Google AdSenseを代表とした、クリック報酬型広告の仕組みと効果的な運用方法

こんにちは。インターネット集客や収益化に関するコンサルティング事業を展開している、株式会社MASH代表取締役の染谷(そめや)です。 今回は導入に初期コストはかからず、在庫も抱える必要が無いにも関わらず、メディアのテーマや読者属性によって大きな収益を生む可能性を秘める「クリック報酬型広告」について解説します。
目次

クリック報酬型広告の仕組みについて学ぼう

クリック報酬型広告の代表として、Google AdSense があります。クリック報酬型広告の仕組みは以下の図のようになっており、広告を出稿したい会社がGoogleの提供するシステム(Google広告)を通じて広告を出稿することにより、最適だと思われるインターネットメディアや個人ブログなどに広告が自動的に配信されます。 配信された広告が読者にクリックされることにより、メディアには報酬が、広告主には広告料が発生するわけです。なお、Googleは仲介手数料を貰う仕組みになっています。
クリック報酬型広告の流れ
前回のコラムで紹介したアフィリエイト広告は商品が売れないと収益につながりませんが、Google AdSense(クリック報酬型)のシステムは広告がクリックされるだけで収益になります。そのためメディアの運営者はアクセス数を伸ばす施策や、効果的に広告をクリックしてもらうレイアウトの検証に注力することができます。 簡単にGoogle AdSenseの運用方法をまとめると
  1. Google Adsenseに登録する
  2. 自分のブログにGoogle AdSenseの広告コードを配置する
  3. その広告を適切に読者の視界に入れて、広告のクリックを発生させる
  4. 結果としてメディアの運営者が報酬を得ることができる
という流れになります。 Google AdSenseの申込方法については以下のヘルプページをご確認ください。
AdSense へのお申し込み – AdSense ヘルプ

アフィリエイトとGoogle AdSenseの違い

前回の記事で紹介したアフィリエイト広告と、今回の記事で紹介するGoogle AdSense。違いがわからないという声を時折耳にする機会があるので、違いを簡単に解説します。 先述した通り、クリック報酬型広告とは表示されている広告がクリックされた時点で報酬が発生するプログラムになっています。また、表示される広告もウェブサイトの内容に最適化された広告、あるいは訪問者の嗜好に最適化された広告が自動的に配信され、自分で商品やサービスを探す必要はありません。 一方、アフィリエイト広告の場合は、自分で掲載したいプログラムを探さなければならないこと、そしてウェブサイト訪問者がアフィリエイトリンク経由で商品を購入したり、サービスに申し込んだり、資料請求するなどのアクションが発生してはじめて報酬が発生します。この2点が、クリック報酬型広告とアフィリエイト広告の大きな違いとなります。 クリック報酬型広告の代表的プログラムであるGoogle AdSenseと、アフィリエイト広告の違いは以下の通りです。

Google AdSense

報酬形態:
クリック報酬型(まれにインプレッション型※広告の表示回数に応じての報酬)。商品やサービスを売る必要はない。 広告の張替え:
自動配信のため基本的に張り替える必要はない(配置場所変更等のメンテナンスは必要) 1アクション毎の報酬額:
1クリックあたりの報酬額は低め。平均的には1クリック20~30円(配信された広告のジャンルによって変動) 報酬増加要因の傾向:
ページビュー(アクセス数)やウェブサイトのテーマによる変動要因が強い アカウント取得:審査制 報酬の最低支払い額:8,000円(2019年7月現在)

アフィリエイト

報酬形態:
成功報酬型(成果報酬型)。商品やサービスを申し込んでもらう必要がある。プログラムによっては資料請求など無料のアクションでも成果として認証。 広告の張替え:
紹介するプログラムに応じて広告コードの張替えが必要。アフィリエイトプログラムが終了した広告コードのメンテナンスも大切。 1アクション毎の報酬額:
プログラム毎に異なる。商品販売額の1%~20%の報酬率もあれば、1件申込みあたり数千円という定額制のプログラムも存在する。 報酬増加要因の傾向:
検索キーワード。ページビューは少なくても、関心度の高いユーザーを集めることで効率的に商品を販売することが可能 アカウント取得:審査制が多い(楽天アフィリエイトは登録制) 報酬の最低支払い額:
運営会社によって異なる。楽天アフィリエイトは基本的に楽天ポイントで支払い。

Google AdSenseで報酬を伸ばす方法

Google AdSenseで報酬を伸ばす方法
Google AdSenseで稼ぐのにまず必要な要素はページビュー、とにかくこれに尽きます。 当たり前ですが、一日500ページビュー(以下PV)と5000PVでは収益に大きな差が出ます。1日2~30000PVを生み出すブログを運営していれば、Google AdSenseだけで生活できるぐらいの収入になるでしょう。 では、どうしたらそこまでのPVを集めることができるのでしょうか。いくつか代表的なやり方はあるのですが、私としては長期間安定的にアクセスを集められる、資産型のメディア運営を推奨しているので、質実剛健な方法を解説していきます。

