こんにちは。スノーピークビジネスソリューションズの佐藤佳です。社長室マネージャーとして、PRやデジタルマーケティングを担当しています。
今回は、【日英プレゼンの基本の「キ」】セミナーの参加レポートをお届けします。講師は、マレーシアHELP大学に在学中の菊池あみさん。入学当初は英語のプレゼンが全く伝わらず、悔しさから涙を流す日々だったそうです。しかし、今ではビジネスコンテスト、アイデアソン、社会人向けピッチコンテストで数々の実績を残されています。
一体、菊池さんはどうやってプレゼン力を高めたのでしょうか?
本レポートでは、誰でも明日からすぐに実践できる、菊池さんならではのプレゼンメソッドをご紹介します(5~7分で読めます)。
伝わるプレゼン=「伝わる資料」+「練習!!!」
伝わるプレゼンって何ですか?と聞かれたら、みなさんは何と答えますか?
菊池さん曰く、「伝わるプレゼン」=「伝わる資料」+「練習!!!」で、どれだけ練習できるかが一番の差別化になるそうです。こう言われると『確かにそうだね。』と思う一方、
『伝わる資料って、どうやったら作れるの?』
『資料作成は時間もかかるし、なかなか練習する時間は作れないよ!』
と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。かくいう私も、練習の大事さはよく分かっているものの、何かと練習できない理由ばかりが脳裏に浮かんでしまいました(笑)。
また、『英語のプレゼンだと事情も違うのでは?』とも思ったのですが、「プレゼンの本質は言語レベルではなく練習に尽きる」というのが菊池さんの実体験からの結論だそうです。
では、忙しい日々の中でどうやったら練習時間が捻出できるのでしょうか?
菊池さんの戦略は、「伝わる資料を超高速で作ることで、残った時間をすべて練習に使う」という非常に合理的なものでした。そこで、「プレゼン当日までの5ステップ」に加えて、「資料作成の生産性を高める7つのツール」をご紹介します。
プレゼン当日までの5ステップ
ここでは、プレゼンの当日までにどんな流れで何を行えばいいのかをご紹介します。
Step1:ブレーンストーミング
よくあるプレゼン準備のNG例って何だと思いますか?それは、パワーポイントやGoogleスライドを開いて、いきなり資料を作り始めることです。これらは結果的に作業が非効率になりやすいので、最初は「①思いついたことや伝えたいことをメモに書き出して言語化する」ことから始めましょう。次にメモの中から「②重要事項を選りすぐり」、「③どの順番で伝えるか」を決めることで、伝わるプレゼンの骨格をつくることができます。
★ワンポイント★
英語でプレゼンするから、ブレーンストーミングも英語でないといけない、とは限りません。なぜなら、英語のボキャブラリーがまだ少ない場合、少ないボキャブラリーで考えるとプレゼンの幅が狭くなってしまうからです。最初は得意な日本語でアイデアを書き出し、後で英語に置き換える方法もお勧めです。
Step2:目的の設定
プレゼンで伝えたいことって、たくさんありますよね。そんな中、どうやったらプレゼンの伝わりやすさをぐんとアップできるのでしょうか?その秘訣は、「伝えたいワンメッセージを設定すること」です。例えば、本セミナーのワンメッセージは「練習が大切!!!」で、セミナー中に何度も出てきました。大切なことは3回言うと良い、とはよく言われますが、ワンメッセージが3回出て来るだけでこんなに伝わるプレゼンになるのだと感じました。
Step3:聞き手の設定
伝わるプレゼンをするには、「聞き手のレベルに伝える内容を合わせること」が大切です。例えば小学生に対するプレゼンと、上司に対するプレゼンでは、伝える内容や伝え方も変わってきますよね。当たり前ですが、「聞き手が誰なのかを明確にすること」は、伝わるプレゼンをする上では必要不可欠なのです。そうすることで、この単語は知らないかな?、この話は難しいかな?など、聞き手に配慮した言葉選びから伝わるプレゼンに近づけます。
<チェックポイント>
・聞き手は誰なのか?
・聞き手は何を求めているのか?
・どんなことを既に知っているのか?
・どんなことに興味関心が高いのか?
