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マーケター思考で物事を考える
弊社のメイン事業の一つは、「マーケティングに関するコンサルティング事業」です。では、「マーケティング」とは何でしょうか?「マーケティング」とは「商品やサービスが売れる仕組みを作ること」だといわれています。顧客の価値観や消費行動の理解を通じて、売れる仕組みを作るための戦略や施策を考え、実行をし続けていく活動のことです。 より効果的なマーケティングの実現のためには、何よりも「顧客の心理を理解する」ということが大切です。日々の生活の中でも、「なぜその商品を買おうと思うのか」「なぜそのサービスを利用しようと思うのか」を顧客視点で自問自答をしながら、突き詰めて考えるクセをつけてみてください。それが「マーケター思考で物事を考える」ということです。 私は、人間が「ただ何となく」商品やサービスを買うということは、あり得ないと考えています。たとえ、本人は「ただ何となく」だと思っていたとしても、「購入をする」という行動の背景には、必ず何かしらの原因や理由が存在します。同じく「購入をしない=商品やサービスが売れない」という背景にも、必ず何かしらの原因や理由が存在します。売れない理由1:知られていない
商品やサービスが売れない理由のうち、もっとも多いのが、そもそも顧客が「その商品やサービスを知らない」ということです。 BtoC、BtoBを問わず、世の中には新商品や新サービスが常に登場しています。あなたも普段生活をしていて、次から次に新しい商品がリリースされるのを目にするのではないでしょうか? 弊社がさまざまなクライアント企業様のご支援をさせていただく中で強く感じるのは、日本の企業は「作るのが好き」ということです。逆に「売るのが苦手」とも言えるかもしれません。「もっと良い商品を作ろう」「もっと便利なサービスを作ろう」という情熱を持って、さまざまな商品やサービスをどんどん作り出していきます。 そのような状況で数多くの商品やサービスが存在する市場の中で、自社の商品やサービスを売るためには、まずは「知ってもらうこと」が第一です。これができなければ始まりません。「知ってもらう」ためのマーケティング施策のもっとも基本となるのは、シンプルにお伝えすると「広告を打つこと」です。 「広告」というと、テレビCMや雑誌広告のような、大企業が膨大な予算をかけて実施するプロモーション活動を思い浮かべる人もいるかもいるかもしれません。しかし、インターネットの普及により、昨今では、そのようなマス向けの広告手法だけではなく、細かくターゲットを絞って、低予算から始めることが可能な各種インターネット広告が存在します。例え予算の少ない中小企業様であったとしても、きちんと戦略を立てて広告を実施すれば、効果的に世の中に「知ってもらう」ことが可能です。効果的な広告実施のポイントは、「誰が買ってくれるのか(ターゲット)を明確にすること」です。膨大な予算があるのであれば、何も考えずに広くマス広告を実施すれば良いかもしれませんが、ムダに費用をかけずに効果的に広告を実施するためにも、自社の商品やサービスを深く理解した上で、適切なターゲットにだけ的を絞って広告を実施することが重要です。
売れない理由2:魅力的に感じない
商品やサービスが売れない理由の2つ目が「その商品やサービスに魅力を感じない」ということです。 前述の広告などを活用して、「何かしらのきっかけで商品やサービスを知る」という第一段階をクリアできたとしても、次に、その商品やサービスに魅力を感じてもらえなければ、残念ながら売れません。この「魅力的に感じない」という課題に直面した際に、多くの企業が実施してしまう間違った対処方法は、「商品やサービスをより良いものに改良する」ということです。もちろん、商品やサービスをより良いものに改良することもビジネスにおいては大切なことではありますが、この課題に直面している段階では、まだ顧客はその商品やサービスを利用していない状態です。つまり、まだその商品やサービスの品質を判断できる状態では無いということを理解しましょう。 この段階で実施すべき施策は、ずばり「訴求メッセージを改善すること」です。ウェブサイトやチラシなど、さまざまな顧客接点において見込顧客に商品やサービスのアピールをしていると思いますが、その際の訴求メッセージが顧客の心に刺さっていないのです。言い換えれば、商品やサービスの本当の魅力が顧客に適切に伝わっていません。訴求メッセージ改善のポイントは、「顧客のニーズを理解すること」です。人が何かしらの商品やサービスを買いたいと思う背景には、必ず「解決したい課題」が存在します。勘違いをしてはいけないのは、「機能が良いから買う」のではなく、「課題が解決できるから買う」ということです。以前の記事でもお話をしましたが、顧客の心理的な背景=「インサイト」を捉えることが非常に大切です。たとえば、上記記事の中でも解説をした「遮光カーテン」を例に出して再度お話をすると、「遮光性が高いから買う」のではなく、「防犯上安心したいから買う」「快適に熟睡したいから買う」「映画を楽しみたいから買う」「冷暖房費用を節約したいから買う」「ご近所トラブルを回避したいから買う」など、顧客ごとにさまざまなニーズ=解決したい課題があるのです。それらを正確に捉えて、「あなたのこんな課題を解決できる商品です」という表現をしてあげれば、お客様の心に刺さる訴求メッセージになります。「いかに機能が優れているか」ではなく、「どんな課題を解決できるか」に着目してアピールをするようにしましょう。