株式会社まぼろしの益子貴寛です。
SNSの運用目的のひとつに、消費者の声を把握するための「ソーシャルリスニング」があります。
ソーシャルリスニングとは、SNS上で企業名、ブランド名、商品・サービス名などの ハッシュタグ(または名称のまま)で検索し、消費者のポジティブな声やネガティブな声を収集し、業務に活かす方法です。
さて、消費者の課題解決にスピード感が求められる現在、ソーシャルリスニングよりも一歩踏み込んだ「アクティブサポート」という方法を実施できないか、あらためて考えておきたいところです。
今回は、
- Twitterを使ったアクティブサポート
- Yahoo!知恵袋を使ったアクティブサポート
の事例を見ていきましょう。
Twitterを使ったアクティブサポート
Twitterを使ったアクティブサポートは、上記のようにハッシュタグ(または名称のまま)で検索するのはソーシャルリスニングと同じですが、それらの投稿に積極的にコメントをつけ、問題解決をはかる点が異なります。カスタマーサポートの一環といえるでしょう。
今回はドン・キホーテとソフトバンク(カスタマーサービス用)の公式アカウントのTwitterを使ったアクティブサポートをピックアップしました。
お問い合わせありがとうございます。
店舗により価格・お取り扱いが異なりますので、差し支えなければご利用店舗あるいは地域をお教えいただければお調べの上、回答致します。
ご検討よろしくお願い申し上げます。— 驚安の殿堂 ドン・キホーテ🐧 (@donki_donki) June 15, 2018
失礼します。SBCare高橋です。スマートフォンがおかしいとのことですが、現在もお困りでしたら、私どもで改善の見込みがある操作などをお調べできればと思います。もしSoftBankをご利用であれば、ご利用の機種名と詳しい症状をお伺いできますか?
— SoftBankサポート (@SBCare) June 15, 2018
ドン・キホーテ、ソフトバンクの両方に共通するのは、消費者が納得するまで丁寧なコメントを何度も返している点です。課題解決に真摯に向き合っていることがわかる好例です。
Twitterでアクティブサポートを行う場合、事務的な文章がよいのか、それとも親近感のある文章がよいのか、どのくらい踏み込んだ書き方をすればよいのかなど、はじめのうちは試行錯誤が必要でしょう。また、すべての回答が必ずしも納得してもらえるとは限りません。
とにかく、ひとつひとつの声に誠意をもって回答すること、その積み重ねによって運用チームの使命感や自信を醸成することが大切です。
Yahoo!知恵袋を使ったアクティブサポート
Yahoo!知恵袋に企業公式アカウントを作り、消費者の質問に積極的に答える取り組みを行っている企業もあります。
Q&Aサイトは、消費者同士のやりとりで疑問を解決するのが基本的な使い方です。そのような中で、企業公式アカウントから寄せられた回答には、いっそう強い説得力を感じる消費者が多いでしょう。その企業の商品・サービスに直接関係する質問であれば、なおさらです。
花王やZOZOTOWNは、Yahoo!知恵袋に公式アカウントを作り、消費者の質問に答える取り組みを行っている企業の好例です。
ZOZOTOWN公式アカウントでは、ZOZOTOWNに関する質問に回答しているのに対し、花王公式アカウントでは、必ずしも花王の商品だけでなく、ヘアケア、洗濯、掃除などに関する一般的な質問にも積極的に回答している点に違いがあります。
企業公式アカウント全体として、有名企業や大手が多く、すべての企業が認定を受けられるわけではなさそうですが、全国展開しているB2C企業などは一考の価値ありといえます。
まとめ
TwitterとYahoo!知恵袋を使ったアクティブサポート事例を見てきました。
SNS運用がマンネリ化していたり、日々運用していても手ごたえが感じられない企業は、アクティブサポートという切り口から業務を見直してみると、新たなアイデアが生まれるかもしれません。
Twitter型のアクティブサポートは、そのままInstagramにも応用できます。ちなみに、自社サイトにチャットボックスを設置する企業が増えているのも、消費者の疑問にタイムリーに回答する必要性が増しているからです。
Yahoo!知恵袋型のアクティブサポートは、規模の大きい企業やサービスであれば、自社サイトのFAQに、「OKBIZ.」などの導入を検討してもよいでしょう。中小企業のサイトでは、少なくとも半年に1回はFAQを見直したり、ウェブ解析にもとづいてユーザー動線を検証するなど、できることから始めてみてください。