プロジェクトマネジメントは「ひとつのお話」という話

こんにちは、ウェブ解析士マスターの笹川です。
大阪でウェブマーケティング支援の会社(株式会社モンゴロイド)を営んでいます。 解析で改善点をみつけて成果を伸ばすぞ!と意気込んでみたものの、解析したあとの施策がなかなかうまく進まんやないか~い…といったことありません?
僕はあります。
だいぶ減ってきましたけど、それでもあります… 計画をうまく進めるには「プロジェクトマネジメント」という思考やスキルが適していると思います。
解析って、ひとつのプロジェクトですもんね。分析してから結果を出すまでが仕事というか。 今回は、そんな「進まんやないか〜い」といった症状に効くかも知れないプロジェクトマネジメントの話です。
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戦略と戦術をつないでいくようなプロジェクトにしましょう

例えば、プロジェクトオーナーから「ECサイトの売上200%アップ」といった依頼があったとして、話の出口が「とにかくかっこいいウェブサイトをつくる!」になってたら何かがおかしいですよね。
あれ?解析して課題とか抽出して、改善案も考えて、◯月までにローンチとか計画もたてたのに…おやおや?みたいなことありませんか? おそらく「お話がつながっていない」ことが要因だと思われます。
そんなときは、「お話がつながってるか」を関係者に何度も確認しながら進めていく「習慣」をつくると効くかも知れません。 そのためには、プロジェクトの最初の時点(初期の段階)で話し合った「プロジェクトの目的」をきちんと言語化して定めておく必要があります。
かつ、その後の時間軸で決まったこと(決断したこと、判断したこと)も背景や理由とともに言語化して、ひとつのドキュメントにまとめてしまいましょう。 目的地にまっすぐ向かってるのか、迂回路を経由しているのか、どうやら迷子になってしまったのか…そんなときは「お話がつながっているか」を振り返ることができる「ドキュメント」を会議の傍らにおいておくと状況の把握に役立ちます。 プロジェクト進行中は、会議のたびに冒頭で「おさらい」しても効果的。
ほんと、ドキュメントに残すこと大事!絶対!

解析とプロジェクトの美味しくない関係

実際、解析だけでプロジェクトは進みませんので、制作会社やシステム開発会社、広告代理店といった他社(あるいは他者)と協業することも多いと思います。
クライアントも含めて、それぞれ立場や思惑がありますから、意見がぶつかることもしばしば。こじらせると、プロジェクトが斜め上の方向に進んだり、前じゃなくて後ろに進んだり… でも、ウェブ解析士は物事を判断するための「エビデンス」を持ってますよね。
根拠となる数字や、仮説を示すことができます。 ただ、それらのエビデンスがうまく活用されないと、「分析結果だけのレポート」や「部分的な改善案」だけでプロジェクトが進んでいき、あとは各社お好きなように…となり、いわゆる「お話がつながっていないプロジェクト」が誕生することに。 クライアントからしたら「やみくもな改善や根拠のない投資は避けたいから、ちゃんと解析しよう」といった感じで解析を依頼してみたものの、これでは本末転倒です。
期待していた効果が半減してしまいますよね。
Businessman using internet analytics in the office on the touch screen of his laptop (reduced tone)

気がついたら解析とそれ以外の仕事が切り離されてないですか?

解析で抽出した課題を、接客(ウェブサイトなど)や集客(広告、SNSなど)の改善に活かそうと思ったら、自分がそれらの知識を持っているか、あるいは担当する会社(人)と密なコミュニケーションがとれていないとなりません。いずれにしても「話をつなぐ」ことができていないと、解析結果と施策がバラバラに動いてしまいます。 そもそも、「万全の体制」「ありあまる予算」「無限の納期」といった恵まれた状態はごく一部のプロジェクトにしか当てはまらず、多くの場合、そのあたりにも課題を抱えていたりしますよね。
それぞれのメンバーがプロジェクトの目的や予算、スケジュールを明確に認識できていない、といったことも要因かも知れません。 解析では、「事業の戦略がうまく実現されているのか」を確認したり、「成果が出ていない原因はなんだろう?」を分析したりもしますから、ポジション的にはいわゆる「戦略」に近いところにいます。
一方で、制作や広告といった施策は「戦術」ですから、ここをきちんと結びつけてプロジェクトを進めていかないと戦略が置き去りになってしまい、「お話がつながってない」状態になってしまいます。 あと、なんやかんや言って見た目は大事だったり。
いくら「これは戦略にそったウェブデザインです!」と理屈を並べたところで、相手方がパッと見の印象で「なんか違うんだよなあ」と思っちゃうと、お話がキレイにつながっててもプロジェクトが進まない可能性があります。
これは、「見た目の部分に解析結果を落とし込めてない」ってことかも知れません。 プロジェクトをスムーズに進めていくには、本来自分の領域ではない各種施策への理解も求められますので、つまづいた箇所があれば「プロジェクトの進行状況を解析してみる」のも面白いと思います。

まとめ

失敗は成功の母、って偉い発明家が言ってました。
プロジェクト中は、「どうすれば良かったか」よりも「次はこうしましょう」に重点をおいて(失敗を母だと思って)ガンガン進めていくのがおすすめです。 ちなみに、航空機には「魔の11分」と呼ばれる時間帯があって、「離陸後3分、着陸前8分が最も事故が多い」らしいです。
これって、プロジェクトも似ているかも知れません。 プロジェクトが空中分解しそうであれば、ときには「属人的な力」で安全圏まで突き進むことも大事。
関係者全員が肩を組んで進められたら気持ちいいですが、そうこう言ってられないときは多少強引にでも進めてしまわないと、特に最初と最後は事故になりやすい…のでご注意ください。 ウェブ解析士は「解析レポート書いて終わり」で済まないことが多いですよね。
年がら年中、なんかしらのプロジェクトを進めていることと思います。
なんだったら、解析してるときよりプロジェクトを管理してる時間の方が長いかも。
つらい夜も…ありますよね。
そんなときは、「幸せだから笑うのではなく、笑うから幸せなのだ」という、これまた誰か偉い人の言葉を思い出して、とにかく笑ってみてはどうでしょう。
ここちよく、かっこいいプロジェクトがひとつでも増えますように。 そうは言っても一人じゃうまく笑えない…という方へ。
ウェブ解析士資格の有無を問わず、異業種・同業種を問わず、不定期に集まって呑んでますので、失敗談を肴に飲みたいという方はお声がけください。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

株式会社モンゴロイド 代表取締役。2002年からウェブ業界。制作出身。2007年からウェブ解析にも携わる。ウェブ解析士マスター。ブランド・マネージャー2級。
「つくること」と「分析すること」をベースに、ウェブマーケティング全般を支援。
得意なことは、人の話を聞くこと。
モットーは「よく働き、よく遊ぶ」

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