経常利益が3倍に!アナログな広告を完全デジタル化した廃品回収業者の事例

こんにちは。新潟県でWebストラテジストとして活動中の丸山と申します。
以前、廃品回収業者の方から「Webサイトをつくったものの効果が無い」ということで、リニューアル案件を受注した際の事例をご紹介します。

CPC(広告クリック単価)や1案件あたりの受注額から検索連動型広告の運用をすることを提案し、リニューアルと同時に実施した結果、1年間で経常利益を3倍、お問い合わせ数を10倍に伸ばすことができました。

目次

Webサイトリニューアルの前におこなったこと

リニューアル案件の場合には既存サイトを解析し、サイトの現状やユーザー像を把握した上で新規サイトを設計していく。

 

廃品回収業者からは「Webサイトのリニューアル」という依頼がきました。
とはいえ、クライアントの求めているものは「見た目を変えて新しくしてほしい」という要望ではなく「効果の出るWebサイトにしてほしい」です。

新規制作ではないリニューアルの場合、既存サイトのアクセス解析をして現状を把握します。この案件ではまだ解析ツールを導入していなかったので、Google アナリティクスを導入し、1ヶ月間様子を見ることにしました。

Webサイトのフォームからのお問い合わせをコンバージョン(目標)として設定していましたが、1ヶ月後にアクセス解析をした結果、コンバージョンしていないどころか、サイトへの流入もほとんどなかったのが現状でした。問い合わせのメールが来ないなどの肌感覚はあったものの、アクセス解析を行ったことで実際に数値化できました。

クライアントへのヒアリングで知ったクレーム

Webサイトリニューアルにあたり、競合の調査や既存サイトの検索結果などの調査をしましたが、複合キーワードですら上位に表示されてはいませんでした。このような場合、Web広告を活用して初期流入を集めることで、広告からの分析もできるようになります。

ヒアリングでは、現在はポスティングを中心に、定期的に何万枚というチラシを配っているようでした。さらに深堀りしていくと、そこの廃品回収業者のブランドにはリサイクル・地球に優しいという意味で「エコ」という言葉が入っていたのですが、ポスティングされた方から「こんなに紙を配布して、全然エコじゃないじゃないですか」というクレームが入っていたことも判明しました。

このようにヒアリングを進めて共有できた背景を、企画書に盛り込むことになりました。

ポスティングDMを検索連動型広告に

Webサイトリニューアルの企画書と一緒に、検索連動型広告を提案しました。

業種柄、クライアントの業務ができる地域というのは限られています。その限られたエリアで何度もポスティングをしていては確かにエコではありませんし、地域が限られているからこそ検索連動広告に優位性があると判断しました。エコではないというクレームにも対応できます。「1,000通に3通の反応があれば良いほうだ」といわれているDMやポスティングに比べ、Web広告はより正確にターゲットにアプローチできるのも魅力です。

検索連動型広告の利用にあたって、品質スコア(ユーザーが求める内容にページの内容がいかにマッチングしているかというページの品質)が高くなるWebサイトを設計しました。検索したキーワードに沿って広告が表示されるので、費用対効果を最大限に高めるためには、検索ユーザーが求めている内容に、より近い内容を提供できるページ作りが必要です。

Webサイトのリニューアル及び検索連動型広告の提案をクライアントに受け入れてもらい、早速Webサイトの開発をはじめ、ローンチと同時に検索連動型広告の運用を開始しました。

隠されたニーズの発見

埋もれたニーズを見つけ出す

検索連動型広告は見事にターゲットに当てはまり、これまでほとんどアクセスのなかったサイトに多くのユーザーが訪れ、問い合わせも来るようになりました。

クライアントにも喜んでいただき、紙媒体によるポスティングは完全に廃止する代わりに、今まで紙媒体に使っていた広告費をWeb広告に使うことで、宣伝広告に使う予算を大幅に削減できました。

しかし、これで終わりではありません。よりCPAの安いキーワードを探しながらアクセス解析をし、今後のプランを立てていきます。

その廃品回収業者では様々な分野に手をつけていたのですが、当時「ゴミ屋敷の清掃」や「遺品整理」ということに特化していたWebサイトは少なく、広告における競合も非常に少ないことが判明しました。

これにより「ゴミ屋敷」というキーワードに特化したWebサイト、「遺品整理」というキーワードに特化したページを作り、これらキーワードを含めた複合キーワードでの検索連動型広告も開始しました。

これらは見事にハマり、非常に安いCPAでお客さんを獲得していきました。

継続的に解析したKPI

サイトも広告も運用は解析を伴って行う

継続的に確認する指標(KPI)は、ページビュー数、ユーザー数、セッション、CVR(問い合わせの割合)を中心に、解析を行ないました。

また、電話による問い合わせがあっても、Webからのお問い合わせかどうかをクライアントに確認してもらい、集計しました。

解析というと難しいイメージがあるかもしれませんが、定期的にチェックするデータと目標を決めておけば、それほど難しいことはありません。

これらのデータを定期的に分析することで、検索連動型広告に使われているキャンペーンのキーワードも改良しました。

Web・デジタルにまだ一歩踏み出せてない中小企業のみなさんへ

1年間の運用をおこなった結果、最終的にはその年の経常利益は昨年の3倍以上、お問い合わせ数は10倍以上に増えました。クライアントからも、アナログの広告からデジタルの広告に完全移行して良かったと仰っていただきました。

Web・デジタルには幅広い知識が必要です。普段の業務をしながらそれらを学ぶのはとても難しいでしょう。ウェブ解析士は解析はもちろん得意ですが、事業分析や計画立案に強い人も大勢います。

今のWeb・デジタルは「とりあえずやってみよう」という気持ちも大切ですが、なにも考えずに予算を投入するのはあまり得策ではありません。

まずはお近くのウェブ解析士に相談してみてはいかがでしょうか。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

1998年にWeb制作を始め、コーダーを経てディレクターとしてWeb制作会社・ITコンサル会社に勤務する。勤務時代、フリーランス時代を通し、電博関連のナショナル・クライアントの案件から中小企業・個人事業主等の案件を担当する。現在は新潟県でWebストラテジストとして活動中。

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