2022年版 ウェブ解析士修了レポートの書き方

※2022/1/31 2022年版の内容に改定※内容は2021と同じなので、年度記述のみ変更
※2022/4/27 フォームの変更に伴い、目標到達プロセスのキャプチャ変更
※2022/8/2 サイトリニューアルに伴い、目標到達プロセスのキャプチャ変更
こんにちは。ウェブ解析士エキスパート委員会、委員長のウェブ解析士マスター 佐々木 秀憲と申します。

ウェブ解析士認定試験には、合格後に Google アナリティクスを利用した修了レポートの提出が義務づけられています。そのレポートの内容を決めたり、実務でも使えるレポート作成について深める講座「Google アナリティクス講座」のカリキュラムを決めているのが「ウェブ解析士カリキュラム部 エキスパート委員会」です。

ウェブ解析を行うにあたって、Google アナリティクスは基本的なツールのひとつですし、ウェブ解析士認定講座でも Google アナリティクスについて触れますが、実技までは行ないません。

そこでウェブ解析士の修了レポートでは、下記の3点を目的としています。

  • ウェブ解析をするための「レポート」のイメージをつける
  • ウェブ解析で最も多く利用されているツールである「Google アナリティクス」に触れ、最低限の操作ができるようになる
  • データを見て、「仮説検証」「問題発見」「対策立案」について考え、コメントができるよう練習をする

つまり、「ウェブ解析士」を名乗るからには、自分の目で見て確かめ、手を動かしてデータを扱い、自分なりに考えて提案するという一連の実技をカバーするものです。

上記目的の通り、「落とすためのレポート」というよりは、「しっかりと実務につなげて頂くためのレポート」になりますので、
こちらの記事で「ウェブ解析士の修了レポートの作り方」をフォローいたします。
目次を参考にわからなくなった部分を確認するためにもご利用ください。

なお、今回の記事では最低限の説明にとどめますが、「Google アナリティクス講座(UA)」では、Google アナリティクスやレポートの書き方についてもっと掘り下げて詳細に解説しておりますので、初めて Google アナリティクスに触れるという方や基本的なレポート作成の方法を身につけたい方は、ぜひGoogle アナリティクス講座の受講をご検討ください。

目次

事前準備編

レポートを作成するためには、分析対象となる Google アナリティクスの閲覧権限と、レポートを記載するためのテンプレートを手に入れる必要があります。

以下より、ひとつずつご説明します。

1. レポート作成に必要なGoogle アナリティクスの権限を取得する

ウェブ解析士協会の Google アナリティクスデータを分析してレポートを作成していきますが、まずは Google アナリティクスの閲覧権限を取得しましょう。試験を受験した主催者に Google アカウントを伝え、閲覧権限の付与を依頼してください。

Google アカウントは、通常は「@gmail.com」のメールアドレスですが、設定によってはご自身の会社メールアドレス等の場合もあります。アカウントをお持ちかどうかは、既存のアカウントを確認する – Google アカウント ヘルプ に沿ってご確認ください。
もし Google アカウントがない場合は、 Google アカウントの作成 より作成ください。(無料にて作成可能です)

また企業で受験をされている場合などは、レポート用のアカウントが配布されている場合もありますので、レポートについての案内を確認し、指示に従って下さい。

※再受験などですでに閲覧権限が付与されており、「View for WAC Reporting – v3」というビューが閲覧できている場合は問題ありませんので、次に進んでください。

2. Google アナリティクスへのログイン

Google アナリティクスへログインします。https://www.google.com/intl/ja_jp/analytics/ にアクセスしたら真ん中の「Sign in to Google Marketing Platform」をクリックし、「ログイン」をしましょう。
※メールアドレスを入力後、パスワード入力の画面になります。

その後、出てきた「Google Marketing Platform」画面にて、「アナリティクス」の「設定」というボタンをクリックすると、
実際のGoogle アナリティクスの画面に入ることができます。

ログイン後に「Google アナリティクスの使用を開始」という画面が出る場合

既に Gmail などのサービスでログインしている場合は、以下のような画面が表示される可能性があります。

Google アナリティクスを初めて利用する場合の画面

その場合、一度現在の Google アカウントをログアウトし(右上のアイコンをクリックし、出てきたメニュー最下部の「ログアウト」をクリック)、レポート用に権限付与を依頼したアカウント(メールアドレス)でログインを行ってください。(Google アナリティクスの閲覧権限が1つもない場合、上記表記となります。)