Step4:資料作成
ブレーンストーミング、目的の設定、聞き手の設定ができたら、いよいよ資料作成に着手しましょう。ここでは伝わる資料を作るためのポイントを5つご紹介します。
①テンプレートを選択 …「テンプレートをフル活用」して、資料作成の生産性を高めましょう。プレゼンテーマごとにテンプレートが用意されている「Slidesgo」がお勧めです。
②各スライドのフレームを設定…「1スライドにつき、1タイトル」をつけます。こちらもテンプレート内の目次を参考にすると、伝わりやすい流れをつくることができます。
③各スライドのポイントを設定…テンプレートとフレームが決まったら、伝えたい内容を付け加えていきます。注意点は、話す機会があるプレゼン資料と、話す機会がない提出資料は違うものだということです。プレゼン資料は「情報量を最低限」にして、シンプルにするのが伝わりやすくなるコツです。
④必要があれば写真や素材を挿入…写真やアイコン素材は、必要であれば挿入しましょう。むやみに入れるとスライドが雑然としますので、入れすぎには注意しましょう。
➄全体のビジュアルを調整…文字や画像のオブジェクトについて、「縦と横の位置」を揃えましょう。また「余白が十分にある」と、見やすい資料になります。なお、白背景に対して黒文字は印象が強すぎて違和感の要因になるため、文字色は灰色や紺色をお勧めします。
Step5:練習!!!
なぜ生産的にプレゼン資料を作成する必要があるのか、目的を覚えていますか?そうです、すべては練習の時間を作るため!理想の個人練習は300回とも言われているそうですが、現実的に難しいと思いますので、菊池さんのお勧めは100回とのことでした。また、練習する際のポイントについてご紹介しておきます。
<チェックポイント>
・個人練習は100回する
・プレゼン原稿を作成する
・予想質問と回答を準備する
・録画で自分のプレゼンをチェックする
・他者からフィードバックをもらう
資料作成の生産性を高める7つのツール
最後に、資料作成のスピードアップに欠かせない7つのツールをご紹介します。
1.Google Slides 直感的操作と共有の利便性
共有ボタンですぐに資料共有でき、スマホからも編集できる点が非常に便利です。
URL:https://www.google.com/intl/ja_jp/slides/about/
2.Slidesgo オシャレなプレゼンテンプレート
プレゼンのテーマごとに豊富なテンプレートが用意されており、ダウンロード形式がGoogleスライドとパワーポイントの両方対応している点も魅力です。
3.Canva 表紙デザインで差をつける
デザインと言うと一歩引いてしまう方もいると思いますが、Canvaを使うと簡単に見栄えのいい表紙がつくれますので、ぜひチャレンジしてみてください。
4.Odan 高品質の写真が無料で使える
海外の無料写真素材サイトを横断して検索できるツール。高品質素材が多く揃っています。
5.Grammarly 英語スピーカーも使っている英語添削ツール
英語が第一言語の人も使っている英語添削ツール。文法誤りを指摘してくれます。
URL:https://www.grammarly.com/
6.Synonyms 英語プレゼンの語彙力を増やす
類語検索ができるので、何かの単語を別の言葉に言い換えたいときに役立ちます。
URL:https://www.powerthesaurus.org/however/synonyms
7.Natural Readers 英語プレゼンの発音矯正に
原稿を入力するとネイティブの声で読んでくれるツール。AIなのでちょっとぎこちない時もありますが、発音やアクセントの確認・矯正に役立ちます。
URL:https://www.naturalreaders.com/online/
まとめ
伝わるプレゼンとは、「伝わる資料」+「練習!!!」で、どれだけ練習できるかが一番の差別化になること。また、伝わる資料を超高速で作るためには、ブレーンストーミング、目的の設定、聞き手の設定を行ってから、資料作成に着手することが重要であること。そして、資料作成の生産性を高める7つのツールを組み合わせることで、さらなるスピードアップが図れるというお話でした。
私たちはつい、「練習をしなくて済む、魔法のような何か」を探しがちです。しかし、野球で言うところの素振り練習なくしてホームランは打てないように、何事にも練習は欠かせません。菊池さんは、そういった本質的な部分を有言実行されているからこそ、素晴らしいプレゼンターになられたのだと感じました。さぁ、みんなで練習しましょう!