こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。
今回は、中小企業で陥りがちなケースの一つである、「ウェブサイトの放置」についてお話をいたします。ウェブサイトは一度作って終わりではありません。成果をあげるために大切な、効果的・効率的なウェブマーケティング業務運用のポイントについて解説をいたします。
仕組みを作るまでが楽しい?
弊社が中小企業のクライアント様のウェブマーケティングをご支援する中で最も意識をしていることの一つが、「日々のウェブマーケティング業務がきちんとクライアント社内に根付いて、効果的・効率的な運用が実施できるような体制・仕組みを作ること」です。
弊社でご支援をさせていただくどの企業様においても、コンルティングの開始当初は例外なく皆さんやる気が高いです。
「ウェブサイトのデザインをリニューアルしよう」「こんな読み物コンテンツを増やそう」「ソーシャルメディアを始めよう」「動画を活用しよう」「アクセス解析をしよう」「メルマガやLINE@などのCRM施策を実施しよう」「SFAやMAなどのツールを導入しよう」などなど、やりたいことが山積みです。経営者様もウェブ担当者様も、モチベーション高く積極的にウェブマーケティング活動に取り組んでいただけます。
クライアント様の状況によってまちまちではありますが、だいたい一年位の時間をかけて、それらのウェブマーケティング基盤を整えていくことが多いです。そしてウェブサイトをはじめとする一通りの基盤構築フェーズを終え、運用フェーズに入っていくのですが、ここである問題に直面する企業様がしばしばいらっしゃいます。
情熱が冷めてしまう
運用フェーズに入った企業様が直面する問題、それは「ウェブサイトの放置」です。
「ウェブサイトをほとんど更新しなくなってしまった」「ソーシャルメディアに数ヶ月投稿をしていない」「アクセス解析ツールにしばらくログインしていない」「メルマガをしばらく出していない」。基盤構築フェーズが終わった運用フェーズにおいて、顧問コンサルティングとして月に1回程度のご訪問をする中で、一定数の割合でこのようなクライアント様がいます。
当初はモチベーション高く取り組んでいたウェブマーケティング業務に対する情熱が徐々に冷めてしまい、気づいたら完全に放置してしまっているケースです。
当然、ウェブサイトを閲覧している顧客は変化を敏感に察知します。オフラインのリアルな店舗とは異なり店員さんの表情などは見えないものの、オンラインのウェブサイトであったとしても、活気の有る無しは閲覧者に伝わるものです。結果として徐々にアクセスが減ってしまい、せっかく時間と手間をかけてウェブマーケンティング基盤を整えたにも関わらず、また元の状態に戻ってしまうということも少なくありません。
ウェブマーケティング業務の見える化が大切
「ウェブサイトの放置」という問題を解消するために最も大切なことは、「日々のウェブマーケティング業務の見える化」です。
例えば、ダイエットも同じではないでしょうか。減量に取り組みはじめた当初は、誰でもやる気が高いものです。最初は頑張って食事制限をし、運動もして・・・でも、なかなか続かない。
ここで、モチベーションを維持するためには、日々の食事やトレーニングの記録をつけて後から見返すことができるようにしたり、年間のトレーニング予定を作ることが大切ですよね?ダイエット以外にも、貯金などの場合も同じことが言えるかもしれません。
ウェブマーケティングにおいても、これと同じことです。一時的な「やる気」に任せるのではなく、計画的に進めることが重要です。経営者様やウェブ担当者様のモチベーションに関係なく、効果的・効率的にウェブマーケティング業務運用が実施できるように体制・仕組みを作ることが大切です。
ウェブマーケティング業務記録をつける
最初に実施すべきことは、ウェブマーケティング業務記録をつけることです。
どんなにしっかりとしたウェブ担当者様であっても、数ヶ月経つと自分が実施した改善や施策が曖昧な記憶になり、半年・一年もすればすっかり忘れてしまうということが多いかと思います。アクセス解析データなどを対前年比で分析し、アクセスが増えたタイミングの要因を探ろうとしても、「何をしたか覚えていない」ということになってしまい、どんな施策が有効だったのかの確認することが難しくなってしまいます。そうなると、施策のPDCAを回すことができなくなり、結局その場で思いついたアイデアをただ単に実行するだけの単発施策になってしまい、社内ノウハウとしてブラッシュアップされていきません。
