「Open Analytics Hack in 仙台」開催レポート

みなさん、こんにちは!仙台の上級ウェブ解析士、福田です。 東北支部での活動に参加したのは今年1月の新年会に参加してからなので、ウェブ解析士としても支部メンバーとしてもまだまだ修行中の身、ひよっこでございます。移り変わりの早い業界なのでしょっちゅう冷や汗かいています。 さて、本題ですが、去る2019年11月16日(土)、株式会社メンバーズ ウェブガーデン仙台を会場に「第1回 Open Analytics Hack in 仙台」が開催され、受付・記録係を兼ねて参加してきました。 今回のイベントは私も所属する『ウェブ解析士協会東北支部』と、メンバーズさんが運営する学びのプラットフォーム『CCDLab.』さんとの共催イベント。6月の「マーケティングZERO TOHOKU」に続き、年内に別のマーケティングイベントが行われるとは、、、じわじわと東北の盛り上がりを感じる今日この頃です。 ところで、この企画、個性あふれすぎる3名の方々が2年も温めたものがようやく実現したものでもありました。ウェブ解析士ならご存知の方も多いであろう、GVA TECH株式会社の小室吉隆さん、株式会社クリエイターズネクストの窪田望さん、b.mode株式会社の三浦哲志さん、の3名です。
左から窪田望さん、小室吉隆さん、三浦哲志さん
そこに東北支部の支部長松浦洋介さんと株式会社メンバーズの尾形夏志さんが加わり、今回開催する運びとなりました。 当日は前半のセミナーPartと後半のワークショップPartの、2部構成。このレポートで当日の雰囲気が伝わると嬉しいです。
目次

前半レポート

Session.1
小室吉隆さん『ウェブ解析士が知っておきたい業務効率化テクニック』

まず、効率化を図るプロセスの順を追って説明。
  1. 事前調査
  2. 解析環境の設定
  3. 目標設計
  4. GTM&GA設定
  5. 施策の検討
  6. 施策の実行
  7. レポーティング&モニタリング
ウェブ解析士の業務
各プロセスにおいて、評価(解析)に時間をかけず、効果を引き出すツールや使い方のコツをたくさんご紹介いただきました。Google Analytcs(GA)やGoogle タグマネージャー(GTM)はもちろん、Google Optimize(GO)の特徴や気を付けた方がよいこと、プログラミングスキルがなくても使いこなすことが可能な正規表現など、業務効率化のための技術的なTIPSが盛りだくさん。 小室さんから数回出たキーワード、「時はカネなり」。効率化を図るためならば何でもするというぐらい、業務効率を上げて、自分もクライアントもいい状態を作る。好循環を生み出す働き方のヒントにもなりました。 小室さんの言う「業務効率化」は、解析ではなく、施策や実行に時間をかけるべきであり、時間は有限で、自分の業務効率を上げることがクライアントの利益につながるというもの。ウェブ解析士のミッションとリンクもしていて、考え方がぶれないというのも大事な要素だと感じました。便利とわかっていながら導入を後回しにしがちな自分を顧みるいい機会になりました。

Session.2
尾形夏志さん『「KPI決まりましたけど、その後は?」改善を促す為の施策発想法』

尾形さんのセッションは裏テーマ「Spring upワークショップのススメ」と勝手に解釈いたしました。事実と解釈は違うと尾形さんが仰っていた、解釈の方です。 KPI、お客様からもKPIがこれで~、と提示されることが増えています。「KPIがこれなのですが、どうすれば達成できますか?」と。ここで、よく感じるのが、現場任せ(=業者任せ)であったりすることです。 事業のKPI設定は事業に携わる全員が共通認識をもって動くことで、効率や成果に違いが出る。そこで、尾形さんの提案するSpring UPなワークショップ実施のススメです。ペンと付箋を用意し、ホワイトボードがあると尚可なグループワークです。紹介に合ったびっくりチキンの導入は任意でどうぞ。 手順は、
  1. 事実の洗い出し
  2. 気づきを書きだす
  3. 仮説を立てる
  4. 施策立案
この流れを一人ではなく、グループでやることで、泉のようにアイディアが湧き出るというものです。実際、Webサイト制作の上流工程(プランニング)において、お客様もしくはスタッフと一緒に「誰に、何を提供して、どう動いてほしいのか」を考えるワークを同じ手法で実施すると、サクサク進み、その場でワイヤーまで出来てしまい作業効率がとても上がります。 Spring upワークショップ、ぜひ皆さんもやってみましょう!

Session.3
窪田望さん『ぶっちゃけ、どうやればマネタイズできるの?ウェブ解析士が知っておきたいマネタイズ2019』

演技力への期待を高めつつ、つくる会社と成果をあげる会社の違いを説明しながら、施策を展開するにも、コストの根拠を示せるかどうか、分析されているかどうかによって受注単価が変わるというストーリーを1人2役で演劇部出身の本領を発揮しながら紹介していただきました。 そして、マーケティング担当者はフレームワークの4P(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)のプロモーションの部分を考えることに偏りがちで、プロダクトやプライスに目を向けたら、課題解決の糸口が見つかるかもしれないという内容でケーススタディを交えながら説明。 たしかに、認知度を上げる→露出をする=広告、と単純な頭になりがちで、そうなると4Pの75%の部分を考えていないことに。これって脳の偏りも招くんじゃ?!なんていうのは憶測ですが、ものごとの見方、角度を変えて見ることで違った側面が見えてくるというのはよく聞きます。マーケティング担当は頭のコリをほぐすことも必要ですね。 最後の方では、提供されているKOBITのサービス説明がありましたが、 「1セッションは誰かの人生のカケラである」 「見えないn数の相手へのおもてなし」 など、演技派ならではの名ゼリフを残してくれました。 KOBITについてはこちら→ https://kobit.in/

