SFAツールは魔法の道具ではない!ツールを導入前に実施すべき具体的なポイントとは

こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。

営業担当が抱える商談の状況を見える化し、把握、管理できるようにすることで、より効率的・効果的に営業活動を実施するためのSFA。
「競合他社も導入したと聞くし、そろそろ自社もSFAツールの導入を実施しなければ」と検討している経営者様は多いのではないでしょうか?

しかし、SFAツールは魔法の道具ではありません。
今回は、そんなSFAツールを導入する前に実施すべき具体的なポイントについて、解説いたします。

営業生産性の向上を目指して、SFAツールの導入を検討している企業様は、ぜひご一読ください。

目次

SFAツールは魔法の道具ではない

「競合他社も導入したと聞くし、そろそろ自社もSFAツールの導入を実施しなければ」と検討している経営者様は多いのではないでしょうか?
弊社にも、「セールスフォース社のSales Cloudを導入したいのだが、どのように進めれば良いか?」というようなご相談が数多く寄せられます。

そんな企業様に弊社がまずお伝えをするのが、「SFAツールは魔法の道具ではないですよ」ということです。
しばしば、「ツールを導入すれば、営業効率が上がる」というように勘違いをしている企業様がいらっしゃいますが、残念ながらそんなことはありえません。ツールは単なるツールです。そのツールを使いこなすための土台がなければ、何の意味もありません。

ツール導入の前に実施すべきこと

弊社ではSFAツールの導入に関するコンサルティングを実施する際、ツールを導入する前に、まずはExcel記入などの手動運用で半年〜1年程度、商談管理を実施してみるようにアドバイスをしています。
社内で定例会などを実施し、各営業担当が抱える商談の数を把握して、週次や月次で予定と実績をExcelの表に記入をしていってもらいます。具体的には、商談毎に以下の項目を表にして記入をしていきます。

・商談名
・商談相手の企業名
・商談相手の名前
・自社の営業担当者
・受注予定日
・受注予定金額
・競合情報(商談相手が他社も検討しているか、その他社はどこかなど)
・商談フェーズ(情報収集段階、提案段階、見積段階、最終検討段階、受注、失注などの商談の段階)

非常に泥臭い地味な作業ではありますが、まずはこれらの情報を各営業担当がExcelに記入をするという業務プロセスを徹底します。
大したことではないように感じるかもしれませんが、実際に実施をしてみると、これがなかなか大変です。
普段忙しくお客様対応をしている営業担当に対して、ただ単純に「上記フォーマットでExcelに記入しなさい」と命令を出しても、「緊急対応で後回しになってしまいました」「忙しくて実施するのを失念していました」など、様々な理由で実施をしてもらえないケースがほとんどです。

きちんと情報を記入してもらうためには、経営層からしっかりとメッセージを発信して、いかにその情報を記入することが会社にとって重要なのかを丁寧に伝え、営業担当一人一人の意識を高めた上で普段の通常業務の一環として自然に記入できるようになるまで、業務プロセスを確立することが大切です。

数値を把握した上で議論すべきこと

Excelに数値データが正確に記入されるようになったとしても、それだけでは十分ではありません。

次に、それらの数値を基に「どのような議論をして営業成果の向上につなげるのか」が重要になります。
ただ単純に、予定と実績の数値を眺めているだけでは意味がありません。それらのデータを基に、より効果的・効率的に営業活動を実施するためには、どのようなことをすればいいのか、ディスカッションをすることが大切です。

とはいえ、今まで「商談管理」というような企業文化が無かった企業様においては、いきなり自由にディスカッションをしても、なかなか議論が効率的に進まないというケースが多いです。
そのような場合に弊社では、まずは営業定例などの場で、各営業担当から以下の項目を発表してもらう形で会議を進めるようにアドバイスしています。

・商談フェーズを先に進めるために、ネクストステップは具体的にいつまでに何をすべきか?

・商談フェーズが停滞している理由は何か?(金額?提案内容?など)

・商談相手は受注に向けて最適な人物か?(その相手は購入意思決定の権限を持っているか?)

・商談相手の企業のビジネスをきちんと理解しているか?(商談相手はどのようなニーズを持っているのか、どんな課題解決をしたくて自社の商品やサービス購入を検討しているのか)

・競合と比較した際の自社の商品やサービスの優位性は何か?(一般論ではなく、商談相手の状況に合わせて優位性を考える)

商談に関する予定と実績の数値が記入されたExcel管理表を見ながら、上記の議論を実施することで、営業会議の場において非常に効率的に前向きな議論ができるようになるので、ぜひ実施をしてみてください。

業務プロセスの確立や企業文化の醸成が最も重要

ここまでできるようになったら、ようやくSFAツールの導入を検討しましょう。前述のセールスフォース社の「Sales Cloud」や、Microsoft社の「Dynamics 365」など、世の中には様々なSFAツールがあるので、それぞれの特徴を調べながら、自社に合ったツールを選定します。

ただ、弊社としては「ツールはどれでも良い」というのが実は正直な所です。それよりも、事前の業務プロセスの確立や企業文化の醸成の方が何倍も重要です。
業務プロセスの確立や企業文化の醸成がしっかりできていれば、どのSFAツールを使っても成果は出ます。逆に言えば、それらができていない中でSFAツールを導入してもうまくいくことは絶対にありえません。

みなさまも焦ってSFAツールを導入する前に、まずはしっかりと段階を踏むようにしてください。そうすれば、きっと効果的にSFAツールを使いこなすことができ、更なる売上の向上につながるはずです!

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この記事を書いた人

株式会社ピージェーエージェント代表取締役。中央大学理工学部卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社に入社。IT・WEBを活用したデジタルマーケティングに関する法人企業向けコンサルティング業務に従事。顧客の購買プロセスに基づいたマーケティングシナリオ設計、メールマーケティングを基軸としたCRMコンサルティング等、法人企業の売上向上に寄与するコンサルタントとして活躍。その後、2016年、株式会社ピージェーエージェントを設立、代表取締役に就任。ブランド戦略の立案を強みとして、ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している。

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