今回は、成果につながるウェブサイトのデザインはどのように考えて作っていけば良いのかについて、そのポイントを解説いたします。
「かっこいいウェブサイトにリニューアルしたのに、なかなか成果につながらない・・・」と悩んでいらっしゃる企業様は、ぜひご一読ください。
目次
企業ウェブサイトは「企業の顔」
インターネットが普及している昨今において、企業ウェブサイトは、「企業の顔」であると言えます。あなたの会社の商品やサービスの購入を検討している見込顧客の大半が、必ず一度はあなたの会社のウェブサイトを見ているという時代になっていると言っても過言ではありません。 商品購入検討時に、ネット検索をして企業のウェブサイトを見て参考にするという人の割合は8割以上であるとも言われています。実際あなたも、何か商品やサービスを購入しようと思った際、一度はその商品やサービス、あるいはその企業のことを検索して、ウェブサイトを見に行きませんか? それくらい、いまや企業ウェブサイトは、「会社の顔」として、非常に重要な顧客接点の一つになってきています。デザインを考える際に注意するポイントとは
非常に重要な、顧客との接点である企業ウェブサイトですが、どのような見た目=デザインにするのが良いのでしょうか? 企業ウェブサイトは「会社の顔」ですから、そのデザインは、会社のイメージを大きく左右する重要な要素です。企業ウェブサイトの制作を、制作会社に依頼するにあたり、デザイナーに対して「このようなデザインにして欲しい」と要望を伝える際、企業の経営者は、何をどのように意識するのが良いのでしょうか?- 色や雰囲気など、経営者の個人的な好み、趣向を詳細に伝えて、全ての要素に対して細かく具体的に指示を出す
- センスの良いデザイナーを見つけて、「時流にあったかっこいいものにして欲しい」と全てを丸投げする
結論を先にお伝えすると、ウェブサイト制作会社への要望の伝え方として、まず経営者が実施すべきことは、
- ウェブサイトの目的
- 自社のターゲット顧客像
- そのターゲット顧客像にどのようなことをアピールしたいのか
企業ウェブサイトのデザインの中心にいるのは「お客様」
企業ウェブサイトのデザインに関する議論の中心にいるのは、常に「顧客」=「お客様」であることを強く意識しましょう。「経営者」や「デザイナー」ではありません。 前述のよくあるケースのように、「経営者が青色が好きだから、ブルーを基調としたデザインにしよう」とか「最先端のデザインを取り入れたかっこいいウェブサイトにしよう」というような議論は、成果につながる企業ウェブサイトという意味では、まったくの無意味です。 もちろん、「自分好みの芸術的なウェブサイトを作りたい」ということが目的なのであれば、それで問題ないと思いますし、それを否定している訳ではまったくありませんので、誤解しないでください。あくまで、問い合わせや資料請求など、「一定の目的=成果」につなげるための企業ウェブサイトという観点でお話をしています。 「経営者やデザイナーの好み」は一旦忘れて、「ウェブサイトの目的を達成するためには、どのようなデザインだと効果的だろうか」
「自社のターゲット顧客はどのようなデザインだと印象が良く感じるだろうか」
「自社のアピールポイントを最大限伝えるためには、どのようなデザインが良いだろうか」
というように、常にお客様を第一に考えながら、客観的にデザインを作っていくことが大切です。 そのためにも、経営者とデザイナーでしっかりと前提となる意識合わせをし、イメージを共有した上で、ウェブサイトのデザイン制作に取り掛かるようにしましょう。基礎となる考え方がしっかりと合っていれば、デザイナーはプロですから、「それであればこのような構成で仕上げるのが良い」「配色の組み合わせはこうするのが良い」など、プロとしての意見を出してくれるはずです。
かっこよければ良いという訳ではない
