生かしているご様子は、他のメンバーにとっても良い刺激になると感じられるインタビューでした。