ウェブマーケティング業務記録は、大それたものである必要はまったくありません。Excel形式で「日付」「実施した施策(作業)」「その目的(狙い)」「効果検証結果(評価)」を一覧にして、ただ記載していくだけで十分です。
それだけでも、いつ実施したどのような施策が有効だったのか、逆にどのような施策はうまくいかなかったのかが見える化できます。また、ウェブ担当者が変更になったとしても、前任者が何をしていたのか、どのような施策の効果が高いのかといったノウハウが資産として社内に蓄積されていきます。その結果、効果的・効率的なウェブマーケティング業務運用体制が社内にできあがっていきます。
販促・コンテンツカレンダーを作成する
年間の販促・コンテンツカレンダーを作成することも重要です。「どのようなコンテンツをウェブサイトにアップするか」「ソーシャルメディアにどのような投稿をするか」「どのような販促キャンペーンを実施するか」といったようなマーケティング活動に関する年間予定を、Excel一覧にまとめていきます。
日々の忙しい業務に忙殺されてバタバタと過ごしているうちに、すぐに数ヶ月経ってしまうということはよくあります。そんな中で、事前に年間計画を立てた販促・コンテンツカレンダーがあれば、いちいち頭を悩ませる必要なく、効率的にウェブマーケティグ業務運用を行っていくことができます。
「どんな新製品がいつリリースされるのか」「どのような展示会に出る予定があるのか」「どの時期にセールを行う予定があるか」「店舗での催事はいつ実施する予定があるか」といった社内情報や、「バレンタイン」「ひな祭り」「母の日」「父の日」「ハロウィーン」「クリスマス」といった世の中の行事について、販促・コンテンツカレンダーに追記してまとめていきます。年に何回どの時期にセールを行うのか、ポイントアップキャンペーンなどの企画はいつ行うのかといったプロモーション計画を立てます。
ウェブマーケティングの一連の施策において、事前に計画を立てて準備を進めることは非常に大切です。例えば、ハロウィーンキャンペーンの場合で考えてみましょう。Google トレンドというツールを使って、「ハロウィーン」という単語が、いつ頃から検索され始めるのかを見てみてください。
8月頃から徐々に検索ボリュームが上がっていくことが分かります。つまり、10月に入ってからウェブコンテンツなどの準備をするのでは遅いということです。8月頃から自然検索で流入をしてもらえるようなウェブコンテンツを徐々に増やし、9月頃からウェブ広告を打ち始め、10月にDMやチラシ、メルマガやLINE@などで直接的なプロモーションをかける・・・といったように計画を立てて各種施策を行っていくことが必要です。
このように、ウェブマーケティングにおいては、事前にしっかりと計画を立てることが重要です。
計画的にウェブコンテンツを更新する
販促キャンペーンだけではなく、ウェブサイトに掲載するコラムやお役立ち記事などの読み物コンテンツについても、放置をせず定期的に追加できるよう、年間スケジュールを決めて計画的に更新をしていきましょう。
コンテンツアップの日時と執筆担当者を事前に決め、初稿の入稿はいつ、原稿最終FIXはいつ、コーディングはいつ、公開はいつといったように、マイルストーン毎の期日を決め、計画的に進めることが成功のポイントです。
「書ける時に書ける人が書こう」というような曖昧なルール決めで、ウェブコンテンツ制作の運用が回っている企業様は、正直一社も見たことがありません。きちんと定期的にウェブコンテンツを更新できており、閲覧者様を楽しませるようなウェブサイトが運用できている企業様は、必ずきっちりとしたウェブコンテンツ年間更新計画を事前に立てて、スケジュールに則って計画的に運用をしています。
ウェブサイトは一度作って終わりではない
ウェブサイトは一度作って終わりではありません。ウェブマーケティングにおいて最も大切なことは、継続して施策を実施して、PDCAを回し続けることです。販促キャンペーンやウェブコンテンツなど、定期的にきちんと更新を実施できている企業様の売上は必ず上がります。「継続は力なり」です。
あなたもぜひ、ウェブマーケティング活動の見える化をして、年間予定を立てて、効果的・効率的なウェブマーケティング業務運用を実施してみてください。