レポートに使用するビューを確認

レポートを作成するためには、決められた「ビュー」のデータを確認する必要があります。この記事で深くは触れませんので、構造についてはGoogle アナリティクス講座を受講いただくか、以下のヘルプをご確認ください。

参考:アカウント、ユーザー、プロパティ、ビューの階層構造 – アナリティクス ヘルプ

Google アナリティクスにログイン後、閲覧する Google アナリティクスがレポート用だけの場合など、画面の左上に記載の情報が以下のようになっていれば問題ありません。

すべてのアカウント > Master – waca.associates2
View for WAC Reporting – v3

Google アナリティクスビューの確認

もし図のようになっていない場合は、画面の左上をクリックして

  • アカウント:WACAウェブ解析士
  • プロパティ:Master – waca.associates2
  • ビュー:View for WAC Reporting – v3

を選択してください。

ビュー選択

この Google アナリティクスの画面は、この後のレポート作成中ずっと利用しますので、誤って閉じないようにしましょう。

3. レポートテンプレートをダウンロード

まずは、https://bit.ly/3Hx5StTから修了レポートのテンプレートをダウンロードもしくはコピーをしてください。

【ダウンロード】ExcelやOffice代替ソフトで作成する場合は、ダウンロードしてください。
【コピー】Google スプレッドシートで作成する場合は、コピーをして下さい。

【ダウンロードの場合】以下のような画面になりますので、左上のファイル>ダウンロード>をクリックすると、エクセルがダウンロードされます。

ダウンロードされたエクセルファイルは、以下のようなものです。

【コピーの場合】以下のように、ファイル>コピーを作成をクリックすると、ご自身のGoogle アカウントに紐づく、Google ドライブにコピーが作成されます。
※Google アカウントでログインをしていない場合、「コピーを作成」が表示されません。ログインを行ってください。

以下、Excelダウンロードを前提に話は進みますが、操作感としてはほぼ同様ですので、適宜読み替えながら進めてください。

ダウンロードしたファイルの名前は「初級レポート-WACxxxxxxxx(受験番号)」のように、ご自身の「WAC」から始まる受験番号を記載したファイル名に変更してください(例えば「初級レポート-WAC12345678.xlsx」となります)。

さて、これで事前準備として

  • Google アナリティクスのレポート用のビューを表示
  • レポートテンプレートのエクセルをダウンロード

ができました。このエクセルファイルを編集し、早速レポート作成を進めていきましょう。

※こちらのファイルはMicrosoftのExcelにて作成されていますが、無料のオフィスソフト、もしくはGoogle スプレッドシートでも編集可能です。Excelをお使いになれる環境が無い方は、代替アプリケーションにて編集して下さい。

レポート作成編

レポートは、「シラバス」「表紙」「ビジネス解析ⅰ」「ビジネス解析ⅱ」「マーケティング解析」「アクセス解析ⅰ」「アクセス解析ⅱ」「提案」の8つのシートで構成されています。

レポートシート

最初の「シラバス」にある作成時の注意点も参考にしてください。皆さんは、「表紙」〜「提案」の7シートに対して記入をしていきます。

レポート作成① − 表紙

表紙に限りませんが、レポート内では「黄色い背景セル」が皆さんの記入すべき項目です。すべて入力し、黄色いセルがなくなるようにしてください。灰色になっているセルは提出後に講師が記入しますので、入力は不要です。
※書式がうまく反映されず、黄色のままになってしまう事があります。きちんと入力がされていれば採点上問題ありません。

まずは、

  • 受験日(試験を受験した日)
  • 提出日(レポートを提出した日)
  • WAC番号(「WAC」から始まる8桁の番号)
  • 名前

を入力します。

次の「解析対象期間」は受験日の前月1日から前月最終日を対象とします。例えば、2022年4月に受験をした場合には、前月は2022年3月なので、「開始時期:2022/3/1、終了時期:2022/3/31」となります。