1.どうやって人気メディアに仕上げるか

やることは非常にシンプルで「良質なコンテンツ」を「継続して投稿する」ことです。毎日、自分の得意分野や誰かの役に立つ情報を提供して、訪問者に対して価値を提供していくことが重要です。信用度のアップと言い換えても良いでしょう。芸能人でもスポーツ選手でもない、一般の人がメディアを始めて、たった数日で万単位のPVになるわけ無いんです。 まずは「自分の得意分野」に特化したお役立ち情報を提供してみましょう。あなたの記事を読んでくれた人が、一箇所でも頷いてくれるような内容を心がけましょう。自分の得意分野に特化する必要性を挙げたのは、それがあなたのオリジナリティになるからです。誰にでも書けるような陳腐な内容では、インターネット上に溢れかえる膨大な情報量の中で埋もれてしまいます。 さらにオリジナリティも伝え方(書き方)次第で大きく変わります。届けたい内容を明確に表現することが重要です。自分の伝えたいことが相手に理解してもらえなければ、せっかく書いた記事もムダになってしまいます。残念ながら自分が伝えたいことの半分も読者には伝わりません。でも明確さを意識しながら記事を書き続けることで、必ずあなたの文章力は上がっていきますので諦めずに心折れることなくとにかく続けてください。 記事が自在に書けるようになってきたら、次はその記事が「誰得」なのかを考えてみましょう。いくら自分自身で「これは役に立つ!」と思っていても、世間に必要とされていない記事では多くのアクセスは見込めません。この記事を読むことにより誰が利益を得る(お金だけではなく知識的にもより良くなる)のかを認識して、テーマを決めたり文章を書いたりする事で、読み手に価値を提供できます。提供している価値を求める人が多ければ多いほど、結果としてPVに跳ね返ってくるのです。

オリジナリティ x 明確さ x 得した人の量=ページビュー

公式にするとこんな感じでしょうか。ちなみに掛け算なので、どれかが0であれば結果はゼロになります。(行動して0になるということは基本的にないと思いますが、係数が0.5であれば総数も半減します)

2. Google AdSenseで収益アップさせるためには、広告の配置場所とサイズが重要

Google AdSenseで収益を上げるためにはまず一定以上のPVが必要だと述べました。しかしながらPVがあっても適切な場所に、適切なサイズの広告が配置されていなければ宝の持ち腐れになってしまいます。広告を適当に配置しているブログと、しっかり考えて検証しながら配置しているブログでは、もちろん後者の方が大きな成果が発生します。 Google AdSense広告を配置する際に、以下の3つのポイントを注意すると良いでしょう。

i)広告は目に付く位置に配置する

広告のクリック率が高いのは記事上部と記事下部です。ここは鉄板なので余程の信念が無い限り配置しておきましょう。本文内に広告を配置することも有効ですが、読み手の利便性を損ねる恐れもありますので収益と見やすさのバランスを考えて使い分けてください。 サイドバーの上部も視界に入るので悪くは無いですが、スマートフォンからの閲覧者の方が多くなった現在、サイドバーへの配置は効果が薄くなっています。

ii)大きなサイズの広告を使う

とにかく大きな広告を貼ってください。読者の視界に入らない広告は存在していないのと一緒です。現在はGoogleの方でサイトデザインを判別して、適正なサイズの広告を自動的に配信してくれるようになっていますので、Googleにお任せしてしまっても大丈夫でしょう。 自分で小さなサイズの広告を指定することもできますが、視認性も低下しますので、よほどのこだわり(サイトデザインとの兼ね合いなど)が無いのであれば指定しないようにしましょう。

iii)広告はバランスを考えながら、数多く配置する

現在のGoogle AdSenseは、広告ユニットの配置数制限が無くなりました(以前は1ページに3つまで掲載可能)。あまり配置しすぎると読者の利便性が落ちますが、数少ないと広告の視認性が悪くなります。3~4つ程度の広告ユニットを、バランス良く配置しましょう。

単価の高いジャンルを意識して記事を書く

Google AdSenseで配信される広告のクリック単価には一定の法則があります。 それは「商品やサービスの価格が高い」あるいは「ずっと利用してもらうことで全体的な金額が大きくなる(ライフタイムバリューが大きい)」ジャンルの広告のクリック単価が高くなる傾向があるということです。逆に「商品単価が低い」、「一回の利用で終わってしまう」ジャンルの広告単価は低くなりがちです。 広告単価の高いジャンルは競合するウェブサイトも多いですが、独自の知識や経験を保有しているのであれば、充分、価値のあるコンテンツとしてユーザーに認識され、効率的に収益を上げることも可能です。 一般的にクリック単価の高いジャンルは以下の業種があります。前回のコラムで紹介したアフィリエイト広告と同じ傾向があると考えてもらって構いません。
  • 金融・保険 
  • クレジットカード
  • 不動産
  • 自動車
  • エステ・美容・ダイエット
  • 英語・英会話
  • 就職・転職
これらのジャンルの中で、あなたの得意分野があれば大きなチャンスです。知識や経験を元に、質の高いコンテンツを作ることで、収益性を高めることが可能になります。もちろん他にも「単価の高い」「ライフタイムバリューの大きい」ジャンルは存在しますので、自分で研究して発見してみてください。

