その解析レポートは誰が見る?

ウェブ解析士マスターの関原雅人です。

クライアントから解析レポートを請け負っているウェブ担当者の方、
「そろそろ月末にむけて、解析レポートのまとめに入るか!」という方も多いのではないでしょうか。
また、ウェブ担当者にとって、新規クライアントへのレポートは、力も入るし、悩ましいところですね。
「フォーマットがあるからそんなことはない?」
いえいえ、
そのフォーマットがホントによいのかを考えていきたいと思います。

目次

解析レポートの内容はウェブ担当者同士で理解。でも・・・

『解析レポートの施策提案は、クライアントのウェブ担当者とは、トントン拍子で話がスムーズ。でも、施策の提案がなかなか進まない・・・』
そんなことありませんか?

ここで考えられるのが、解析レポートの行方(ゆくえ)。
あなたの解析レポートが、クライアント担当者のデスクで止まっている可能性もあります。

なぜ、先へと進まないのか。
クライアントのウェブ担当者に悩みがあるからです。

それは、
○仕入先からの解析レポートを、自分の言葉に置き替えて、社内に報告したい。
(仕入先からの解析レポートをそのままは報告するのは、仕事をしていないようで気がひける。)
○解析レポートを社内の第三者に通用する言語に置き替える必要がある。
(ウェブに強くない社員にむけて、理解しやすい用語に再構成するのに時間がかかる。)
○解析レポートを見る上役によって欲しい情報が異なる。
(役職により、欲しい情報が違うため、内容を再構成する必要がある。)

このように、あなたの解析レポートを受け取ってから、情報を置き替える作業のため、デスクで止まってしまうこともあるのです。

これは、施策のタイミングを逃しかねない重大な問題です。

フォーマット化は、クライアントの成果につながっているのか?

クライアントの解析レポートを作成するウェブ担当者にとって、案件が増えてくると、既存フォーマットを使えるストックが増えていきます。

対応もスムーズで、解析レポートも素早く構成をまとめあげ、本題の施策に打ち込むことができます。
業務の効率化では、悪いという訳ではありません。

ただし、クライアントのウェブへの理解度・経験値はそれぞれ違います。
他社と同じ説明内容の解析レポートでも、意図を理解してもらえないこともあります。

ウェブ担当者が、解析レポートをまとめる際に、
「クライアントに合わせた説明レベル」に調整する必要があります。

レポートの構成要素が、個々のクライアントにとって必要な情報であるのかを考える必要があります。

これは、解析ツールの選定と同じ考え方です。
そのクライアントにとって必要な欲しい情報をとるために、解析ツールを選択するのであって、知名度があるからとか、誰々が使っているからという理由ではありません。

クライアントにとって成果につながる解析レポートを提案するために、フォーマット化された情報でなく、解析レポートに取り入れる構成要素をあらためて考えていく必要があります。

解析レポートはクライアントの社内でどう活用されるのか?

ウェブ担当者は、
○仕入先からの解析レポートを、自分の言葉に置き替えて、社内に報告したい。
(仕入先からの解析レポートをそのままは報告するのは、仕事をしていないようで気がひける。)
という気持ちがついてまわります。

もちろん自分の言葉に置き替えて、見解も踏まえ、報告することは大切です。
しかし、作り替える作業時間を効率化し、レポートのまとめ方を、より実用的なものにし、情報を使いやすくすることは可能です。

欲しい情報を使いやすい状態でもらえるように、仕入先に指示するのもひとつのスキルです。1から自分自身でまとめ直すというのであれば、ウェブ担当者の時間はいくらあっても足りません。作業工数を減らす仕組み作りも大切です。

まず、
● 誰がこの解析レポートの報告を見るのか
(役職により、欲しい情報が違うため、内容を再構成する必要がある。)
● 解析レポートの目的はなにか
● どんな情報を知り得たいのか
● 次なる施策・改善をどう見直すのか
という点で、あなたの会社の必要な情報をまとめて、解析レポートとして提出してもらいます。
解析される仕入先とここをしっかり打ち合わせしておく必要があります。

解析レポートは、あなたの会社にとって必要な情報が大切であり、不要な情報まで知る必要はありません。解析ツールで取れた情報だからといって、すべてレポートに記す必要もないのです。情報の詰め込みすぎは、解析レポートをわかりにくくするだけになってしまいます。

また、解析する側は、クライアントのウェブ担当者に逆提案を行い、
「このようは視点の情報は、ぜひとも必要なので、ここを見てください」
という部分を、盛り込むべきで、解析レポートに何が必要か決める段階で打ち合わせをしておく必要があります。

どこにでも使いまわししているフォーマット化された解析レポートでは、クライアントにとって必要な情報が掲載されているとは限りません。

ウェブ担当者、解析者は、解析レポートにどのような情報が必要か、だれに見せるのかを考えながら、必要な情報を把握して共有しておく必要があります。

まとめられた解析レポートをどう活用するのかという視点をもって、欲しい情報を自分から取りに行くために、適切なデータをまとめる。欲しい情報の選択が間違っていないか、見直す必要があります。

活用目的のない報告のみのレポートでは、次なる施策へとつながりません。

いまいちど、何の目的のために、その情報を見ているのか、解析レポートに本当に必要な情報が入っているのかを確認されてみてはいかがでしょうか。

欲しい情報がまとめられてこそ、解析レポートが施策のために活用できるのです。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

フードドラマ研究所所長。神戸芸術工科大学芸術工学部卒業後、広告代理店、食品メーカーにて販促計画策定、グラフィック、ウェブ、パッケージデザインの制作・ディレクション業務に携わる。フードコーディネーターとして食シーンを想起させる商品開発、マーケティング、販促提案、撮影指導を得意とし、主に食品関連事業者の経営相談、コンサルティングを行う。日本フードコーディネーター協会理事。ITコーディネーター、ISO22000(食品安全)・ISO9001(品質)審査員補、JGAP審査員補。愛媛県知財総合支援窓口 知財専門家。愛媛6次産業化プランナー。

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