株式会社エフェクチュアル・取締役COOの諸橋正崇です。当社ではGoogle マイビジネスの運用支援や多店舗展開している企業向けに運用の効率化の支援をしています。また、Google マイビジネスの運用のご支援をさせていただく中でレビュー管理の重要性に着目し、2019年より「Hoshitorn(ホシトルン)」という口コミ管理サービスを提供しております。
Google マイビジネスは容易に使える機能が多くあるにもかかわらず、知らないために使っていない人が多く、非常にもったいないと思います。
あまり使っていない人に、Google マイビジネスの役立つ仕組みや機能を紹介いたします。この記事を読んで、自社や顧客のGoogle マイビジネスを実際触ってみてください。
Google マイビジネスの活用
Googleで会社名や店舗名で検索をすると、PCの場合は右側、スマホの場合はスクロール内に会社や店舗の情報、地図、写真などが表示されます。
これらの情報は「Google マイビジネス」という無料サービスで管理が可能です。「Google マイビジネス」は検索結果だけでなく「Google マップ」での表示にも連動しています。
Google マイビジネスにおけるMEO
「Google マイビジネス」では、インサイトデータを使った分析、口コミの管理や返信、自社情報の情報発信など様々なことが実施できます。また、Google マイビジネスをGoogle マップ内で上位表示させる施策として「MEO(Map Engine Optimization)」という手法も活用されるようになってきました。
スマートフォンの普及でユーザーの検索行動も変化してきており、Google マップ内で店舗情報を調べるユーザーが増加してきています。
「MEO」はGoogle マップ内で自社や自店舗のGoogle マイビジネスアカウントを上位表示させることで、露出を増やし、来店や問い合わせ、自社のブランディングにつなげる施策です。
ローカルパック
検索結果のローカル化が進む中でGoogle マップ内だけでなく、PCやスマホでGoogle 検索をするとローカルパックが表示されるようになりました。
ローカルパックとはGoogleの検索結果に表示されるGoogle マイビジネスのリストです。
ローカルパックにはGoogleマップ内で上位3件に表示されているGoogle マイビジネスアカウントが表示されます。
「MEO」でGoogle マイビジネスアカウントがローカルパックに表示されることでユーザーに露出される機会が増加します。
Goolge マイビジネスはMEO対策だけでなく様々なメディアでの露出が増えることで、自社や自店舗を検索するユーザーも増え、情報の接点としてGoogle マイビジネスを経由することが多くなるため、いわゆるWEB上の看板のような存在にもなってきています。
Goolge マイビジネスの登録
Google マイビジネスを始めるためにはオーナー登録が必要です。アカウントを作成し、ビジネスのカテゴリ、電話番号、ウェブサイトのURLなどの情報を設定します。
なお、登録にはハガキや電話などによるオーナー確認が必要です。
Google マイビジネスとGoogle 広告を連携すると、Google マップに広告を出稿したり、Google 広告で住所の表示を行うことができます。
Google マイビジネスポリシー
Google マイビジネスを運用したりMEO対策を実施していく上で Google マイビジネスポリシー を確認することはとても重要です。
Googleに掲載するローカルビジネスのガイドラインにはビジネス名やカテゴリ、メニューなどのルール、投稿内容に関するポリシーには投稿に関するルールが記載されています。
ビジネスには関係のないサイトへのリンクや自動生成コンテンツの投稿は禁止されていますので投稿コンテンツに関するポリシーを確認の上、Google マイビジネスを運用することをお勧めいたします。
Google マイビジネスの操作画面
Google マイビジネスのダッシュボードでは様々な機能について確認することが可能です。
最近ではCOVID-19関連最新情報の入力が可能になり、店舗がどのように感染対策を行っているのかなどの情報発信が可能になりました。
