株式会社まぼろしの益子貴寛です。
一定規模以上の企業サイトやB2Cサイトでは、FAQ(よくある質問と回答)を公開しているところが多いものです。FAQは「消費者の自己解決の支援」という大きな役割があり、顧客満足の向上、問い合わせコストの低減といった具体的な効果が期待できます。
さて、今回紹介したいのが、京都・湯の花温泉 翠泉(すいせん)の「改善しました」というページ。宿泊施設として、来客者から寄せられた改善要望を、どのように実施したかを公開しているページです。
グローバルナビゲーションを見てみると、一番右に「改善しました」へのリンクが置かれており、重要なページのひとつとして扱っていることがわかります。中身に目を移すと、「お部屋」「お風呂」「館内」の3つの要望について、計100以上の改善報告が掲載されています。
顧客からの要望を実際の業務改善に活かし、適切なものはウェブサイトのFAQにも掲載する、というところは多いでしょう。しかし、このように、要望そのものや改善報告をまとめて掲載するページを用意するのは、かなり新鮮です。
要望を出した本人の満足につながり、「また泊まりたい」と思ってくれる可能性が高まることはもちろん、宿泊経験のあるほかの人にも、宿が継続的によくなっていることが伝わります。さらに、宿泊経験がない人には、顧客満足に真摯に向き合っている姿勢が伝わることで、来客動機のひとつになるはずです。
まとめ
系列の旅館で、京小宿・八坂ゆとね、京小宿・室町ゆとねでも「改善しました」のページが公開されています。
ここで気をつけたいのは、ウェブサイトでこのようなコンテンツを公開するには、顧客からの要望を徹底的に業務改善に活かそうという強い決意、社内理解の醸成、そして実際の改善へとつなげる行動力です。
私たちウェブづくりに関わる人間としては、このようなコンテンツの存在をクライアント企業に教えることで、よりよい業務改善のイメージを示すこと、決意や行動を後押しして差し上げることが大切だと思っています。