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全国を対象にウェブマーケティングのコンサルタントをしています。
ハワイにもクライアントがありましたが、昨今の事情で訪問できません。 実店舗を持っておられるクライアントが、「アプリを作りたい」って要望を持たれることって多いですよね。でも実際にお金をかけて作っても、顧客はなかなかインストールしてくれず、してくれても利用しないというケースが増えてきています。 そんな時に活用したいのが既存のアプリの上で走る「ミニアプリ」です。今回はそんな中でイチオシの「anybot」を紹介します。
目次
アプリを作っても使ってくれない
BtoCであれBtoBであれ、顧客を自社のファンにして囲い込んで行くことは企業活動として必須なことになっています。製品やサービスが溢れている時代では顧客の選択肢は無数にあり、繰り返し行われてきたイノベーションによって、製品やサービスそのものの機能や価格の差異はあまりなくなり、あったとしてもすぐに競合が出現します。そんな中で必要なことは「企業を知ってもらい、好きになってもらい、ファンになってもらうこと」なのですが、これは「囲い込み」とは少し違います。割引やポイントなどの利益供与で囲い込むことはできますが、ファンになってもらうことはできません。 現在の顧客のスマートフォンには、いくつのアプリがはいっているでしょう? 多くの人はホーム画面を最初の1ページにまとめ、全面にアプリを並べるだけでなく、壁紙も重要なので数個のフォルダにまとめたりしています。この状態でインストールしてもらうは、たとえばiPhone 12では配置できるアイコンは4×7個、つまり28個のアプリの中の勝負になります。あなたやあなたのクライアントのアプリは、「電話」や「連絡先」などのデフォルトのアプリや、「LINE」「YouTube」などの強豪との勝ち残り戦に勝たなくてはなりません。その中では、ファンであることは必要最低限の要素で、さらに機能的で利便性に優れている必要があります。会員カードアプリはインストールしてくれますが、機能的でなければ使われません。 筆者のクライアントで、全国に展開する酒販店があり「在庫連動アプリ」を作成したことがあります。その会社の店舗は本社のある県に集中出店しているので、ほとんどの顧客は2~3店舗の選択肢がある上に、酒という嗜好性の強い商品ということもあり自分の好みの酒がなければ他の店舗に行く必要があります。そこでアプリのサーバーがPOSデータと連動し、30分に一度同期することで「ほぼ最新の在庫データ」と、商品をクリックするだけで「希望の商品がこの店舗にある」という情報を提供するアプリをリリースしました。元々200万人ほどのカードポイント会員を持つ会社だったので、かなりの数のインストールはしていただいたのですが、利用はほぼポイントカードの代用でした。お察しの通りデータベース連動にはイニシャルとしてもランニングとしても、相当のコストがかかるので、最新のアプリではこの機能をカットしました。アプリには大きなコストはかかる
さらにアプリは社内作成できるところはまれで、そもそも外注が前提です。アプリをモジュール化して提供するサービスやWebアプリを構築するなど、比較的安くする方法もありますが、外注化することでそれなりのコストがかかります。また、アプリには「更新」というコストがかかります。特に最近はOSのアップデートも頻繁で、その度に追加の費用がかかることも多く、デバイスの大きな変化があればさらに大きな費用がかかります。 問題は、そのコストの大半が顧客側から見て何らメリットのない単にOSのアップデートに伴う修正であっても、そもそも自分の使っているOSでストレスなく動作することは最低限の必要条件であるということです。そのコストと顧客側の利用価値が見合っているのか、というのが今の顧客コミュニケーションの課題なのだと思います。 告知し、インストールしてもらうこと自体もコストがかかります。人気のあるアプリでも初期投資のほとんどを会員誘致の広告費に割いているところが多く、元々相当な会員数を持つ企業が、その顧客にかなりの頻度で使ってもらわないと見合いません。もし会員アプリを使っておられる企業があれば、そのMAU(Monthly Active Users)で開発費や運用費を割ってみてください。たいていはとんでもないコストを支払ったことになります。そこで、すでにインストールされているアプリを使う
そんな中、注目を浴びたのが「ミニアプリ」です。(ネーミングはもう少し何とかならなかったものか。 mini app なので仕方ないですが、Twitterを「ミニブログ」と言ってた黒歴史を思い出しますね。)元々中国でWeChatの上で走る「ミニプログラム」が最初でした。 詳細は、以下をご参照ください。 https://bit.ly/3apFVgd そのミニアプリを簡単に作ることができ、しかもそれを手元のコントロールパネルで操作することができるのが、エボラニ社の「anybot」です。 https://anybot.me