求人サイトの効果に極めて影響力を持つ給料の金額と、そのPRの方法

皆さま、こんにちは。ウェブ解析士の横山 廣(ひろし)でございます。
私はこの20年、(株)プレステージにおきまして、『Webで人材募集を行う際の具体的なノウハウ』を中心に、コンサルティングをしております。
(株)プレステージ http://prestige3.jp

この度、4回シリーズで、【◉Webで人材募集を行う際、効果を跳ね上げる具体的手法】をお伝えしております。

初めての方には若干、難しいかと思いますので、できるだけ分かり易いご説明をさせて戴き、また、毎回、【ご質問を戴いた内容】に対しまして、次号でお答えさせて戴く様にしております。宜しくお願い致します。

さて、2回目の今回は、【求人サイトの効果に極めて影響力を持つ給料の金額と、そのPRの方法】につきまして、ご説明して参りましょう。

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目次

❶まず、求人サイトで、『給料の金額の重要性』を意識してみましょう。

私が以前、リクルート社で求人広告の営業マンをしておりました時、お客様から「中途募集の広告」のお申し込みを戴く際、多くのお客様が「あのいつもの求人、出しといてね。」でした。本当に、人材の募集に関し、こういう感覚の方が多いです。

さて、ここで、皆さんに一瞬、考えてみて欲しいのですが、あなたが会社を探していて、何社かの求人広告を見たとしたら、「給料の金額が書いてあるところ」、必ず、見るのではないでしょうか? いかがでしょう?

今回は、その【応募者が必ず確認する筈の、給料の金額の重要性】をご説明して参ります。特に昨今、全国的に求人が難しくなっておりますので、ここを意識して戴けますと たいへん嬉しいです。

❷『効果が出るであろう給料の金額』は、ご自身で、調べることができます。

今、あなたの会社が中途募集で「経理の担当者」を採ろうとしている・・・としましょう。さぁ、◎給料の金額、幾らで出したら良いのでしょう?

普通、困りますよね(汗・笑)?! しかし、これを【求人サイト】自体が、解決してくれるんです。下記の求人サイト(マイナビ・バイト)を見てみましょう。

https://baito.mynavi.jp(マイナビ社のマイナビバイトのトップページ)

トップページの左上に、「勤務地」や「職種」を選ぶコーナーがありますし、『経理』などと「キーワード」を入力すれば、経理の求人広告を検索することが出来ます。

例えば、『経理』で検索しますと、東京都内は時給で¥1,000.前後が多いですが、¥1,400.前後も出てきますね。そうなんです。ここで、求人をなさる皆さんが、【求人サイト】を、◎求人を成功させる為の「求人マーケットの情報を得る為」に自由自在に活用できるわけです。

因みに、同じ都内でも『求人の職種』によって、時給の相場が驚くほど、違っています。時給¥2, 000.以上が当たり前になっている職種も、今では多々、あります。

❸『求人サイトのトップページの検索軸』を意識してみましょう。

求人サイトでは、必ず、そのトップページに「求人の情報を検索するコーナー」が設けられていますが、特に下記の「中途の求人サイト」では、【希望する年収で求人情報を検索する機能】も付いています。また、先ほどの「マイナビバイト」でも、『こだわりから探す』のコーナーの最初に、「希望する時給の金額で検索する機能」があります。

https://tenshoku.mynavi.jp(マイナビ社のマイナビ転職のトップページ)

https://job.mynavi.jp/19/pc/(マイナビ社の新卒マイナビ2019のトップページ)

いかがでしょうか? 就活をしている人たちは、この検索軸を使って会社を探すわけですから、求人広告を載せる際、それを逆算して原稿を作ることは勿論、「あなたの会社の求人上の検索軸の設定」が非常に大切になってきます。これも、求人サイトの管理画面で行えるようになっています。

因みに、就活をしている人たちの求人サイトでの会員登録では、「探したい会社の検索軸を複数、設定しておくこと」で、それに該当する求人広告を自動的、且つ、定期的に受け取ることも可能になっています。

就活をしている側の立場で「求人サイト」を見てみますと、多くの発見もありますし、同業の情報はもとより、『競合する企業の求人情報どんズバリ』を発見することも、多々あります。

❹『KPIと連動する様な給料のルール』も大切ですが、『最初の給料』が重要です。

我が国では昨今、「給料のルール」を見直す会社が増え、【KPI(重要業績評価指標)】を評価や給料のルールに取り入れたり、『バランスト・スコアカード』の4つの視点などの勉強されたりする方も多く、それは素晴らしいことだと思います。「給料のルール」は働く方々にとって非常に大切だと思いますし、何より、『優秀な人材の募集の成否』、つまり、「働いてもらう社員の入り口」の方にも大きく影響することが分かっています。

しかし、就活をしている人たちが必ず確認するのが「給料のルール」より、まず先に【給料の金額】、つまり『最初の給料』であり、その記載の無い求人広告も世の中にまずありませんから、この『求人サイトに載せる、最初の給料の金額』を意識して戴きたく思います。

【新卒の初任給】・・・例えば、大卒の新卒を募集する場合、初任給は幾らにしたら良いでしょうか?
2017年春の実績では、20万6100円と発表されています。この金額、大切ですね。そして、毎年、少しずつ、上がってきています。

参考:厚生労働省 平成29年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況 http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/17/dl/02.pdf

でも、ここからが更に大切です。この20万6100円は「全国平均」ですから、地域、業種、職種でかなり違ってきます。そして、皆さんの会社もこれらの視点で同業などの金額を調べ、独自に平均値を出してみることが大切ですし、その平均値の金額の110%を超えると良い人材が集まり出し、115%で求人が非常にやり易くなることが分かっています。

