「うちはアナログな会社だから、ホームページはよく分からんわ」
こんな言葉を聞いたことはありませんか?もしくは、そのように思っていませんか?
はじめまして、株式会社トルネードのウェブ解析士・中谷(なかたに)です。
私のクライアントの業界は多岐にわたっております。その中でもBtoBのサービスを展開しているクライアントが約半数を占めます。そのサービス内容はほとんどがオフラインで行われるものが多く、ウェブをどう活用すればいいのかよく分からないままウェブサイト制作会社に依頼し、何となく運用している……しかし、それは過去の話。
かつては冒頭のようなことをおっしゃっていた企業が、アナログとデジタルを融合させた方法で経営をおこなえるようになった事例をご紹介します。「BtoBのアナログな業界に、ウェブ解析は不要では?」と思われている方に、このような事例もあるのだと、ご一読いただければ幸いです。
キレイなホームページを作ったのに、何も成果が出ない!
私のクライアントの一社は、ビルメンテナンス業を営んでいます。ビルメンテナンスなので、清掃やビル管理、病院の衛生管理といった、必ず人が現場に赴いて業務を行うアナログな業界です。しかも事業所は大阪にありますので、現場も大阪のみで限定的です。とても顧客満足度が高いサービスを提供し、社員教育も行き届いている、素晴らしい企業です。
それでも、創業者の思いは「これからはウェブを活用しないと生き残れない」と、先を見据えていました。そこでウェブサイト制作会社に依頼をし、会社のホームページをリニューアルしたそうです。
しかし、ここで問題が起こります。
ホームページは確かにキレイに仕上がっていますが、創業者の思いは満たされないどころか、せっかくの素晴らしい魅力が全然伝わってこない……そんな状況でした。
このようなことがきっかけで、「なんてもったいないのか!」と奮い立ち、私がそういった会社の魅力がサイトを通して伝わるようサポートをすることになりました。
中小零細企業こそ、ウェブで他社との差別化が必要
この企業は、正社員数が20名強、年商10億円未満のいわゆる中小零細企業で、決して大きな会社ではありません。だからこそ、ウェブを上手く活用し、他社との差別化を図る必要がありました。
まず、このクライアントの一番の強みは、圧倒的な顧客満足度でした。そのために社員教育では人間性の部分から指導を行い、まるで家族のようなつながりを持っていたのです。
これをホームページで活かさない手はありませんでした。
大阪でしか業務を行っていないので、ウェブサイトへの集客の母数はそもそも多くありません。そのため、ホームページ訪問者を如何にしてこの会社のファンにさせるかに主眼をおいて再構築しました。
新規開拓営業のほとんどはアナログな飛び込みや、既存のお客さまからのご紹介でした。そのような形式で最初の接点を持った未来のお客さまが、「どんな会社だろうか」とホームページを見に来た時に魅力をしっかりと伝えることが必要でした。
その結果、既存のお客さまからのご紹介が増えるようになりました。Google アナリティクスのデータとして、改善前は平均70%程度だった直帰率が、改善後には42.2%と大幅に改善し、多くのコンテンツを読み込んでもらえるようになったのです。オフラインでの営業やマスメディアに取り上げられたことも後押しし、訪問数も飛躍的に伸びました。
誰に依頼したら結果が出る?
すでにホームページを持っている場合、「せっかくお金をかけたのだから……」と、今のホームページでなんとかしたい、なんとかなっていると思われることもあるかもしれません。
しかし、素晴らしい商品・サービスを提供しているのに、集客が上手くいかない、売上が増えない、そのような悩みがある企業はたくさんあるでしょう。あなたの企業ホームページは、魅力をしっかりと伝えられていますか?そして、それを検証できていますか?
相談できる人がまわりにいないという声をよく耳にします。それであきらめてしまうのは非常にもったいないです。
一言でいうと、「大局的に見れるウェブ解析士」をパートナーにしてください。場合によってはウェブ以外の部分も提案できる方がベターです。あくまで、ウェブは目的とする結果を出すためのツールの一つに過ぎないからです。
「うちのホームページの感想を聞きたい」と聞いてみて、デザインや機能的な判断よりも「このサイトの目的や対象者は誰ですか?」という質問を返してくるような方なら、きっとあなたの会社のビジネスをふまえた相談をできることでしょう。
クライアントのブランドを守り、表に出して結果を出すのが私の仕事です。
データを収集するツールとしてはGoogle アナリティクス、Juicer、ヒートマップツールなど複数を活用してますが、一つ一つの細かいデータはクライアントにはほとんど見せていません。クライアントのほとんどはデータの見方も分からず、詳細を話しても顔から「?」マークが出るのが見えるほどです。
それを分かりやすく図などにまとめて、クライアントが理解できるようにする必要があります。
依頼者はそれをしっかりと理解し、次に何をすべきか、経営的視点から考えなければなりません。どうすればいい商品・サービスを提供できるか、考えてください。依頼しているからと言って、ウェブ解析士に丸投げするようなことは、絶対にしてはいけません。
ウェブ解析士は様々な視点からサポートしますが、それを活かすも殺すも、依頼者次第となることを頭においておかなければなりません。
ウェブ解析士は、常に様々なことを学ぶ必要があると実感しています。デジタルツールのことはもちろん、クライアントの業界のこと、経営のこと、本当に多岐にわたっているので大変だと思います。しかし、歩みを止めると自分もクライアントも、これから先の激動の時代は生き残っていけないのではないでしょうか。
私の周辺にも、過去の手法や成功体験に囚われてしまい、いつまでも古い方法で費用だけ高く取っていく制作会社やクライアントを危険にさらすSEOサービスを提供しているところもあります。実際に日々更新されるSEOのアルゴリズムからペナルティを受けてしまったウェブサイトの対処に奔走したこともありました。
ウェブ解析士としてクライアントに関わる以上、今取引しているものが適正かどうかを見極め、場合によっては厳しい指摘・指導も必要となります。どこかで聞いたフレーズですが「結果にコミットする」ためには、依頼主も受託者も、変化を楽しみながらも必死に取り組む必要があります。お互いにそれができた時には、結果が出ていることでしょう。
あなたがアナログな業界に身を置いているとしても、
「うちはアナログな会社だけど、ホームページって結構使えるわ」
と、言えるようなウェブ解析士と出会えることを願っています。