「このインターネット時代に、今さら紙!?」と思うかもしれませんが、まだまだ有効な施策の一つです。メルマガやLINE@などのオンラインでのアプローチに限界を感じている企業様は、ぜひご一読ください。
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「紙」でのアプローチはまだまだ有効
ECサイトにおいて、過去の購入者へのリピート購入促進施策として、メルマガやLINE@などオンラインでのアプローチを実施している企業様は多いと思います。しかし、DMやカタログなどの紙媒体でのアプローチを行なっている企業様は少ないのではないでしょうか? 弊社では、ECサイトを運用されている企業様には、年に4回程度のDMの送付や、年に1〜2回程度のカタログの送付をオススメしています。紙媒体を使った販促施策は、オンラインの施策と比べると、制作に手間や費用がかかりますし、「今さら紙なんて時代遅れでしょ・・・」と感じて、敬遠する企業様も多いかもしれません。しかし、オンラインでの企業からのアプローチが溢れている昨今において、DMやカタログといった紙媒体のオフラインでのアプローチは、顧客の印象に残りやすいというメリットがあります。また、オンラインでのアプローチにあまり反応せず、紙に親しみがあるような50代以上のシニア層に対しても、効果が期待できます。
DMやカタログの制作のポイント
1:読み物として楽しめる内容にする
ただ単純に、最新商品やおすすめの品などを紹介したり、割引キャンペーンの案内をするだけの内容では、「また不要なチラシが届いた・・・」という印象しか与えず、すぐにゴミ箱行きになってしまいます。受け取った顧客が、「取っておきたい。後からでもまた読み返したい。」と思ってもらえるような内容にすることが大切です。商品に関する制作秘話や、その商品を使う際のポイント、顧客にとって役に立つような参考情報提供など、読み物として楽しんでもらえるような内容にすることを心がけましょう。2:パッと見のインパクトを重視する
DMやカタログを開封して見てもらえるかどうかは、ほぼ第一印象で決まります。おもて面のデザインや、使用する写真、画像、イラストなどは魅力的なものにしましょう。キャッチコピーなどの文章も、少し時間をかけて、顧客に刺さる内容を考えてみましょう。メッセージを考える際には、ペルソナになりきって想像力を膨らませて、より情緒的価値を訴求するようにすることがポイントです。(参考:機能的価値と情緒的価値!お客様の心に刺さる訴求メッセージの考え方とは)
また、目を引くために用紙サイズを工夫したり、中身が気になるように開封式にするなど、色々な工夫を凝らしてみると良いでしょう。
3:目線の動きを意識してチラシのデザインを工夫する
ウェブサイト制作の際もそうですが、DMやカタログの制作においても、目線の動きを意識することが大切です。日本人の目線は、横書きの場合は、「左上から右下」に流れます。縦書きなら「右上から左下」に流れていきます。これは本を読むときの目線の動きと同様です。それ以外の目線の動きになるデザインの場合、無意識に違和感を感じてしまいます。目玉商品などの一番目立たせたい内容については、横書きの場合は左上、縦書きの場合は右上に配置することが基本です。4:ECサイトへ来てもらうためという目的を忘れない
DMやカタログなどを作り始めると、「素敵なものを作ろう」と頑張ってしまいがちです。もちろん、それは非常に良いことです。しかし、DMやカタログの「目的」は忘れないようにしましょう。DMやカタログを送付する目的は、「そのDMやカタログをきっかけにして、ECサイトに来て、商品を買ってもらうこと」です。そのため、「どうしたらECサイトに誘導できるか」ということを意識して制作することが大切です。文章中にECサイトのURLを書いたり、QRコードを掲載したり、「続きはウェブで」というような続きが気になる内容にするなど、ECサイトに誘導するための工夫をしましょう。
効果測定できる仕組みを作る
メルマガやLINE@などのオンラインの施策と比較すると、DMやカタログの配布には、制作費用や郵送費用など経費が多くかかります。それなりの経費をかけるからには、必ず「どれ位の効果があったのか」という費用対効果を測定できるようにしておき、次の施策に活かすようにしましょう。
DMやカタログの効果測定にはさまざまな方法がありますが、以下参考までに、弊社がよく使用する方法をご紹介いたします。
1:配布日の前後2週間程度のECサイトのアクセス数と売上高を比較する
DMやカタログを配布する日の前後2週間程度の、ECサイトのアクセス数と売上高を比較して、どの程度、数値が変化したのかを計測します。もちろん、DMやカタログ以外のさまざまな要因によっても、ECサイトアクセス数や売上高は変動しますので、100%正しく効果が測定できるという訳ではないですが、まずは、これがもっともシンプルな効果測定の方法です。 なお、効果計測期間が、その他の販促キャンペーンなどと時期が被ってしまうと、DMやカタログ配布の効果なのか、その他の販促キャンペーンの効果なのかがわからなくなってしまいます。販促施策カレンダーなどで予定をきちんと管理をして、DMやカタログ配布日の前後2週間程度は、その他の販促施策の実施は極力控えるようにしましょう。2:専用のクーポン券を付ける
DMやカタログに、専用のクーポン券(クーポンコードなどが記載されているもの)を付けることで、「そのクーポンコードを利用したECサイトの購入者は、DMやカタログを見た購入者である」と計測することができます。「DMやカタログの直接的な売上への貢献度」を測るには、もっともわかりやすい効果測定方法です。 クーポン券は、「30%オフ」といった記載よりも、「500円オフ」というように、直感的に金額がわかるようにした方が、より反応が良いといわれています。また、見た目を金券のようにするなど、顧客の直感に訴えかけるデザインも重要です。3:DMやカタログ専用のランディングページを用意する
通常のECサイトからのリンクではない、専用のランディングページを用意します。そのランディングページのURLを、DMやチラシに記載することで、「このランディングページへのアクセス者は、DMやカタログを見てくれた人だ」と計測することができます。専用のランディングページを用意しなければならないので、少し手間がかかるかもしれませんが、社内にデザイナーやコーダーなどのウェブページ制作体制を持っている企業様などは、ぜひ実施をしていただきたい方法です。4:QRコードの飛び先URLに、計測用パラメーターを付与する
パラメーターとは、ウェブサイトのURLの後ろにつく「?」以降の文字列のことです。DMやカタログにQRコードを掲載し、そのQRコードの飛び先URLを、たとえば「https://あなたのECサイトのURL/?utm_source=dm&utm_medium=off_qrcode&utm_campaign=20200701」
などにすることで、後からGoogleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで、「このアクセスは、2020年7月1日に配布したDMのQRコードからのアクセスだ」と計測することができます。 パラメーターに関しては説明をすると長くなってしまいますので、ここでは割愛します。またいつか別の機会に解説しますね(笑)
まずはチャレンジしてみよう
DMやカタログの配布は、制作に手間や費用がかかることから敬遠する企業様も多いのですが、実施をしてみる価値は十分にあります。メルマガやLINE@などオンラインでのアプローチに限界を感じている企業様は、まずは、お得意様だけに数を絞ってやってみるなど、ミニマムスタートでも良いので、ぜひチャレンジをしてみることをオススメします。
思いもよらない効果が出るかもしれません。