Google マイビジネスはこれらの情報を充実させたり、投稿機能を活用してユーザーに有益な情報を届けることで、オンライン上の顧客体験を向上させ、自店舗や自社の認知を広げたり、来店や購買を促すことが可能です。
Google マイビジネスの主な機能
Google マイビジネスには主に以下のような機能があります。
- 投稿
- 情報掲載
- インサイト分析
- 口コミ管理・返信
- 投稿
- メッセージ
- 写真掲載
- 商品登録
- サービスカテゴリの登録
- ウェブサイト作成
ここではいくつかの機能について紹介します。
Goolge マイビジネスの投稿機能
Google マイビジネスの投稿機能を活用することでクーポンを発行したり、自社や自店舗のイベントを紹介することが可能です。また、投稿内で自社ホームページへの遷移や自店舗への電話などユーザーにアクションを促すこともできます。
投稿のサムネイル変更による閲覧数の違い
Google マイビジネスでは投稿の閲覧数やクリック回数も確認することが可能です。これらの数値は投稿内容やサムネイルの内容を工夫することで改善していくことが可能です。
Google マイビジネスへの情報掲載
Google マイビジネスには自社や自店舗の情報を掲載することが可能です。情報を細かく記載することで検索時のユーザーの顧客体験が向上します。
また、Google マイビジネスに掲載された営業時間や住所などが正確でないと、せっかく情報をみて来社・来店を検討していたユーザーの離脱につながってしまいます。
一般ユーザーのGoogle マイビジネス情報の変更方法
Google マイビジネスの情報はオーナー権限がなくても誰でも修正の提案をGoogleに申請することが可能です。
こちらはロケーション情報をユーザーが最新情報に変更できる仕組みですが、最近ではネット炎上時の情報改ざんの攻撃対象として、ユーザーに誤った情報に書き換えられてしまうケースも起こる事案も発生しています。
Google Maps Platformの普及により様々なアプリでGoogle マイビジネスの情報が活用されるようになってきていますので、Google マイビジネスの自社情報を正確に保っておくこともとても重要です。
インサイト情報の分析
Google マイビジネスのインサイト情報を活用すると、自社や自店舗のGoogle マイビジネスを検索したユーザーの数やWEBサイトへ流入したユーザーの数、電話をしたユーザーの数など、Google マイビジネスで反応したユーザーの様々な分析が可能となります。
ユーザーがあなたのビジネスを検索した方法
Google マップのダッシュボードをクリックすると「ユーザーがあなたのビジネスを検索した方法」を確認することが可能です。
- 直接検索数: お客様のビジネスの名前や住所を直接検索したユーザー
- 間接検索数: 提供している商品やサービス、またそのカテゴリを検索し、お客様のリスティングが表示されたユーザー
- ブランド検索数: お客様のブランドや、お客様のビジネスと関連のあるブランドを検索したユーザー
※このカテゴリは、ブランド検索でお客様のリスティングが 1 回以上表示された場合にのみ表示されます - 合計検索数: 直接検索数、間接検索数、ブランド関連検索の合計
直接検索数や間接検索数、ブランド検索数、合計検索数などは前月比や前年比など月次、年次で比較していくことで様々な事柄を分析することが可能です。
例えば、ブランド検索や直接検索数が上昇している時は、様々なメディアでの露出が増えて自社や自店舗に興味関心を持つ方が増加していたり、すでに自店舗やブランドを知っているユーザーからの検索で自社や自店舗のファンが増えてきている可能性などが考えられます。
また、直接検索やブランド検索を増加させるには、Google マイビジネスの投稿機能を活用してクーポンの発行やお得な情報がGoogle マイビジネス経由で取得できることを認知してもらうことも有効です。
間接検索数に変化がある時は、Google マップ内での検索キーワード(MEO)でのアカウントの順位変動や季節ごとの消費者の生活行動の変化によって変動する可能性が考えられます。
ユーザーの反応
- ウェブサイトへのアクセス:ウェブサイトを閲覧したユーザー。バルクレポートに「ウェブサイトへのアクセス数」として表示されます。
