おもてなしのリマーケティング広告で売上と顧客満足度を向上!リピーターへのアプローチの重要性

こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。

今回は、ECサイトなど、ウェブサイトで商品を購入していただくような業種において特に力を発揮する「リマーケティング広告」について、お話をいたします。「リマーケティング広告」のメリットや、その効果を最大化するためのポイントなどについて解説をいたします。

目次

リマーケティング広告とは

「リマーケティング広告」とは、自社のウェブサイトに訪問をしたことがある人に対して、再度の訪問を促すためにバナー広告を繰り返して表示する広告手法のことです。

あなたも「ネットサーフィンをしていて、色々なウェブサイトやブログなどで同じバナー広告画像に追いかけられ続けた」という経験が一度はあるのではないでしょうか?実は、それらの広告は偶然あなたを追いかけてきている訳ではなく、企業側が意図してそのように広告を表示させるための設定をしているのです。そのような広告手法を「リマーケティング広告」といいます。

ちなみに、「リターゲティング広告」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、意味はほとんど同じです。Google で運用される広告に関する上記手法を「リマーケティング広告」、Yahoo! で運用される広告に関する上記手法を「リターゲティング広告」と呼びます。略して「リマケ」や「リタゲ」と呼ばれることもあります。基本的な機能はほぼ同じで、サービス提供元によって名称が違うだけの話ですので、そこまで気にしなくても大丈夫です。今回の記事では、便宜上「リマーケティング広告」と呼称を統一してお話をいたします。

なぜそんなことをするの?

ECサイトなど、ウェブサイトで商品を購入していただくような業種のクライアント様の場合、弊社ではこの「リマーケティング広告」の活用を強くオススメしています。では、なぜオススメなのでしょうか?それは「高い効果を得られるから」に他なりません。

ECサイトを訪れてすぐに購入せずに離脱する人は、90%以上とも言われています。人は何か商品やサービスを購入する際には、比較検討したいと思うものです。あなたもウェブ上で何か商品やサービスを購入する際に、初めてそのサイトを訪れて、いきなりすぐに購入まで至るということはほぼ無いのではないでしょうか?一度ウェブサイトを離れて数日間検討をしたり、他社のウェブサイトを訪れて比較をしたりするはずです。「リマーケティング広告」は、そのような比較検討をしているウェブサイトの離脱者へアプローチをすることができます。

以前の記事でも「1:5の法則」をご紹介しましたが、新規顧客に対して商品を販売する労力は、既存顧客(リピーター)に対して商品を販売する労力の5倍であるというマーケティングの法則もあります。もし、Google アナリティクスなどのアクセス解析ツールを導入している場合は、ウェブサイトに初めて訪れた人(New Visitor(新規顧客))と、再度ウェブサイトに訪れた人(Returning Visitor(リピーター))毎に、商品購入まで至った率(コンバージョン率)を出すことができます。

実際に、あなたのウェブサイトでも数値を確認してみて欲しいのですが、弊社のクライアント様の場合でも、リピーターは新規顧客と比較して、2倍〜3倍以上のコンバージョン率が出ている場合が多いです。つまり、リピーターへアプローチをするということは、売上に直結しやすい非常に有効な施策であると言えます。

しつこく追いかけ回せば良いのか

そんな「リマーケティング広告」ですが、ただやみくもにウェブサイトの離脱者に対して、一律に再訪問を促すためのバナー広告を出しまくれば良いという訳ではありません。しつこくし過ぎると、「怖い」「ウザい」といったように、ネガティブな印象を与えてしまい、逆効果にもなりかねません。

「リマーケティング広告」に限った話ではなく、すべての広告手法に言える話だとは思いますが、適切なタイミングで最適な人に最適な内容の広告を見せるように努力をすることが大切です。常に「買ってくれ買ってくれ」としつこく追いかけ回すのではなく、「あ、今ちょうど欲しかったんだ」とお客様が思っているようなナイスタイミングで、最適な広告を表示させることが理想です。

どのような設定ができるのか

「リマーケティング広告」では、最適なタイミングで最適な人に最適な内容の広告を見せるために、色々と細かな設定を行うことができます。どのような設定を行うことができるかについて、以下にご紹介します。

