時間がなくても本を読みたい方、「積ん読」になっている方へ!
こんにちは。上級ウェブ解析士の宇田葉子です。
仕事もプライベートも忙しい現代人、本を読みたくても読書時間の確保が難しくて、ついつい「積ん読」になっていませんか?かく言う私は電子書籍に「溜め読」してしまっています。
そこで今回は、<Flashセミナー Vol. 18>インプットを増やす速読術 に参加しました。
講師は株式会社イノーバの代表取締役の宗像淳氏。噂によると、日頃の読書量が半端ないとのこと。
その読書量は「宗像式」の速読術に支えられているそうですが、今回のセミナーではその速読術や速読のメリットを教えてくれるそうで、楽しみです!
(2021.04.21追記)YouTubeにて本セミナーのダイジェスト版が公開されました!
宗像式速読ワークショップ
前半は宗像式速読のワークショップでした。
速読の流派は主に二通りあるそうですが、宗像さんが独自に考案した速読術は、「昔ながらの速読法」をベースに、「フォトリーディング」をミックスさせたものだそうです。
練習前の読書スピードはどのくらい?
まずは、現在の読書スピードを計測。
手持ちの本の2ページを読み終えるのにかかった時間をストップウォッチで計測。そして、読んだ本の1行の文字数、1ページの行数を配布された記録シートに記入しました。
私の読書スピードは1,665文字/分でした。これがワークショップでどのように変わるのでしょうか。
ワークショップ開始
用意するもの
- メトロノーム(今回はオンラインのものを利用)
- ストップウォッチ
- 本(どんな本でもOK)
- 速読記録シート
進め方
「メトロノームのリズムに合わせて、本を見ながら目を動かす」
これをひたすら繰り返します。メトロノームのピッ・ピッ・ピッという音に合わせて、目を動かします。最初は80BPMからスタート。徐々に120→140→160→180→220→260とテンポアップしていきます。
ポイントは「読まない。内容は理解しなくてよい。」ということ。目を動かす練習をしていきます。
Step1: メトロノームのリズムに合わせて、行の1番上と1番下に目を移動
行の一番上と一番下の文字に目を動かします。
「おもむろに目を動かすだけ。読まなくて良いです。」
と、宗像さんから声をかけていただきますが、これがなかなか難しい。文字を見るとつい読んでしまいます。そこを我慢して目を動かします。上、下、上、下。
後半、速いテンポになると、読んでいるどころではなくなって、さらに上、下、と目を動かすことも間に合わなくなってきて、目が回りました。
Step2: 一行を目に収め、メトロノームのリズムに合わせて目を一行ずつスライド
次は、本から少し目を離し、一行をいっぺんに目に収めます。
そして、一行を目に収めたまま、リズムに合わせて一行ずつ目をスライドさせます。
目を横に動かすだけなので、Step1のときよりも目の移動が少なくてラクに感じました。
Step3: 二行を目に収め、メトロノームのリズムに合わせて目を二行ずつスライド
今度は二行ずつ進みます。二行ずつ目をずらしていくだけ。Step1よりもさらにぼんやり眺める感じです。「読まない」ことに慣れてきました。
Step4: 三行を目に収め、メトロノームのリズムに合わせて目を三行ずつスライド
続いて三行ずつのスライド。少し目の動きが大きくなります。
Step5:1ページを4分割、メトロノームのリズムに合わせて右上→右下→左上→左下の順に目をスライド
今度はページを4つにブロック分けして、目をブロックごとに動かします。文字を追うのではなく、ページを眺める、という感覚になりました。
ペースが上がってくると、ページをめくるのが追い付かなくなりました。
Step6: 1ページを一目で収めて、メトロノームのリズムに合わせて目を1ページずつスライド
そしてとうとう、1ページを一目で収めます。こうなると、一番遅いリズムでも、ついていくのに精一杯でした。後半はもう、目の動きも手の動きも追いつけない状態でした。
速読の道の険しさに落ち込みました。
練習後、読書スピードはどうなった?
練習後に改めて、読書スピードを計測。
なんと! 4,757文字/分になっていました!
とはいえ、今回は目で文字を追っていただけなので、「読んだ」とは言えない状態。しかし、目を動かせたことは確かでした。
速読の上達には継続!
速読の上達には、1日15分でも20分でも継続すること。まずは2週間、時間を計測してやってみると効果があるそうです。目を動かすことで脳が活性化し、スピードに慣れれば意味もだんだんと取れるようになってくるとのこと。SNSにアップするのもおすすめなのだそうです。
速読の達人、宗像さんの本の読み方のコツ
後半は宗像さんから、本の読み方のコツについてのお話がありました。
速読の敵は「頭の中の音読」
普段の読書のスピードは、音読に引っ張られています。音読のペースでゆっくり読もうとするのは、理解するため。でも、ゆっくり読んだからといって理解しているのでしょうか。
一気に読んで、この本は何が言いたいのかを考えた方が、記憶に残ったりアイデアが沸いてきたりします。本は一冊で塊なので、一気に読み切れる読書は意味があります。
本はA4一枚のレジュメから始まる。その大事な1%を理解すればOK。
本を出版するときには、A4一枚に内容をまとめるところから始まります。つまり、本の大切な部分はA4一枚程度。一文字一文字を追うのではなく、割り切って読みましょう。
目次・前書き・あとがきは大切
本の中で大切なのは、「目次」と「前書き」と「あとがき」。
この3つを見てピンと来ない場合には、買ったとしても読まずに捨てた方が良いです。
読書で人生が変わる。
主従を変えて、自分を主役にして読みましょう。思考が行動を生み、行動が習慣を生み、習慣が人生を作ります。人生を良くするための読書をしましょう。
本当にいい本は繰り返して読む。
一冊に5時間かけるのではなく、15分読みを5回繰り返しましょう。
いい情報は本にある。
インターネットで情報が出回っていますが、いい情報は本にあるもの。
インターネット時代は学び続ける時代です。たいていの疑問や悩みは本に書いてあります。
難しい哲学書も宗教書も、何度も読み返すと、読める範囲が拡がってきます。
速読をマスターして、繰り返し読むのが良いでしょう。
実務書は、翻訳本が圧倒的に良い。
実務書は翻訳本が圧倒的に良いです。
ゲルマン民族は言語化が得意なので、翻訳本を買う癖をつけると良いと思います。
英語より日本語の方が速読しやすい。
英語の速読もできますが、日本語の方が速読に向いています。
日本語は、ひらがな、カタカナ、漢字で成り立っていますが、大事なのは漢字の熟語とカタカナのキーワード。主に実務書はそれを拾って読めばなんとなく意味が入ってきます。
速読の達人、宗像さんへの質問タイム
小説や文学作品は速読できますか?
小説などは速読すると楽しめないし、ストレスがたまりがちです。時間はないけど小説を読みたい、という場合は、セリフのところだけ丁寧に読むことをおすすめします。
紙の書籍だけでなく、電子書籍でも速読できますか?
両方できます。ただ、試してみたところ、紙の方が早く読めます。
図表があるときの速読はどうしたらよいでしょうか?
図表は大切な情報だから載っているものです。先に図表だけ見たり、読み返しても良いです。
セミナーの参加を終えて
短時間で読書スピードが上がったのは驚きました。また、セミナーの参加者たちが読書スピードの変化に興奮しているのが伝わってきて、オンラインのセミナーとは思えない盛り上がりや一体感を味わえて楽しかったです。
また、後半の宗像氏の読書観がとても興味深かったです。本への愛があふれていました。
速読はこれからもマイペースでトライしてみようと思います。