デザイナーとして視野を広げるウェブ解析

こんにちは。ウェブ解析士マスターの関原雅人です。
愛媛を中心に初級・上級の講座を開催しております。

私は食品メーカーのハウスエージェンシーにてグラフィックデザイナーとして勤務しております。広告代理店を経て、フリーランス、そしてメーカー勤務という経歴です。

フリーランスでの活動が8年あるため、社内でデザインをするより、社外にでるのが好きなタイプのデザイナーです。現在はディレクションがメイン業務となっております。

もともとは紙の印刷物、パッケージデザインを主体とし、販促での必要性からウェブ制作や通販サイト運営に携わってきました。

今回は、デザイナーである私がウェブ解析をどのように活用しているのか、受講を考えているデザイナーの方々や、学生の方にも興味も持って頂ければと考えております。もちろんウェブ担当者の方にも読んでいただけると嬉しいです。

目次

なぜ、ウェブ解析について学びたいと思ったのか

まず、デザイナーである私が「なぜ、ウェブ解析について学びたいと思ったのか」という点です。
大きな理由は、クライアントや担当営業との同席した打ち合わせの中で、ウェブ用語でのコミュニケーションが取りづらいという問題点がありました。

  • 独学でウェブに携わってきたため、ウェブ用語の標準が確立できない。
  • クライアント、代理店、担当営業の方とウェブ用語の理解に差異を感じる。
  • 理解の違いで方針・施策の組み立てやミスが起こりうる。
  • ウェブ用語に苦手意識のあるクライアントにわかりやすい説明が難しい。

このような状況で、お互いに「このことを言っているのだろう」という曖昧なニュアンスの会話では、確認やフォローを正確に行わないと、いつ問題が起こっても不思議でありませんでした。

丁度そんな折、2011年の夏にウェブ解析士の事を知り、受講するに至りました。

手元に届いた初級ウェブ解析士テキストは、基本用語がわかりやすく解説されており、自分自身の理解を再確認でき、また、話す相手にどのように伝えるとわかりやすいかという点が読み取れる良書となっていました。
今現在は第三版となっていますが、人にわかりやすく伝えるための辞書代わりとして手元に置いております。

初めに「なぜ、ウェブ解析について学びたいと思ったのか」についてお話させて頂いたのは、デザイナーが携わるデザイン業務の依頼の前に、すでに営業担当者によって、クライアントや代理店の方とデザインの方向性が完結している場合があるからです。

デザインだけを考えるという認識になっていないか

デザイナーの方々、こんなことはありませんか?
「もう方向性が決まっているから、このデザインテイストで進めてください」と。

デザイナーがデザインだけを考えるという認識になっているため、こういったことが起こることも事実です。

デザイナーがデザインだけでないポジションに、ひとつ抜きにでるには、ウェブ解析の知識をもって、理論的にデザインコンセプトと主要要素を説明することです。デザインの見せ方に厚みがでて、さらに優れたデザイン提案をすることが可能です。

デザイナーだからカッコいいものが作りたいというというのは、デザイナー同士であれば理解できます。その前にクライアントに対して「売れる、問い合わせが多くなる、内容が見やすい・わかりやすい」といったお客様の事業の成果につながる要素を組み入れて、デザインし、成果をだすのも実績あるカッコいいデザインではないでしょうか。

デザインだけに固執してしまうのは惜しい

デザイナーがデザインワークのみをすることが、制作フローの分業化で当たり前になっておりますが、デザインだけに固執してしまうのは惜しいと考えています。

なぜなら、デザイナー特有の

  • 発想力(なにもないところから創造できる)
  • 構想力(創造したものを組み立てられる)
  • 集中力(興味のスイッチが入ると集中度が高い)

のポテンシャルは、特化できる強みだからです。

デザイナーは「少し変わった職種でしょ」という見方もあると思いますが、理系、文系、芸術系など進路が分かれる中、子どもの頃に絵を描くのが好き、パズルを組み立てるのが早かった、粘土あそびが得意だった、しかも集中して続けることができたという方が芸術系に進路を決めたという場合も多いと思います。

私自身もデザインの仕事をしておりますが、発想が面白い人たちがまわりにいるという感じでワクワクするばかりです。あとは、好きなことが仕事になったというところでしょうか。

ウェブ解析の目的は「お客様の事業の成果をあげる」こと

ウェブ解析の目的は「お客様の事業の成果をあげる」ことで、知識としてデザイナーの強みである発想力、構想力、集中力に活かすことができます。

アクセス解析だけをとらえると、デザイナーの中には数字が苦手で、データを読むのは難しそうと考える方もいらっしゃると思います。そこは分業化と割り切り、得意な方に読み取ってもらうのもよいのです。

知識として、アクセス解析のデータを活かしやすい情報として取るために、どのような手法を用いれば、データが取りやすくなるのかを考慮して、デザインできるかを考えればよいのです。考慮しているか否かで、欲しい情報に差がでてきます。

アクセス解析でコンバージョンとして扱われやすい「購入や申込」ボタンを取り上げますが、ボタンとしてきっちり認識させないと、成果につながりません。PCやタブレット端末、スマホでは、ボタンのユーザビリティが変化してくるのも考慮しないといけません。

デザイナーの強みに置き替えると、

  • 発想力(どんなボタンでどこにあると押しやすいか)
  • 構想力(ユーザーをどのように誘導していくのか)
  • 集中力(目的の進行がブレていないか)

に展開することができます。

アクセス解析だけでも活かせるポイントが多いといえます。
さらに、ウェブ解析はアクセス解析の話だけではありません。

クライアントの業務全体の流れを把握して、集客として押さえるべきポイントを見いだしていく必要があります。ウェブだけでなく、DMやテレビ、ラジオ、来店など集客に携わる要素を把握して、方針やデザインを組み立てる。
ここでは構想力が活かせます。
どのように集客するかについては、コンセプト立案で発想力が活かせます。

デザイナーがお客様の事業の成果につながるウェブ解析を知ることで、デザインや案件の方向性を決める場から参画し、クライアントや代理店の方との業務の連携をスムーズに実施することができます。

デザインだけに携わるのではなく、ウェブ解析からお客様の事業ビジョンを牽引できる力になれると信じています。

デザイナー視点のウェブ解析士が増えていき、いつかお会いしてお話ができる機会を楽しみにしております。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

フードドラマ研究所所長。神戸芸術工科大学芸術工学部卒業後、広告代理店、食品メーカーにて販促計画策定、グラフィック、ウェブ、パッケージデザインの制作・ディレクション業務に携わる。フードコーディネーターとして食シーンを想起させる商品開発、マーケティング、販促提案、撮影指導を得意とし、主に食品関連事業者の経営相談、コンサルティングを行う。日本フードコーディネーター協会理事。ITコーディネーター、ISO22000(食品安全)・ISO9001(品質)審査員補、JGAP審査員補。愛媛県知財総合支援窓口 知財専門家。愛媛6次産業化プランナー。

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