一度作れば後々どんどん楽になる!デジタルマーケティングの「ストックの効果」

こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。

「フローの効果」と「ストックの効果」という言葉をご存知でしょうか?

「フローの効果」とは、即効性は高いですがすぐに効果が切れてしまうもの、「ストックの効果」とは、即効性は低いですが長期的に効果が継続するものを指します。

弊社では、デジタルマーケティングは、数あるマーケティング手法の中でも「ストックの効果」が高い手法であると考えています。最初は大変ですが、一度仕組みを作ってしまえば後々どんどん楽になっていき、費用対効果も高まっていく・・・そんなデジタルマーケティングの魅力についてお伝えします。

広告費用をかけ続けるようなマーケティングから脱却をしたいと感じている企業様は、ぜひご一読ください。

目次

「フローの効果」と「ストックの効果」

マーケティングの施策には、「フローの効果」が高いものと、「ストックの効果」が高いものがあります。単純にどちらが良いとか悪いとかいう話ではなく、それぞれ特徴が違いますので、まずはその特徴について解説をいたします。

「フローの効果」とは、比較的短期間ですぐに売上などの効果に反映されやすいものです。即効性が高く、費用対効果を示しやすく、目に見えて分かりやすいという特徴があります。ただし、投資を止めるとすぐに効果も落ちてしまいます。効果を継続させるためには、資金を投下し続けなければなりません。「フローの効果」が大きい施策としては、テレビCMやインフルエンサーへのPR依頼などが挙げられます。数千万円〜数億円の費用をかけ、一気に数万人に接触し、自社の商品・サービスの認知や売上の拡大につなげることができます。ただし、プロモーション期間が終われば、すぐに効果は落ちてしまいますので、再度予算を取って費用を投下し続ける必要があります。資金力さえあれば競合他社も同じことができるので、簡単に真似をされやすいという弱みもあります。

一方「ストックの効果」とは、売上などの効果に反映されるまでに時間はかかるものの、一度作り上げてしまえば投資を止めても半永久的に長期に渡って効果を発揮するものです。競合他社からなかなか真似されづらく、企業の競争優位になりやすいという特徴もあります。

弊社では、デジタルマーケティングは、数あるマーケティング手法の中でも「ストックの効果」が大きい手法であると考えています。今回は、デジタルマーケティングにおけるストックの効果について、具体的にいくつか例を挙げて解説をいたします。

「ウェブサイト」のストックの効果

ウェブページへの代表的の流入経路の一つが、Googleなどの検索エンジンからの検索流入です。何か困り事や探しものがあり特定のキーワードを検索エンジンに入力する閲覧者に対して、ニーズが合致するページを作成することで、Googleなどの検索エンジンはそのページを高く評価し、検索結果画面での掲載順位も上がり集客数も増えていきます。

ウェブサイトというのは、そんなウェブページの集合体です。例えば、月に1,000回検索されるキーワードで1位表示されるウェブページを作ることができたとします。1位に表示されると約20%程度の閲覧者がクリックして流入してくると言われているので、このウェブページは毎月1,000回 x 20% = 200人を集客できることになります。そして、単純計算ですが、このようなページが100ページあるウェブサイトを作れたとすると、200人 x 100ページ = 20,000人を毎月集客できるウェブサイトになります。ウェブサイトの運営を続けてページ数が増えれば、200ページで40,000人、500ページで100,000人、1,000ページで200,000人を毎月集客できるウェブサイトに成長していきます。

もちろん、検索エンジンの仕様変更や、検索ユーザーニーズの変化、競合他社の台頭などで検索順位が落ちてしまうことなども当然ありますので、そんなに単純計算ではいきませんが、ウェブページは基本的には一度作成をしてしまえば無くなることは無いので、まさに「ストックの効果」が高いと言えます。

また、質の高いウェブページを増やしていくと、検索エンジン側から「権威性」や「専門性」の高い良いウェブサイトであると認識してもらえるようになります。そうなれば、ウェブサイト全体としての検索エンジンからの評価も高まり、さらに加速度的に上位表示がされやすくなっていきます。

「メールマガジン」のストックの効果

自社の見込顧客リストへのメールマガジンの配信についても、少し工夫をすることでストックの効果を高めることができます。

メールマガジンを配信する際に、「1月号のメルマガ」「2月号のメルマガ」と単発単発で毎回配信の度に新たな文面を考えて配信をしていると、かなり大変な作業になります。おそらく途中で息切れして挫折しまい、いつしかメールマガジンの発行をやめてしまった企業様も多いのではないでしょうか?

