デジタルマーケティングに強い公認会計士が描く未来 ウェブ解析士 鈴木 爽矢さん

「仕事とデジタルマーケティングと資格」をテーマに、ウェブ解析士協会会員の働き方を深堀りするインタビュー。85人目は、公認会計士試験合格者の鈴木爽矢(すずき そうや)さん。インターン先でウェブ解析士マスター 森山正継さんに出会い、デジタルマーケティングの経験を積みました。現在は大手監査法人に就職し、多くの企業の会計分野を支えています。目の前の課題に精力的に取り組む鈴木さんへ、会計とデジタルマーケティングの相乗効果についてお話を伺いました。

(インタビュー・編集:ウェブ解析士 ふじねまゆこ)

目次

インターン先でウェブ解析士を取得した理由

――鈴木さんは昨年(2023年)の春に大手監査法人へ入社し、公認会計士試験合格者としてご活躍されているそうですね。

鈴木さん:2022年に公認会計士試験に合格し、現在社会人1年目です。

――どのようなお仕事をされているのでしょうか?

鈴木さん:会計監査のほか、スタートアップ企業向けの成長支援を行っています。監査以外の具体的な仕事は、シンポジウムやセミナーの実施・運営ですね。

クライアント様は東証プライム企業をはじめ、これからIPO上場を目指す企業など、業界も規模も様々です。私はどちらかというと、広告業界やIT業界の企業を多く担当しております。

――一見、ウェブ解析士と縁が遠いお仕事のように思えますが、資格取得のきっかけは?

鈴木さん:大学在学中に、公認会計士資格スクール(CPA会計学院)を運営するCPAエクセレントパートナーズのインターンに参加しました。そこでウェブ解析士マスターの森山さんと出会い、ウェブ解析士の存在を教えていただいたのがきっかけです。

インターンではマーケティングの仕事を広く経験しました。せっかくの機会ですから、成果を出す施策を実現したいと思ったのです。

業務に取り組むうちに、成果を出すためには知識が必要だと感じ、ウェブ解析士の取得を目指しました。

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デジタルマーケティングの面白さに触れて

――インターン先では具体的にどのような業務をされていたのでしょうか?

鈴木さん:自社メディアのSEOや、プレスリリース、広告クリエイティブの作成など、思い起こせば幅広く携わりました。

コラム記事や自社サイトへの施策に対し、週次で数値分析をして、次の施策を打つという、いわゆるマーケティングのPDCAですね。ウェブ広告の効果検証では、広告文を考えながら、文言の違いが数値に現れるのを体で感じることができました。

――デジタルマーケティングで求められることを、ほぼすべて経験されたのですね。

鈴木さん:そうですね。これはいけるだろう」と思った施策の効果が薄く、期待薄の施策が伸びるなど、予想外の結果に驚きながら、トライアンドエラーを重ねる取り組み方がすごく楽しかったです。

――なかでも特に面白かった分野はありましたか?

鈴木さん:メールマーケティングは特に興味深い分野ですね。

私も普段、いろいろな企業からメールを受け取っていますが、興味をそそられるメールと、まったく興味が湧かないメールには傾向があると思います。その差を踏み込んで考え、着目すべき指標が開封率なのか、クリック率なのか、CVRなのか……、それによって、改善点も変わると気づきました。

公認会計士の仕事柄、おそらくメールを使う場面が多い分野ですし、効果も見込まれますから、もっと力をつければいいインパクトを残せるだろうと思っています。

公認会計士とウェブ解析士が活きる場面

――実際、クライアント様とのやり取りでデジタルマーケティングに関する相談を受けることはありますか?

鈴木さん:会計監査の性質上、クライアント様のマーケティングに直接アドバイスする場面は少ないと思います。ですが、監査に必要な現状把握にウェブ解析士の知識が役に立っていると感じます。

例えば、広告宣伝費に含まれるマーケティング費用を、どこで、どう使って、どれくらいの金額で、どのように意思決定がされているのかという視点はかなり重要です。ウェブ解析士で学ぶマーケティングの基本は、クライアント様の戦略の把握に役立ちます。

――企業の立場で考えると、会計とデジタルマーケティング両方が得意な人材がいることで、どのようなメリットがあると思いますか?

鈴木さん:会計とマーケティングってどの業界にも必要な業務領域ですよね。両方をうまくハンドリングする会社は業績が良い印象があります。

ただ、会計とマーケティングは両極端な存在だと思うんですね。事業を車に例えると、会計は事業を制御するブレーキ、マーケティングは事業を加速させるアクセルの役割を担っていると言えるでしょう。

会計は保守的で、ルールにもとづいて正しく開示すべきという姿勢が基本です。保守的になり過ぎては成長が得られないですし、お金を正しく把握できなければ経営地盤がぐらついてしまいます。両方の知識があれば、アクセルとブレーキをうまく切り替えながら事業を進められると思います。

新しい企業が生まれ成長する環境を整えたい

――鈴木さんがこの先実現したいビジョンはありますか?

鈴木さん:いわゆるユニコーン企業やベンチャー企業がもっと生まれる土壌を作りたいです。

最近、日本企業の海外流出が話題ですが、国内の経済発展は会計士もウェブ解析士も責務になると思います。国内に良い企業が生まれ、どんどん成長し、日本経済の成長を目指すのが、僕が目指したいビジョンです。  

――非常に頼もしいお言葉をありがとうございます。最後に、鈴木さんと同じく、資格取得を検討中の方へメッセージをお願いします。

鈴木さん:会計監査を通じて様々な企業を見ましたが、どの企業・業種でも、ウェブマーケティングにはすごい成長性があり、重要な領域として注目されています。

ウェブマーケティングに携わりたい人はもちろん、マーケティング以外の分野に取り組む方にとっても、ウェブ解析士は非常に有用なものになると思います。ぜひ挑戦してみてほしいです。

あとがき

国内で最難関と言われる公認会計士に合格され、広い視野をもってご活躍されている鈴木さんのお話は、とても前向きで背中を押されるものでした。日本のDXを会計分野から推進する一人として、ご活躍を応援しております!(ふじね)

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