レポート作成② − ビジネス解析ⅰ

最初のレポートは、「ビジネス解析ⅰ」です。こちらでは、ウェブ解析士協会のサイトを見た上で、「どのようなユーザーをターゲットとしているか」を考えて頂くレポートです。
想定されるユーザー像を、ペルソナとしてまとめていきましょう。

まずは、ウェブ解析士協会サイトを確認し、「どのようなユーザーがターゲットか」を考えてみましょう。

1. デモグラフィックデータを記入する

ターゲットユーザーのイメージが出来たら、まず「デモグラフィックデータ」を記入していきます。

記載方法は、2022年のウェブ解析士テキストのP.126〜127などを参考にしてみてください。

名前:山田 太郎さんなどではなく、なるべくリアルな、実在しそうな名前を決めましょう。
年齢・性別 ・居住地・家族構成・会社名・業種:こちらも、なるべく実在しそうなユーザーのプロフィールを記載します。
平日・休日の過ごし方とインターネットの利用シーン:ウェブ解析士協会や、協会サイトにどのように接点を持つ可能性があるか?を導きだすために、こちらも、実在しそうなものを考えてみましょう。

2. サイコグラフィックデータ

次に、「サイコグラフィックデータ」を記入します。

性格・価値観・趣味・嗜好・興味関心・悩み課題・好きなブランドとその理由:こちらも、ターゲットユーザーにどのような訴求が効果的なのか?などを考えるために、思いつく限り詳細に書いてみましょう。
サイト訪問方法・サイト訪問理由・比較している競合ブランド・サイトで満足した内容・サイトで不満に思う内容:ここで、改めて今考えているペルソナ(ターゲットユーザー)の気持ちになり、どのようなサイトや商品を競合と考えているか?など、具体的に書いてみましょう。

レポート作成③− ビジネス解析ⅱ

ビジネス解析ⅱでは、ウェブ解析士協会が置かれている、ビジネス環境について3C分析をしていきます。(2022年ウェブ解析士テキストP.89参照)

競合社の選択理由:競合をどこと捉えるかは、自社を「何事業と捉えるか」と同義です。
なぜ、その企業を競合と置いたのか、理由を記載してください。
自社・競合名:競合名を記載してください。(複数ある場合は2つ記載ください)
顧客:先程のビジネス解析ⅰも踏まえつつ、顧客は誰で、どのような悩みやニーズを抱えているかを洗い出します。
競合:同じ顧客をターゲットとする競合が、どのような強みや特殊性を持ってビジネスをしているかを洗い出します。
その際、「直接競合」と「間接競合」を意識し、また弱みと言える部分(自社にとっての攻めどころ)も洗い出しましょう。
自社:自社の強み・独自性は何か?それを生み出す資源は何かを洗い出します。
気づいた点・コメント:上記、3C分析を実施してみた上で、どのようなことに気づいたかをまとめましょう。

レポート作成④− マーケティング解析

マーケティング解析では、Google トレンドを利用し、フレーズを調査して頂きます。

調査したフレーズ:ウェブ解析士協会が今後狙っていくべきキーワードを最大5つ決めます。
フレーズを選択した理由:なぜ、そのキーワードがウェブ解析士協会にとって、重要だと判断したのか、理由を記載します。
調査結果のURL:Google トレンドで、実際にキーワード調査をした際のURLを記載します。(後述)
画面のキャプチャー:Google トレンドのキーワード調査画面をキャプチャーし、貼り付けます。(後述)
気づいた点・コメント:上記、実際にキーワード調査をしてみての、気づきをまとめましょう。

以下、簡単にGoogle トレンドの使い方を説明します。

Google トレンドにアクセスします。


②以下の図のように、検索窓があるので、まず1つめのキーワードを入力し、検索します。(Enter)


③以下のような画面になります。「+比較」で最大5つまで同時にキーワードを比較出来ます。

また、必要に応じ、「日本」(地域を選択)、「過去12ヶ月間」(期間を選択)、「すべてのカテゴリ」(固有名詞等で、カテゴリを絞り込みたい場合)、「ウェブ検索」(画像検索やYouTube検索に変更可能)を操作してください。

