最後のもうひと工夫が差を生む!?サンクスページを改良しよう

こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。

商品購入完了者やフォームの送信完了者に対して、手続き完了をお知らせするための「サンクスページ」。
あなたの会社は、このサンクスページを戦略的に作っていますか?特に何も考えずに当たり障りのないサンクスページにしてしまっていませんか?

今回は、サンクスページの改良によって、売上向上などビジネスをさらに前進させるためのポイントについて、解説いたします。
競合他社との差別化をするための新たな武器が欲しいと考えている方は、ぜひご一読ください。

目次

サンクスページとは

サンクスページとは、ウェブサイト上で商品の購入やフォームの送信が完了した際に閲覧者に表示されるウェブページのことです。
例えば、ECサイトなどで商品購入後に「ご購入ありがとうございました」というようなメッセージが表示されるページ、あるいはコーポレートサイトなどで問い合わせフォームの送信完了後に「お問い合せありがとうございます」というようなメッセージが表示されるページのことを指します。
サンクスページは、商品購入やフォーム送信など特定の目的が達成された最終段階で表示されるページのため、基本的には離脱率が高くなる傾向があります。閲覧者が「はい、これで終わりね」ということでサイトを離れてしまうというというのは、ごく自然なことかと思います。
しかし、工夫次第でサンクスページの離脱率を改善し、更なる売上や顧客満足度の向上に役立てることができます。

サンクスページにおけるNG行為

そもそもサンクスページがない

そもそも、「問い合わせフォーム」や「資料ダウンロードフォーム」などの送信完了後のサンクスページを用意していない企業様を見かけることがありますが、それはあまりお勧めではありません。
サンクスページには、閲覧者に対して「間違いなく受け付けました」という安心感を与えるという重要な効果があります。サンクスページが無く、フォーム送信後もそのままそのページに留まっているような動線の場合、閲覧者は無意識に不安を感じるかもしれません。閲覧者にネガティブな感情を与えかねませんので、面倒がらずにしっかりとサンクスページを用意して、閲覧者との信頼関係を築く努力をしましょう。

検索エンジンにひっかかってしまっている

サンクスページは、商品購入完了者やフォーム送信完了者のみに限定して表示させたいページです。そのため、検索エンジンで検索しても表示されないような設定にする必要があります。もし、この設定を忘れてしまうと、誰でも検索エンジン経由でサンクスページにたどり着けるようになってしまい、そもそもの趣旨とズレてしまうため、忘れずに設定するようにしましょう。
検索エンジンで検索しても表示されないようにする設定は、「noindex・nofollow設定」と呼ばれるものです。ここでは設定方法まで詳しく解説することはできませんが、「サンクスページは検索エンジンで検索しても表示されないようにする」ということを、まずは頭に入れておいていただければと思います。

「ありがとうございました」という内容しか書いていない

ただ事務的に「注文確認」や「感謝を伝える」だけのサンクスページは、売上向上のチャンスを逃している、少しもったいない状態だと言えます。
サンクスページを単なる手続き完了通知の場以上のものとして捉えて、お客様にメッセージを届けることができる貴重な場だと考え方を改めると、どのような内容を記載した方が良いかというアイデアが色々と思い浮かぶのではないでしょうか。後ほど具体例をご紹介しますが、例えばクーポンの配布や関連商品の訴求など、サンクスページ起点で更なる売上や顧客満足度の向上につなげる努力をすることが肝要です。

サンクスページを改良する際の手順

1:顧客像を想像する

まずは、サンクスページを見ている人物の顧客像を想像しましょう。
あなたの会社のサンクスページを見ている人物は、どのような人でしょうか?どのような心理状態でしょうか?どのような行動を経て、サンクスページにたどり着いたのでしょうか?
以前の記事で、顧客像を想像するための具体的な方法をお伝えしましたが、改めて一度ゆっくり時間を取って考えてみましょう。「わざわざそんなことをしなくてもいいよ」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、この「顧客像を想像する」というプロセスを経ることで、マーケティング施策がよりエッジの立った効果的なものになります。ぜひ、社内関係者で話し合いながら、しっかりと考えてみてください。

2:その顧客像にどのような行動をして欲しいかを明確にする

次に実施すべきことは、その顧客像がサンクスページを閲覧している際にどのような行動をして欲しいかを明確にすることです。
例えば、商品購入後のサンクスページであれば、「別の関連商品も見て行って欲しい」「その商品をSNSでシェアして欲しい」などが挙げられるのではないでしょうか。もしくは、資料ダウンロードフォーム送信後のサンクスページであれば、「ついでに製品デモのリクエストをして欲しい」「導入事例ページも見て行って欲しい」などでしょうか。
離脱しようとしている閲覧者に対して、「ちょっと待って!せっかくだからこんなことをしてもらえませんか?」と声をかけるとしたら、どんなお願いをしたいかという観点で考えてみましょう。

3:その行動を促すために最適な構成、記載内容を考える

どのような行動をして欲しいかが明確になったら、その行動を促すためにはサンクスページをどのような構成にすべきか、どのような記載をすべきかを考えます。
サンクスページの閲覧者が自然と「あ、これもやっておいた方がよいな」と感じて、こちらが期待する行動をとってくれるように、サンクスページ全体の構成やデザイン、色合いなどを工夫します。直観的で分かりやすいコール・トゥ・アクション(CTA)ボタンなどを配置することも有用です。
また、ただ単純に「やってください」と依頼をするだけではなく、その行動をすることで閲覧者にどんなメリットがあるのかを意識して記載するようにしましょう。その際は、以前の記事でもお伝えをした「情緒的価値」を意識した文章にすると、より閲覧者に刺さるメッセージにすることができます。