Google AdSenseでやってはいけないこと

当然ながらGoogle AdSenseには利用規約やプログラムポリシーが存在します。 規約やポリシーに違反すると広告の配信停止や、最悪の場合AdSenseアカウントの停止(無効)という状態になります。一度アカウントが無効になったユーザーは今後AdSenseプログラムに参加することができなくなります。そうならないよう、AdSenseでやってはいけない事をしっかり確認しておきましょう。 Google AdSenseではさまざまな箇所にポリシーが点在しています。初めてGoogle AdSenseにチャレンジする人はポリシーを探すだけでも一苦労ですので、関連URLを紹介していきます。 また、プログラム ポリシー ガイドブックもpdfファイルで配布されています。 すべての内容が重要なのですが、特に「プログラムポリシー」に掲載されている自己クリックの禁止と、「禁止コンテンツ」「広告の配置に関するポリシー」に注意しましょう。

禁止コンテンツ

アダルト コンテンツ
危険または中傷的なコンテンツ
危険ドラッグおよび薬物に関連したコンテンツ
アルコールに関連したコンテンツ
タバコに関連したコンテンツ
ヘルスケアに関連したコンテンツ
ハッキング、クラッキングに関連したコンテンツ
報酬プログラムを提供するページ
不適切な表示に関連したコンテンツ
暴力的なコンテンツ
武器および兵器に関連したコンテンツ
不正行為を助長するコンテンツ
違法なコンテンツ

広告の配置に関するポリシー

偶発的クリックの回避
偶発的クリックの誘導
広告の不自然なアピール
誤解を招く見出しの下での広告配置
スクロールしなければ見えない位置にコンテンツを押しやるサイトレイアウト
画像と広告の並列配置
広告フォーマットに似せたコンテンツ
報酬の提供
広告と Flash ゲームの間隔 これらに該当する内容が記載されているウェブサイト・ブログはアカウント停止の対象になります。自分の運営するウェブサイトが該当しないように、注意して運営しましょう。

警告メールが届いたらすぐに対応を

長い期間AdSenseを運用していると、いずれどこかでポリシー違反の警告を受けることがあります。初めてGoogleから警告メールが届いた時は、びっくりして気が動転するかもしれません。 ただ、警告メールが届いたからといって慌てることはなく、しっかりと対処すればまったく問題ありません。心を落ち着けて内容を確認しましょう。 なお、以下のヘルプページで広告配信の停止やアカウントの無効化について解説されていますので、警告メールが届いたら熟読して適切に対応しましょう。

まとめ

長くなりましたが、クリック報酬型広告で収益を伸ばしていくためには
  • 読者の役に立つコンテンツを提供しページビューを伸ばす
  • 可能な限り報酬単価が高いジャンルを選択する
  • 広告を認識しやすいレイアウト(配置)にする
  • ルールを守る
  • 継続する
この5つを意識して記事を書き続けることが大切になります。次回はYouTubeを中心とした動画による収益化について解説します。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

1975年生まれ:埼玉県出身
株式会社MASH 代表取締役

12年間の会社員時代からさまざまな副業に取り組み、2009年にインターネット集客や収益化の専門家として独立。

会社員時代は人事採用・人材開発・人事管理などの管理部門7年、営業・企業投資などの営業部門5年に従事しており、特に採用部門では新卒・経験者採用合わせて20,000人以上の面接を務めた経験を持つ。

独立後はブログメディアの運営とともに、コミュニティ(オンラインサロン)運営、書籍の執筆・プロデュース、企業や地方自治体のインターネットマーケティングアドバイザー、講演活動など、複数の業務に取り組むパラレルワーカー。

著書・監修書に『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』(インプレス)、『アフィリエイトの教科書1年生』『ブログの教科書1年生』(ソーテック社)、『成功するネットショップ集客と運営の教科書』(SBクリエイティブ)、『Google AdSense マネタイズの教科書』『ムリなくできる親の介護』(日本実業出版社)、『クリエイターのための権利の本』(ボーンデジタル)、『複業のトリセツ』(DMM PUBLISHING)など30作(2019年7月現在)。

株式会社MASHコーポレートサイト
https://mash.ltd/
染谷昌利公式ブログ
https://someyamasatoshi.jp/

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