④調査結果URLとキャプチャー画像の貼り付け

上記画像を参考に、同様の画面キャプチャーを撮影し、Excelに貼り付けてください。
また、調査結果URLは、上記画像の赤丸に該当する部分のURLを、コピーして貼り付けてください。

レポート作成⑤ − アクセス解析ⅰ

次に、アクセス解析を実施して行きます。ここからは、Google アナリティクスを利用していきます。
記入欄は、上記画像のように縦長になっています。下部の項目を記入し忘れないようにしましょう。

1. サイト全体の基礎数値

サイト全体の基本的なデータは、ユーザーの概要レポート内にあります。まずは下図を参考に、左側メニューから「ユーザー > 概要」と選択し、レポートを表示しましょう。

初めてレポートを開く際には、直近1週間の期間になっていますので、レポートの対象期間である「直近1ヶ月」に指定し直してください

レポート右上の日付部分をクリックすると、下図のようにカレンダーが出てきます。開始日・終了日をカレンダーをクリックし選択するか、プルダウンで「先月」を選択して、最後に「適用」を押してください。
すると、レポートの報告期間が変わります。

こちらのレポート(ユーザー>概要レポート)で、「ページビュー数」「セッション数」「直帰率」「新規セッション率」「ページ/セッション」がわかります。

ただし「離脱率」だけはわかりませんので、「行動 > 概要」レポートを見て、コピー&ペーストしましょう。

2. デバイス

ここでは、デバイスごとの傾向を分析していきます。レポートは「ユーザー > モバイル > 概要」を表示してください。

ここでは、多くの情報を貼り付けるため、コピー&ペーストでは、転記ミスが発生しやすいため、
「Excel形式でエクスポート」してコピー&ペーストをしていくのですが、3点注意があります。

  1. コンバージョンを「すべての目標」に変更※重要
    デフォルトでは、コンバージョンの数値は「目標1:ウェブ解析士申し込み完了(WAC_CV)」で設定された目標に対しての数値となっていますので、こちらを「すべての目標」に変更しましょう。今回提出いただく修了レポートでは、すべてのレポートで「すべての目標」を使ってください。
  2. セッション数の降順(多いもの順)に並べ替える
    今回のデバイスレポートでは、下図のように項目名の横に上向き(昇順)もしくは下向き(降順)のマークがついている項目を基準に、並べ替えがされています。修了レポートでは「セッションの多い順」など、並び順も指定していますので、あらかじめGoogle アナリティクスの画面上で並び順を整えてから、エクスポートするようにしましょう。
  3. ダウンロードしたExcelと、貼りつけ先の修了レポートの項目に注意
    一部、書き写し不要な項目もありますので、コピー&ペーストの際には、項目名に注意しながら貼りつけてください。

では、実際にレポートをExcelでダウンロードして行きます。
下図のように、日付の上に「エクスポート」というボタンがあり、Excel形式など、形式を選択してダウンロードが可能です。(記事内では、Excelダウンロードにしますが、必要に応じスプレッドシートもご利用ください。)

実際にダウンロードされたExcelが以下です。

Excelを開いたタイミングで見える、「サマリー」シートには、データは入っていませんので、「データセット1」シートを見ます。

必要なデータは、こちらにありますが、上記3つの注意点でもお伝えしましたが、貼り付けの必要がない項目もありますので、貼り付け先のレポートの項目と良く見比べながら貼り付けましょう

3. 年齢×性別

ここでは、Google アナリティクスの「セカンダリディメンション」という機能を使っていきます。まず、基礎となる「ユーザー > ユーザー属性 > 年齢」レポートを表示します。

この段階では、「プライマリディメンション(1つめのディメンション)」に「年齢」が設定されているのみですが、下図を参考に操作をして、「セカンダリディメンション(2つめのディメンション)」に「性別」を設定し、掛け合わせ分析(クロス集計)ができるようにします。

まずは、表の上部にある「セカンダリディメンション」をクリックします。

セカンダリディメンションに設定する項目を選択するプルダウンが出ますが、目的のものは決まっていますので、虫眼鏡マークの検索フィールドに「性別」と入力してください。表示された「ユーザー > 性別」の項目をクリックします。すると、年齢×性別の組み合わせごとの数値が出ます。