サンクスページに記載する内容の例

サンクスページを改良する際に、具体的にどのような内容を記載すれば良いかのアイデアがなかなか思い浮かばないという方もいらっしゃると思います。ここでは、弊社が普段よく実施をするいくつかの具体例を参考までにご紹介いたします。

BtoC企業の場合

クーポン配布

サンクスページでの「クーポン配布」は、感謝の気持ちを表現すると共に、次の商品購入にもつなげることができる、王道のマーケティング手法です。
次回の購入時に利用することができる特別な割引クーポンなどを配布することで、閲覧者との関係性をより強化することが可能です。また、クーポンに利用期限を設けることで、「せっかくなのでクーポンを使わなければ」ということで、再購入率が上がるという効果も期待できます。

関連商品へのリンク付け

関連商品へのリンクを付けることも、マーケティング施策としては非常に有用です。
購入した商品と関連性の高い商品へのリンクを付けて紹介することで、いわゆる「クロスセル」「アップセル」を狙います。
また、たとえその場ですぐに購入をしてもらえなかったとしても、「あ、こんな商品もあるんだ」「また今度買ってみようかな」などと興味を持ってもらうきっかけとしても効果的です。

SNSシェアを促す

昨今のビジネスにおいては、SNSをいかにうまく活用するかが売上を大きく左右する要素の一つになっています。
購入直後で気持ちが高まっている閲覧者に対して、その商品をSNSでシェアしてもらえるように促すことで、SNSを通じての認知拡大や新規顧客の獲得が期待できます。また、SNSシェアが実施される率を高めるために、シェアを実施した方に対しての特典やプレゼントなどのお礼を用意することも有用です。

メルマガ登録やSNSフォローを促す

商品購入完了してすぐにその閲覧者との関係性が終わってしまうのは、ビジネス的には非常にもったいないことです。今後も継続的につながりを保ち続けるために、メルマガ登録やSNSのフォローを促しましょう。
メルマガ登録やSNSフォローを実施してもらえれば、商品購入完了後も継続的にお得な情報や新商品のアナウンスなどの有用なコンテンツを届けることができます。

BtoB企業の場合

営業アポを促す

「資料ダウンロードフォーム」などの送信完了者をそのまま放っておくと、「あぁ、参考になったな、勉強になったな」で終わってしまい、なかなか営業面談につながらないというケースが多くあります。そのような状況を避けるために、フォーム送信完了後のサンクスページに「製品デモの受付」や「営業担当者との面談の受付」など、何かしらの営業アポにつなげるような動線を加える工夫をしましょう。

関連コンテンツへのリンク付け

商品説明、導入事例、お客様の声、商品カタログ、お役立ち資料、コラム・ブログ記事、オンラインセミナー等、あなたの会社のウェブサイトには様々なコンテンツがあるのではないでしょうか。
送信完了したフォームの内容に応じて、サンクスページ内にそれらの関連コンテンツへのリンクを設置しておくことで、「こんな情報があるなら見てみよう」と閲覧者の回遊を促すことができます。商品やサービスへの理解を深めて、興味関心を高めるという効果を狙うことが可能です。

動画コンテンツを置く

商品の内容が複雑になりがちなBtoB企業においては「営業担当者がしっかりと対面で説明をしないと、文章だけでは内容が伝わらない」ということも多いのではないでしょうか。しかし、「売り込まれそう」という心理的障壁もあり、なかなか営業担当者面談まで進んでくれる見込顧客は少ないのも事実です。
そこで、力を発揮するのが「動画コンテンツ」です。動画を使って商品やサービスの説明をすることで、文章だけでの説明よりもさらに理解を促進することが可能です。そんな「動画コンテンツ」を作成してサンクスページに設置しておくことで、「まだ営業さんに連絡するほど、検討が進んでいないんだよな」というような閲覧者に対しても、商品についてしっかりと理解を深めてもらうきっかけを作ることができます。

最後のもうひと工夫が差を生む

サンクスページの改良は、ビジネスに必ずプラスの効果をもたらします。最後のもうひと工夫で、「単なる事務的な手続き完了連絡の場」から「お客様との結びつきを強化して、さらなる売上向上につなげる場」に生まれ変わります。多くの会社があまり力を入れずに見落としがちな場所だからこそ、競合他社との差別化のチャンスがある場所でもあります。
あなたもぜひ、サンクスページの改良に取り組んでみてください。きっと、あなたの会社にとって強力な武器の一つになるはずです!

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

株式会社ピージェーエージェント代表取締役。中央大学理工学部卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社に入社。IT・WEBを活用したデジタルマーケティングに関する法人企業向けコンサルティング業務に従事。顧客の購買プロセスに基づいたマーケティングシナリオ設計、メールマーケティングを基軸としたCRMコンサルティング等、法人企業の売上向上に寄与するコンサルタントとして活躍。その後、2016年、株式会社ピージェーエージェントを設立、代表取締役に就任。ブランド戦略の立案を強みとして、ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している。

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