昨今、様々なメールマガジン配信ツールがありますが、ほとんどどの配信ツールにも「事前にセットした複数のメールを、決められた頻度で順番に自動配信してくれる」という機能が付いています。メールマガジンの配信にあたっては、この機能を使ってストックの効果が高まるように工夫をすることがオススメです。

例えば、年始のタイミングでまとまった時間を確保して、頑張って12通のメールマガジンを書いたとします。これを月に1回配信するように、配信ツールにセットしておくのです。そうすることで、名刺交換などで新たにあなたの会社の見込顧客リストに加わった見込顧客に対して、月1回 x 12回 = 1年間、自動で定期的にメールを配信して接点を持ち続ける仕組みを作ることができます。そして、また次の年に12通書く、また次の年に12通書くと繰り返せば、合計で36通、3年間自動で接点を持ち続ける仕組みを作ることができます。そうなれば、名刺交換をした後に、3年間何もしなくても、毎月メールで自動的に接触し続ける仕組みが構築できるのです。また、蓄積している36通のメールの件名や本文を少し改良して、開封率やクリック率が上がるように改善ができたとしたらどうでしょうか?1通のメールが数%改善しただけでも、36通全体の改善効果はかなり大きいものになります。これらはまさに「ストックの効果」だと言えるでしょう。

「SNS」のストックの効果

FacebookやInstagramなどのSNSも、弊社ではストックの効果が高いと考えています。

最初はなかなかフォロワーが増えず、「はたしてSNSを運用していても意味があるのかな」と感じることも少なくないかもしれません。しかし、地道に魅力的な投稿をし続けたり、キャンペーンを打つなどの工夫をし続けることで、フォロワーは、100人、1,000人、10,000人と徐々に増えていくはずです。そうすると、いつしか1回の投稿で数多くのフォロワーに対して、自社の商品やサービスを訴求できる強力な媒体に育っていきます。

「そんなことをしなくても、現時点ですでにフォロワーが沢山いるインフルエンサーに対して費用を払って自社の商品やサービスのPR依頼をすればいいじゃないか」と考える方もいるかもしれませんが、そのようなマーケティング施策は即効性はあるかもしれませんが、それはあくまでも「フローの効果」でしかなく、自社の資産・ストックとして何かが蓄積されていく訳ではありません。SNSの運用は「ストックの効果」を意識して、地道に継続的に投稿をし続けることが大切です。

また、運用を長く続ければ続けるほど、過去の投稿がアーカイブとして蓄積されていきます。それらは、魅力的なコンテンツとしていつまでも閲覧者を楽しませてくれる重要な資産にもなります。

長期的な視野で地道に継続しよう

いかがでしたでしょうか?

インターネットが普及する前の従来のマーケティングにおいては、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などのマスメディアの広告枠を使って消費者の興味関心を引く「フローの効果」が高い施策しか選択肢が無かったのですが、昨今はデジタルマーケティングの登場によって手段が大幅に広がりました。

デジタルマーケティングは、「ストックの効果」が高い手法であるということに、魅力を感じてもらえると嬉しく思います。「ストックの効果」を最大化するためには、即効性を期待せずに、地道に継続をし続けることが最も重要です。すぐに効果が出なかったとしてもすぐに投資をやめてしまうのではなく、長期的な視野で頑張って続けていくことで、必ず後々どんどん楽になっていき、費用対効果も高まっていくはずです!

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

株式会社ピージェーエージェント代表取締役。中央大学理工学部卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社に入社。IT・WEBを活用したデジタルマーケティングに関する法人企業向けコンサルティング業務に従事。顧客の購買プロセスに基づいたマーケティングシナリオ設計、メールマーケティングを基軸としたCRMコンサルティング等、法人企業の売上向上に寄与するコンサルタントとして活躍。その後、2016年、株式会社ピージェーエージェントを設立、代表取締役に就任。ブランド戦略の立案を強みとして、ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している。

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