- ルートのリクエスト:ビジネスまでのルートをリクエストしたユーザー。バルクレポートに「ルートの照会数」として表示されます。
- 通話したユーザー数:ビジネスに電話をかけたユーザー。バルクレポートに「通話数」として表示されます。
- 合計アクション数:ウェブサイト、ルート、通話に関するユーザー行動の合計数。
Google マイビジネスのインサイト情報からは検索数だけでなくユーザー行動に関するアクション数も分析することが可能です。「ウェブサイトへのアクセス数」、「ルートの照会数」、「通話数」などは運用しているアカウントの業種・業界によりそれぞれの重要度が異なります。
また、これらの数値は検索数の増減の変動の影響も受けますので、Google マイビジネスのインサイトデータとは別に下記の指標を活用することでより詳細な分析が可能となります。
- 反応率(%)=合計アクション数÷合計検索数×100
- ウェブサイトへの遷移率(%)=ウェブサイトへのアクセス数÷合計検索数×100
- ルートの照会率(%)=ルート照会数÷合計検索数×100
- 通話への遷移率(%)=通話数÷合計検索数×100
反応率や遷移率、紹介率はレビューの点数やGoogle マイビジネスに登録している情報量、写真、投稿内容、検索しているユーザーのロケーションとの距離などの影響を受けます。
最近はGoogle マップの利用ユーザーが増えてきており、レビュー点数や写真、登録されている情報などの重要性が高まってきています。メディア露出を増やしたりMEOで検索順位を上げたりして検索数を増やしても、反応率が低いとアクション数はあまり増加しません。
各データの推移を見ながらアカウントの状況から仮説を立てて反応率を改善していくことでより効率的にGoogle マイビジネスでアクションするユーザーを増やすことが可能です。
インサイトデータ分析例
- 間接検索数が減少しているためMEOの順位低下や表示キーワードでの検索トレンドの減少などが考えられる。
- 総検索数が減少しつつ反応率も減少しているため、レビューの低下や検討ユーザーの低下、前月のGoogle マイビジネスの仕様や投稿の変化等が可能性として考えらます。
口コミ管理と返信
Google マップのレビューはGoogle マイビジネスで返信が可能です。
返信した内容はGoogle上で公開されます。また、レビューの返信は投稿者のGmailに返信通知が送信されます。利用ユーザーは通知からGoogle マイビジネスへ遷移するようになっていますので、返信をすることでクライアントとのコミュニケーションの接点作りやリピーターの獲得、直接検索数の増加につながります。
Google マイビジネスのレビュー点数
Google マイビジネスのレビュー点数は反応率を考える上でとても重要な要素のひとつです。
インターネット調査の結果ではレビューを見て来店を取りやめると答えた方は「1~2点未満」、「2~3点未満」の合計は2019年には58.9%、2021年には61.9%と年々増加しています。
レビュー内容の分析をして店舗やサービスを改善したり、多店舗運営している企業は各店舗のレビュー状況を把握して接客品質やサービス品質が各店舗で均一に提供されているかどうかなどをチェックすることが大切です。
その他のGoogle マイビジネスの機能
その他にもGoogle マイビジネスでは自社や自店舗の写真投稿や商品登録、カテゴリ登録、簡易ウェブサイトの作成機能などがあります。
写真投稿機能
商品登録機能
これらの機能を活用して自社の情報を充実させ、検索ユーザーの検索体験を向上させることで自社の認知度や問い合わせ、来店を増やすことができます。
Google マイビジネスは有効なツール
Google マイビジネスは掲載が無料の企業向けのSNSです。小規模事業者の方はGoogle マイビジネスを運用することで比較的に手間をかけずに効果の高いプロモーション活動が可能です。
一方、ロケーションビジネスを展開する大手企業もGoogle マイビジネスの管理や分析の精度を向上させることでより多くの成果を見込めることができます。
Google マイビジネスは企業の大小に限らずにロケーションビジネスを展開する場合はとても有効なツールです。