アルバイト募集でも、上位5%以内の高い側の時給にしますと、求人が非常にやり易くなります。因みに、この「給料の高い会社を探す人たち」の中に、【仕事において貪欲な人たちが多い】・・・という顕著な傾向も分かっています。

❺『給料のルール』を冊子にすると、貴社の募集広告が、大きく変わります。

今、多くの会社が募集に対する姿勢を見直し始めており、応募者の方に「就業規則」を見せて説明する会社もあります。与える印象が違ってきますね。そして、この「就業規則」は、常時10名以上の労働者のいる事業所に義務付けられていますが、この冊子の中に【給料のルール】を含める義務がありません。これは少々、不思議な気もしますけれど、現状はそうなっています。

それもあり、初任給や最初の時給を記した『給料のルール』をきちんと冊子にし、【面談などで冊子を使って説明する旨】を「求人サイト」でうたって戴きますと、★他社に無い、また、誠実な雇用の姿勢が就活をしている人たちに伝わっていきます。

そして、その冊子こそ、「求人サイト」に画像として掲載して戴きたく思います。

この視点で、改めて「求人サイトの様々な広告」を見て戴きますと、【給料の金額やルール】、【募集活動における誠実な姿勢】を鮮明に打ち出している会社が本当に少ないことに、改めて気付いて戴けると思います。

★☆★皆さまからのご質問にお答えして。

4月10日に掲載致しました1回目の内容に関し、ご熱心なご質問を戴き、誠にありがとうございます。早速ですが、下記の3つのご質問にお答え致します。

①特に新卒募集において、採りたい学生だけを会社説明会に呼びたいのですが、求人サイトなら可能でしょうか?

お答え:「新卒の求人サイト」のリクナビやマイナビでは、大きく2つの方法で「学生を会社説明会に集めること」ができます。

1つ目は、『説明会の日程を求人サイトに表示しておき、そこを目指して予約をしてもらう方法』であり、大多数の会社がこの方法で学生を集めています。簡単ではありますが、予約し易いことが影響し、本来、採ろうとしない層の学生が参加してくる可能性が極めて高くなります。

もう1つは、【予め、学生からのエントリーを集めておき、採りたい層の学生だけに、会社説明会の予約用の画面を送っていく方法】です。この場合、求人サイトには説明会の日程が表示されませんので、通常、このやり方を「非公開」と呼びます。

この「非公開」での学生の集め方は意外に知られておらず、また、求人サイトの管理画面での設定もやや難しいですが、学生の選考学科や、採りたい職種が限定されるような場合、極めて有効な集め方のひとつです。「エントリー」と言いますのは、「ひとりひとりの学生が求人サイトに登録した学校名や住所など、全ての情報が企業側に届くこと」です。その為、それらを読んで、学生を細かく分類することができます。

②「求人サイトに掲載する画像」は、どのようなものが効果的でしょうか?

お答え:2010年前後以降、求人サイトの原稿は、ほとんど、企業側がその管理画面上で作るものになってきました。ただ、その一方、「掲載ルール」も徐々に細かくなってきて、例えば「画像」もその例外ではありません。皆さんの会社と関係の無い画像を勝手に使うことはできないわけです。

しかし、そうは言いましても、募集原稿の最初の1点、または並んだ2点の画像とそのキャプションは、スクロール率に大きく影響することが分かっています。

例えば、同じ建物でも、昼の撮影よりも夜景・・・といった感じです。商品の画像でも、売り場に無数に陳列されている状態より、1つをクローズアップさせた画像です。「一覧表」などよりも「傾向のハッキリ見えるグラフ」。如何でしょうか? 結局のところ、【多くの他社が使っていない、広告として目立ち、訴求力の大きな画像】が効果に繋がってきます。『給料のルールの冊子の画像』も、この典型的なもののひとつの様に思います。

③「内定辞退」が増え、非常に困っています。これも、「求人サイトの使い方」で解決できますか?

お答え:一言で言いますと、「求人サイトに頼り過ぎないこと」が重要です。

理由は、新卒を中心とした求人サイトの機能が拡充され、ひとりひとりの学生に対して求人サイトの管理画面から様々なメッセージが送れますし、それらの履歴も自動的に残ります。

ところが、それらのメッセージが多くの企業から無数に学生に届きますので、探し辛くなってしまっているんです。昨今、ほとんどの学生が携帯の番号を求人サイトに登録していますから、「会社説明選考会での合格の通知」など、学生に直接、電話を掛けた方が安全と言えます。

リードジェネレーションサイトのコンバージョンが、新卒の求人サイトのエントリーだと捉えて戴くと良いかも知れません。コンバージョン以降が重要ですが、契約に至るまでサイトから離れていると思います。そこでは、直接会うことに加え、資料送付、電話連絡などが有効ですね。

この辺りを含めまして、次回は、『内定辞退防止への具体策』を特集致します。

まとめ

今回もお読み戴き、ありがとうございました。さて、次回は、内定辞退をひとりも出さないようにする為の【応募者への動機付けと、スケジュール管理のノウハウ】を掲載致します。

また、冒頭でもご説明しました通り、今回も、皆様からご質問戴いた内容に対し、次号でできる限り、お答え致します。
(因みに、1回目は、【現実に掲載効果の出る、求人サイトの正しい掲載(活用)方法】でございました。)
引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。

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この記事を書いた人

1978年、慶応大学商学部卒。静岡県生まれ。流通業界(人事部門)を経て、1984年、急成長の(株)リクルートに入社。品川営業所長、西新宿営業所長などを経て、1989年、コンサルティング会社:(株)プレステージを設立。
以来、★徹底した分かり易さをコンサルの方針とし、30年、コンサルティングを続けております。
趣味として、旅行、写真、車、カラオケ、飲酒(^^)などがございます。

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