データをダウンロードする前に、上図右下の「表示する行数」を、「25」や「50」など大きい数値に変更してください(今回は全体の行数が12行なので、25で良いです)。全体が表示されるようにしておかないと、ダウンロードするエクセルにも、一部のデータ(画面上に表示されていたデータ)しか入ってきません。

ここまでの操作をしたら、先程と同じように、画面右上の「エクスポート」で「Excel(xlsx)」を選択し、ダウンロードされたエクセルから必要な項目をコピー&ペーストしましょう。並び順は、特に変更していなければ問題ないかと思いますが、「セッション数の多い順」です。

ここまでで、アクセス解析ⅰの前半が終了しましたので、気づいたポイントをコメントとしてまとめておきましょう。

4.目標到達プロセス

こちらは、目標到達プロセス(コンバージョン直前の、フォーム→入力確認画面→CVまでの推移)を確認して行きます。

レポートは、「コンバージョン>目標>目標到達プロセス」レポートを利用します。
※ここでは、「すべての目標」が選択肢にないため、「目標1:ウェブ解析士申し込み完了(WAC_CV)」を利用します。

以下の図の赤丸部分と、記入例を参考に、レポートに数値を書き写します。

レポート作成⑥ − アクセス解析ⅱ

こちらのレポートも、縦長になっているため、下部のレポートの下記忘れにご注意ください。

1. チャネル分析

「集客 > すべてのトラフィック > チャネル」のレポートを元に作成していきます。

ここでは、期間だけ注意しておけば特別な操作は不要ですので、右上の「エクスポート」からエクセルをダウンロードします。
ダウンロードしたエクセルファイルを開くと下図のような項目(列)になっていますが、レポートに必要な項目のみに絞ってしまった方が扱い易いでしょう(次の表)。

※集客の状況によっては、Emailなどがなく、未入力の黄色の行が1行余る場合がありますが、データがない場合は仕方がありませんので、そのままご提出下さい。

また、レポートの一番上の行は「合計」を記入する欄になっていますので、エクセルでは下図の赤丸部分の集計数値を貼りつけるようにしましょう。

2. 参照元/メディア分析

「集客 > すべてのトラフィック > 参照元/メディア」のレポートを元に作成していきます。

こちらも期間だけ注意していただければ、特別な操作は不要ですので、右上の「エクスポート」からエクセルをダウンロードし、レポートに必要な数値をコピー&ペーストしていきます。

「チャネル」は流入元の最も大きな分類でしたが、その中身であるメディアや参照元毎に各種指標の確認ができるため、具体的にどこの流入元がどうなっているのか?を確認して、気づいた点をまとめておきましょう。

3. ランディングページ分析

「行動 > サイトコンテンツ > ランディングページ」のレポートを元に作成していきます。

こちらも期間だけ注意していただければ、特別な操作は不要ですので、右上の「エクスポート」からエクセルをダウンロードし、レポートに必要な数値をコピー&ペーストしていきます。

4. コンテンツ分析

「行動 > サイトコンテンツ > すべてのページ」のレポートを元に作成していきます。

こちらも期間だけ注意していただければ、特別な操作は不要ですので、右上の「エクスポート」からエクセルをダウンロードし、レポートに必要な数値をコピー&ペーストしていきます。ランディングページ分析では直帰率を基準にコンテンツ分析では離脱率を基準に分析をしてみると、問題点が発見しやすいです。

レポート作成⑦ − 提案

ここでは、今までデータ出しをして来た内容について分析をし、その内容を言葉でまとめます。

  • 想定していたユーザー像と問題点
    主に「ユーザー解析」のデータが参考になるかと思います。ビジネス解析ⅰで想定していたユーザー像と、実際に解析で見えてきたユーザー像との違いや問題点などを記述しましょう。
  • 仮説検証
    想定したユーザー像、もしくはあなた自身が当初想定していた「こんな数値になっているのではなかろうか?」というイメージと実際のデータとのギャップで、気になった点を書いてみましょう。
  • 問題発見
    当初の仮説にこだわらず、レポート全体の数値を見て違和感を感じたポイント、気になった点を書き出していきましょう。
  • 対策立案
    「仮説検証」や「問題発見」で気づいた改善すべきポイントを直すために「どのような事をしたら良いか?」の施策案を書きましょう。