ウェブサイトを訪問したことがある人

前述の通り、すべての人に無差別に広告を見せるよりも、一度でもあなたのウェブサイトを訪問したことがある人に広告を見せたほうが効果的です。

ですから、まずは「ウェブサイトを訪問したことがある人」が「リマーケティング広告」において、最も基本的な設定です。

しかし、単純にこれだけでは広告の効果を最大限に高めることはできません。以下のような細かな設定と組み合わせて活用することをオススメします。

商品購入(コンバージョン)の有無

商品購入(コンバージョン)は、ECサイトにおいて最も重要な行動です。

何度も頻繁に購入をすることが無いような高額商品の場合、一度購入した人に対して、またすぐに広告を出しても無意味ですので、まだ商品購入をしていない人だけに広告を出す設定が有効です。

また、特定の商品を購入した人に対して、別の関連商品をオススメするというような、クロスセルの施策に使うこともできます。

どのウェブページを見ているか

単純に「ウェブサイトを訪問した」ということだけではなく、「どのウェブページを見ているか」によって、広告を出し分けることが可能です。

例えば、アパレルECサイトであれば、「ジャケット関連のページを見ている人」「パンツ関連のページを見ている人」「アクセサリー関連のページを見ている人」といったように、閲覧しているページの種別から、それぞれのお客様の興味関心を推測し、それらに合うように広告を出し分けることができます。

利用端末(PC or スマホ)

利用端末毎に広告の表示設定をすることが可能です。PCの人だけに広告を出す、スマホの人だけに広告を出すというような設定や、PCとスマホで広告の内容を出し分けるということができます。

取り扱う商品やサービスの種類によって異なるとは思いますが、例えば、Google アナリティクスなどのアクセス解析ツールによって、「自社の商品の購入者は圧倒的にPCの方が多い」ということが分かっているような場合には、スマホに対しては広告を出さないといった設定が有効です。

広告表示の頻度や時期

広告を表示する頻度や時期を設定することが可能です。「しつこ過ぎる」と思われないように、1ヶ月で最大何回まで、1日で最大何回まで表示というように、心地よい表示頻度での設定をするように心がけましょう。

また、クリスマス商品、母の日ギフトなどの季節性のある商品の場合には、特定の時期だけに広告を出すような設定が有効です。

施策の実例

では、実際のケースではどのような施策が考えられるのでしょうか?企業毎に千差万別、様々な施策が考えられると思いますが、以下に、弊社のクライアント様で実際に行った施策の実例を一部ご紹介します。広告設定を考える際のヒントにしてみてください。

  • ウェブサイトを訪問したことはあるが、商品をまだ購入していない人に対して、「初回購入者向けのはじめてセット商品」を訴求する広告を表示させる。
  • 「はじめてセット商品」を購入したお客様に、「定番人気商品の期間限定割引」を訴求する広告を表示させる。
  • 女性服のページを見ている人に、女性服を訴求する広告を表示させる。男性服のページを見ている人に、男性服を訴求する広告を表示させる。
  • 夏の時期には、Tシャツなどの夏服を訴求する広告を表示させる。冬の時期には、アウターなどの冬服を訴求する広告を表示させる。
  • 商品購入から30日経過した人に、関連商品を訴求する広告を表示させる。

おもてなしのリマーケティング広告

弊社では「リマーケティング広告は実店舗での接客と同じだと考えて下さい」とクライアント様に伝えています。お店側の都合で、店員さんが「買ってくれ買ってくれ」と、しつこく声をかけてきたら、きっとお客様に嫌われてしまうでしょう。お客様一人ひとりの見た目や態度、状況を敏感に察知して、そのお客様に最適な商品を、そのお客様の好みにあったテンションで話しかけてオススメをするというのが、売れる店員さんではないでしょうか?

「広告」もそれと同じです。100%完璧にその人に最適な広告を表示させるというのは不可能だとは思いますが、少しでも最適に近い出し分けができるように、おもてなしの心で、きめ細やかに設定をすることが大切です。企業側の都合ではなく、お客様のことを第一に考えた広告設定を心がけましょう。

まだ「リマーケティング広告」を実施していない企業様や、一律で再訪問を促すだけの広告設定しかしていない企業様は、ぜひ「おもてなしのリマーケティング広告」を実施してみてください。売上と顧客満足度の向上につながるはずです。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

株式会社ピージェーエージェント代表取締役。中央大学理工学部卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社に入社。IT・WEBを活用したデジタルマーケティングに関する法人企業向けコンサルティング業務に従事。顧客の購買プロセスに基づいたマーケティングシナリオ設計、メールマーケティングを基軸としたCRMコンサルティング等、法人企業の売上向上に寄与するコンサルタントとして活躍。その後、2016年、株式会社ピージェーエージェントを設立、代表取締役に就任。ブランド戦略の立案を強みとして、ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している。

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