企業ウェブサイトは、芸術作品では無いので、「かっこいいものが良い」という訳ではありません。たとえば、地元のアットホームな工務店の企業ウェブサイトが、最先端の海外のIT企業のような派手なデザインのウェブサイトであったら、それを見たお客様はどのように感じるでしょうか?ウェブサイトの見た目は最先端でかっこいいかもしれませんが、それを見て、「壊れた窓サッシを直してもらいたい」という問い合わせをしたいと思うでしょうか?ハードルが高く感じて、問い合わせをすることを躊躇してしまうかもしれません。 実際、弊社のクライアント企業様でも、企業ウェブサイトを洗練された美しいデザインにした結果、ウェブサイトからの問い合わせ数が落ちてしまい、手作り感のある親しみやすいデザインに戻したということもありました。 繰り返しになりますが、「経営者の好み」や「デザイナーの好み」は一旦置いておきましょう。「自社のターゲット顧客像」のことを第一に徹底的に考え抜いて、「かっこいいか」ではなく「お客様がどう思うか」について議論をし、デザインを作っていくべきです。
使いやすさも重要
また、見た目と同じく「使いやすさ=ユーザビリティ」という観点も、企業ウェブサイトのデザインにおいては、非常に重要なポイントです。ユーザビリティを表現する用語として、最近では、UI というような言葉も、よく耳にするようになりました。 UIとは、User Interface(ユーザーインターフェース)の略で、コンピュータなどの機械と、その利用者の間での情報をやりとりするための接点のことです。企業ウェブサイトにおいては、ナビゲーションメニューや、画面レイアウト、入力フォームやボタンなど、訪問者がウェブサイトを操作する際に接する部分のことを指します。 スマートフォンなど最近の電子機器は、取り扱い説明書が無い場合が多いですよね?優れたUIは、そのジャンルの製品の基準となって、他社の製品も概ね同じようなUIになります。人間として「使いやすい形」「使いやすいやり方」というのは、多くの人に共有で備わっている共通感覚なのです。 自動車も、ハンドル・アクセス・ブレーキ・ギア・ウィンカー・ライトなど、どの車種であったとしても、あまり迷わずに運転をすることができるのは、優れたUIが自動車メーカーの標準として定着した結果であると言えます。 企業ウェブサイトにおいても、初めてウェブサイトに来てくれた訪問者に対して、自然に迷わずに快適に閲覧してもらうようなUIを意識したデザインにすることが大切です。
たとえば、「ボタンはどのようなサイズや装飾が良いのか」「入力フォームはどのような構成と動きにした方が良いのか」「1行の文字数は何文字程度が良いのか」「文章の行間はどの程度あけた方が良いのか」「次ページへの回遊誘導導線はどのようにするのが良いのか」「スマートフォンとPCの両方で見やすいサイトにするためにはどうすれば良いのか」など、UIの観点で考えた際に、考慮をするべき事項は数多くあります。
お客様目線で、成果につながるウェブサイトデザインを
企業ウェブサイトのUIについては、プロであるデザイナーに任せて、ウェブサイトとして最適なUIを設計してもらうようにしましょう。繰り返しますが、経営者の見た目の好みで、「ボタンの色はこうした方が良い」「文字の大きさはこうした方が良い」と指示を出すのではなく、ウェブサイト制作会社のデザイナーの知見も借りながら、「どのようなウェブサイトがお客様にとって使いやすいか」という観点で作り上げていってください。「私はこう思う」「私はこれが好き」ではなく、「お客様はどう思うか」「お客様は何が好きか」ということを考えましょう。 また、ウェブサイト制作会社との「デザイン面でのやりとり」は、「何か好みと違う」などの議論で衝突したり、紛糾しやすいポイントです。そのような際は、感覚的な議論をするのではなく、「お客様に目的の行動をしてもらうためには、どのようなデザインが良いか」という根本に立ち返って、論理的な話し合いをするよう心がけましょう。- ウェブサイトの目的
- 自社のターゲット顧客像
- そのターゲット顧客像にどのようなことをアピールしたいのか