顧客との接点が多様化する時代の留意点。一貫性を持ったマーケティングの重要性!

こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。 今回は、インターネットの発達に伴って、顧客と企業との接点(チャネル)が多岐に渡る時代の中で、企業はどのようなポイントに留意するべきかについて、お話をいたします。ただやみくもにチャネルを増やすのではなく、「一貫性」を持って戦略的にマーケティングを実行することが大切です。各種ソーシャルメディアやネット広告など、これから新しいチャネルに取り組んでいこうと検討をしている企業様は、ぜひご一読ください。
目次

顧客と企業との接点(チャネル)が多岐に渡る時代

昨今、顧客と企業の接点(チャネル)は、多岐に渡ります。 ひと昔前は、テレビ・ラジオ・新聞広告・雑誌広告・営業マン・店舗・・・程度しか、チャネルは存在していませんでした。しかし、皆様も普段体感されている通り、インターネットの発達に伴って、昨今は爆発的にチャネルが増えています。 オンラインでのチャネルとしては、企業ホームページ、各種ソーシャルメディア、ネット広告、メルマガ、LINEなど、日進月歩でさまざまな新しいチャネルが生まれていますし、従来からのオフラインでのチャネルでも、営業マン、店舗、電話、お手紙、DM、展示会、セミナー、テレビ、ラジオ、新聞広告、雑誌広告、プレスリリース等々、「マルチチャネル」「オムニチャネル」という言葉が流行していることからもわかるように、数多くの種類のチャネルがあります。

各チャネルの特徴を捉えよう

各種接点(チャネル)には、それぞれ得意不得意といった特徴があります。全てにおいて万能な絶対的なチャネルというのは、当然ありません。 たとえば、同じ「広告」でも、テレビCMなどのマス広告は、商品やサービスを広く認知してもらうためには非常に有用なチャネルです。ですので、日用消費財など、全国で老若男女、できるだけ多くの幅広い層にアピールをする必要があり、消費サイクルが早いような商品やサービスをプロモーションしたいような場合に向いています。 一方、インターネット広告は、ウェブ上の行動データや、属性データなどを基にして、配信対象や訴求メッセージを絞ることができるため、特定のターゲットに対して、よりエッジの立った訴求が必要な場合などには有用でしょう。 メルマガやLINEなどは、広告とは異なり、自社が既に連絡先を把握している見込顧客にダイレクトにアプローチするチャネルです。配信対象が限られるため、「認知獲得」を目的としたプロモーションではなく、クーポンや試供品の提供など、「購入の背中を押す」ためのプロモーションを実施するためには、威力を発揮するチャネルです。 それぞれのチャネルにおけるプロモーション施策実施の際には、「認知を獲得したい」のか「購入の動機付けをしたい」のかなど、施策の「目的」をまずはっきりさせてから使い分けることが大切です。やみくもに施策を実施するのではなく、目的を持って、論理的に戦略を立てて実施することで、より効果を高めることができます。

1つのチャネルだけに集中してもダメ

チャネルが多岐に渡る昨今においては、どれか1つのチャネルだけに集中しても、なかなか思うような効果は出ません。施策の目的やターゲット顧客層を考えながら、複数のチャネルを並行して複合的に活用することが大切です。 「すごく熱心に雑誌広告は出しているが、自社のホームページは作っていない」「店舗での接客は販売員がすごく熱心に実施しているが、ソーシャルメディアはやっていない」といったような状態は、非常にもったいない状況です。雑誌広告を見た人が、ホームページに流入して閲覧してくれるかもしれませんし、店舗で対面しているお客様以外にもソーシャルメディアを通じてより多くの見込顧客とコミュニケーションが取れるかもしれません。 複数のチャネルを複合的に組み合わせながら、企業としての総合力で顧客の満足度やファン度を高める工夫をすることが重要です。

複数のチャネルを展開する際にもっとも重要なこと

複数のチャネルを複合的に組み合わせることが重要だとお話をしましたが、ただやみくもに数を増やせば良いという訳ではありません。 複数のチャネルを展開する際に、もっとも重要なことは「一貫性を持つこと」です。 各チャネルを通じて実行されるマーケティング施策は、一つのブランド戦略に基づいて、横断的に一貫性を持って実行されることが非常に重要です。「この会社(商品やサービス)って、こういう感じだよね」という顧客が頭の中に描くイメージを一貫させることが大事ということです。それによって、自社の商品やサービスの価値が、顧客に最大限伝わります。反対に、一貫性が無いマーケティング施策の実行は、イメージダウンなどの逆効果にもなりかねません。 たとえば、「ホームページでは非常に先進的かつカジュアルなデザインでアピールしているのに、展示会ではきっちりスーツを着た固い営業マンが接客している」「しっかりとした企業イメージを売りにしている会社なのに、ソーシャルメディア上でくだけた雰囲気の話題の投稿をしている」などが、「一貫性が無い」例です。「先進的かつカジュアルなデザインが良い」とか「スーツを着た固い接客が悪い」とか「くだけた雰囲気のソーシャルメディア投稿が悪い」ということでは、まったくありませんので、誤解をしないでください。どれも「良し悪し」はありません。良くないのは、「一貫性が無い」ことです。 消費者心理学の中で、「人は迷うと買わない」という説があります。 消費行動の過程で、迷いや混乱が生じると、無意識に人間は「とりあえず買わない」という選択をすることが多いと言われています。前述の例でも、「好き嫌い」とはまったく関係無く、「あれ?この会社ってどういう会社なんだろう?固い会社?フランクな会社?」と、迷いが生じますよね。そうすると、無意識のうちに「とりあえず今は買わないでいいや」となってしまうのです。複数のチャネルを展開する際には、「一貫性を持つこと」が非常に重要なのです。

大きな組織においては、より注意が必要

マーケティングの担当者が1名だけのような企業の場合には、そこまで強く意識をしなくても、一貫性は保てるかもしれません。しかし、少し大きな組織になってくると、「一貫性が無い」という問題が多発します。 たとえば、ホームページはマーケティング部が管轄ですが、プレスリリースは広報部で、展示会は営業部で、ソーシャルメディア運用は社長直轄のプロジェクトチームで・・・というように、複数部門が横断的に関わって複数のチャネルを運営するようなケースです。 このような場合、関係者全員の意識がきちんと合っておらず、各々が「こうあるべきだ」と考えて情報発信をしているために、各チャネルにおいて訴求している内容やイメージがかなりずれてきてしまうことも、しばしばあります。これでは、マーケティング施策の効果が半減してしまいます。 マーケティングとは「商品やサービスが売れる仕組みを作ること」です。「売れる=買ってもらう」ためには、顧客の「迷い」を極力少なくすることがポイントです。 「この商品はこういう雰囲気だよね」「この会社のサービスはこういうイメージだよね」と、顧客の頭の中で思い描かれるブランドイメージと合致したプロモーションを、全ての顧客接点(チャネル)において一貫性を持って実行することで、きっとより良い成果につながるはずです。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

株式会社ピージェーエージェント代表取締役。中央大学理工学部卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社に入社。IT・WEBを活用したデジタルマーケティングに関する法人企業向けコンサルティング業務に従事。顧客の購買プロセスに基づいたマーケティングシナリオ設計、メールマーケティングを基軸としたCRMコンサルティング等、法人企業の売上向上に寄与するコンサルタントとして活躍。その後、2016年、株式会社ピージェーエージェントを設立、代表取締役に就任。ブランド戦略の立案を強みとして、ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している。

目次