なかなか説明ではわかりづらいので、サンプルを掲載します。参考にしてみてください。
※重要
最近、下記サンプルを言葉尻だけ変えてほぼそのまま提出される方が見受けられます。あまりにも似通っている場合には不合格としますので、しっかりとご自身で分析した言葉でご記入ください。

  • 想定していたユーザー像と問題点
    年齢×性別で見ると、25-44歳代の男性で、若手〜中堅ビジネスマンが全体の約40%を占めていると言える。次に多いのは同じく25-44歳代の女性で、約30%を占めている。女性より男性の方が10ptほど多いが、全体でも25-44歳の層だけで約70%のセッションになるので、主要ターゲットは上記層だと考えられる。
    当初の予測でも、ターゲットユーザーは若手〜中堅の、現場で実務を実施しているビジネスマンを想定していたため、大きな違和感はなかったが、就活時に学生に資格取得してもらうなど、裾野を広げる方向性でも対策が必要だと感じた。デバイスでは、デスクトップとモバイルがほぼ同等の割合となっており、移動中の情報収集なども行っているような、キャリアアップ等の志向もあるユーザーだと想定される。
  • 仮説検証
    ウェブ解析士に興味を持つきっかけとして、周りに取っている人がいて聞いたとか、取得者の名刺で資格を知り、自分も受けてみたいという方が多いイメージだったので、Organic Searchが多いのは納得だったが、コンバージョンレートが他に比べて低い点が気になった。
  • 問題発見
    トラフィックでは、Emailからの流入のコンバージョン率が4.54%と圧倒的なので、何のコンバージョンが多いのかをはっきりさせたい。また、コンテンツでは、ランディングページでもすべてのページにおいても/20276/の記事の直帰率・離脱率が高いので、早急に対応が必要そうだ。
  • 対策立案
    集客では、Emailのコンバージョン率が高く、またメインターゲットのユーザー層は仕事でメールを使っていると想定されるので、メルマガ登録フォームを作成し、ウェブ解析の用語解説を送るなど、興味のある人にメールを送る仕組みの構築が有効そう。
    コンテンツでは、「/20276/」ページの直帰率・離脱率を下げる為に、記事の右側にサイドバーを表示し、「人気記事」や「関連する記事」を表示するなどし、ユーザーが回遊しやすい導線を構築する事を提案したい。また、「/20276/」の記事に関連し、何らかの病気で出社が難しい状態でもウェブ解析の仕事なら在宅でもできるというような記事も追加し、メインターゲット層のコンバージョンに貢献するページにしたい。

上記は一例ですが、注意していただきたいポイントとしては、

  • 数値を使っているか
  • 4つの項目それぞれが関連しているか(バラバラな事を言っていないか)
  • 施策は具体的か

の3つの点に注意してコメントをしていただくと、合格しやすいです。

最後に

解説が長くなりましたが、Google アナリティクスをレポート作成に活用する一連の流れを網羅する内容となっていますので、どうぞご活用ください。もしわかりにくい箇所がありましたら、協会事務局へお問い合わせいただければ幸いです。内容を随時更新してまいります。

また、レポートの作成は採点の便宜上、Excelの使用をお願いしておりますが、実際にクライアントにレポート提出をする際には、パワーポイントのようなプレゼンテーションツールで作成することをお勧めします。表だけでなく、様々なグラフも活用し、ウェブ解析に詳しくない方でも「何が問題で」「何を改善すれば良いのか?」が伝わるレポート作成を心がけましょう。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

ウェブ解析士ナレッジ

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この記事を書いた人

2016年4月より現職。ウェブコンサルティング、ウェブ制作、ウェブ解析やGoogleアナリティクスに関する講座・セミナーを多数実施している。前職では大手求人広告企業にて、営業、企画、システム営業、納品工程、カスタマーサポートなど幅広い業務経験を生かし、BtoB企業の支援や、採用サイトの支援を得意としている。2017年より、ウェブ解析士協会レポーティング研究会委員長(現:ツールトレーニング委員会)を務める。著書「Googleデータスタジオによるレポート作成の教科書(マイナビ出版)」(共著)

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