後半レポート

Open Analytics Hack(以下、OAH)

いよいよ、本日のメイン、ライブ解析のスタート。モデレータに小室さん、パネラーに窪田さん、尾形さん、三浦さん、松浦さん。 OAHのゴールは、
  1. ウェブ解析の知見を多面的に学ぶ機会にする
  2. クライアント様に価値のあるフィードバックをする
  3. ウェブ解析の楽しさや凄さを広く周知する
ことです。
今回の相談内容は、「ITリテラシーがあまりないけどウェブ担当者になってしまった”コムロさん”が、自社サイトの無料ユーザーを有料ユーザーにするにはどうしたらいいか、コムロさんに刺さるコンサルティングをしてほしいと」いうもの。

1. 検討(5分)

まずは一定時間、切り口を何にするか、グループワークで検討して発表しました。パネラーはひとりひとりの検討タイムでしたが、なんか楽しそうで、余裕です。

2. 分析(20分)

ここでGAのデータを見ますが、見られるのは1人につき一つの項目だけ。しかも、GAはコムロさんが操作をするので、見たいデータがどこにあるのか、パネラーからの案内が必要です。これはGA操作に慣れていないとなかなか難しいです。 参加者に、知りたい項目を聞き、パネラーがコムロさんに操作を案内する場面も。

3. 検討(5分)

得られた情報をもとに各テーブルで活発な意見交換がされました。否定することが目的ではなく、遠慮なく言えるように設定されたルールもあったから良かったようです。

4. 発表(20分)

残り時間が少ないので、先にパネラーの提案を聞いている間に、sli.doという匿名で質問ができるサービスに、テーブルごとに提案内容を入力してもらうことに。sli.doを見てみると、参加者さんからもかなり具体的な提案があがっていました。自分では考えつかなかったことにも気づくことができるのが、全員で1つのGAを見るこのイベントの良いところ。 パネラー含むそれぞれの提案に対する投票を行い、第1回OAHの優勝者は窪田さんでした!限られた情報で、次のチャンスにつなげる提案は営業サイドの人間にも参考になりそうです。
最後には、参加者のお悩み相談タイムもありました。岩手から参加された方で、ご自身のお客様にウェブ解析の必要性をどのように訴えれば刺さるかアドバイスが欲しい、というご相談でした。このご相談に対して、モデレータの小室さんはじめ、パネラーの4名から真剣なアドバイスが。実際のコンサルティングさながらでした。 時間は若干オーバーしましたが、概ねスケジュール通りで集合写真を撮影して無事終了。あっという間に過ぎたように感じる3時間でした。
全員で集合写真

参加者の声

  • 「実際にみんなでGAのデータを見て、自分なりの施策を立てて、それを他の人の施策と比較できたところが画期的な企画だったと思いました。」
  • 「1人あたりの待ち時間をもう少し増やしてでも詳しい話を聞きたい。」
  • 「他社のGAのデータを見る機会はそうそうないので、とてもおもしろかったです。」
  • 「いろいろな考えがあり、アプローチ方法があるんだな再認識するとともに、人数が全てではないが、同じベクトルを持った人が集まるとこんなにも有意義なディスカッションができるのかと思いました。参加してよかった。」
  • 「次もあったら是非参加したい。正直に言うと、質問されていた岩手の方がリアルで・・東北は確かにウェブ解析の前に行く前のマーケティングの仕方も課題ありで、講師の方々の助言がそれぞれ刺さりました。」
  • 「実戦形式こそ、深く理解ができ、強く記憶に残るものと思いますので、貴重な時間でした。」
  • 「クライアントの志向に合わせる提案ができる、引き出しの多さも必要なんだなぁと思いました」
  • 「今日多くの場面でABテストが出てきたのが、頭に残っています。ABテストをうまく実施してよりコンバージョンを獲得できるサイトをめざしたいと思います。」
などなど、次回開催につながるプラスなコメントが寄せられました。ご回答いただいた皆様、ありがとうございました。

アンケート集計結果

  • アンケート回答率 73.7%(19名中14名回答)
  • 平均推奨度 8.2 (10点中)
  • 次回参加希望率 100%
そんななかでもひときわ一番嬉しかったお声はこちら。OAHの目的が伝わったようで、嬉しいです!
  • 「楽しんで発言している皆さんを見て、本当にウェブ解析がお好きなんだなと感じました。自分もその領域を目指したいです。」
これは来年もぜひ開催しないと、ですね!主催者の皆さん、参加者の皆さんお疲れ様でした!
当日のハッシュタグ #oah1116 のtogetterまとめから、窪田さんがFlash Publishingでまとめた第一部のセッションレポートも見られます♪ togetterまとめ https://togetter.com/li/1432226

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

旅行と食べることと飲むことが好きな仙台のwebディレクター。所属は営業部なのにどんぶり勘定が玉にきず。嫌なことは寝れば忘れる楽天家、良くいえばおおらかだけど、悪くいうと大雑把。食べ物が美味しい土地の記憶はバッチリ残る食いしん坊。最近は単純に制作という枠ではなく、地域活性化事業にも足を突っ込んだことをキッカケに自分の人生どうありたいか、自分にとって仕事とは?自問自答中。

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