「やりっぱなし」にしない!展示会出展後の戦略的な見込顧客フォローの重要性

こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。

展示会は、新たな見込顧客の獲得やビジネスチャンスを開拓するための重要な場であり、多くの企業様が力を入れています。しかし、展示会での成功は、ただ単純に出展をすればよいというだけではなく、その後の適切なフォローアップにかかっています。

今回は、展示会後のオペレーションに焦点を当て、見込顧客獲得・育成のプロセスを標準化することの重要性について解説していきます。

より効果的・効率的な展示会出展をしたいとお悩みの企業様は、ぜひご一読ください。

目次

全ての見込顧客にやみくもにアタックするのは非効率

展示会後に全ての見込顧客にやみくもにアプローチすることは非効率的であり、結果的に営業担当者の時間や労力が無駄になる可能性が高いです。
そのため、獲得した見込顧客情報を整理し、興味度合いに応じてアプローチする必要があります。高い興味度合いを示す見込顧客には、営業担当者による直接的なフォローアップを行い、商品やサービスの訴求・提案をすることが重要です。一方、興味度合いが低い見込顧客には、メールなどを通じた定期的な接触を行い、まずは関心を高めるように努める必要があります。
このように、見込顧客の興味度合いに合わせたフォローアプローチを取ることで、より効果的な見込顧客フォローを実現できます。

展示会後のフォローアプローチの手順

獲得した見込顧客情報を整理する(データ化、興味度合い分け)

展示会で獲得した情報は、名刺情報だけに留まらず、アンケート回答結果や営業担当者の所感メモなど、さまざまな情報があります。これらの情報を整理・データ化することで、展示会後の効率的なフォローアプローチに役立てることができます。
CRMやSFAなどの大掛かりなツールの導入が難しい場合でも、まずはExcelなどの実現可能な範囲でのデータ化から始めることがオススメです。

興味度合いが高い見込顧客には、営業担当による直接フォローを実施する

展示会でのアンケート回答結果やブースでの接客時のヒアリング内容から、興味度合いの高い見込顧客を選別して、営業担当者による直接フォローを実施しましょう。
特に、興味度合いが高い見込顧客に対しては、鮮度が重要なため、なるべく早めにフォローをすることが必要です。営業担当者による直接フォローは、電話や訪問などを通じて行います。また、直接フォローする際には、展示会でのアンケート回答結果やブースでの接客時のヒアリング内容を活かして、見込顧客のニーズや関心事を把握し、より効果的なアプローチをするように心がけましょう。

興味度合いが低い見込顧客には、メールによる定期接触を実施する

展示会で獲得した見込顧客情報を整理し、興味度合いが低めの見込顧客に対しては、まずはメールによる定期的な接触を実施します。営業担当者による電話や訪問などの直接フォローをしてしまうと売り込み色が強くなりすぎてしまい、時期尚早である可能性が高いからです。
メールによる接触では、商品情報だけではなく、コラムやダウンロード資料などの役立ち資料を送ることが大切です。このような情報提供を通じて、見込顧客が自社商品に対する興味を持ってもらえるような工夫が必要です。
定期的な接触を続けることで、見込顧客が自社商品を必要とするタイミングで自然な形で営業担当者とのコンタクトが生まれるようになります。

興味度合いが低い見込顧客の中から、反応があった見込顧客情報を随時営業担当に送客する

興味度合いが低い見込顧客に定期的なメール配信を実施していく中で、反応のあった見込顧客情報を随時営業担当に送付することで、営業担当はより効率的にフォローアップをすることができます。
反応とは、メールの開封やクリック、ウェブサイトの訪問などのアクションがあったことを指し、それに基づいて営業担当が具体的な提案や情報提供を行うことで、見込顧客との信頼関係を構築していくことができます。
また、反応のない見込顧客には、メール配信内容の改善や新しいキャンペーンの企画、SNSなど別のチャネルからのアプローチなど、様々なアプローチ方法を検討することが重要です。見込顧客の状態やニーズに合わせたアプローチを検討することで、反応を促すことができます。

展示会後のフォローアプローチで意識をしておくべきポイント

多くの見込顧客は興味度合いが低い

展示会で獲得できる見込顧客の多くは、その業界に関心を持つ人たちであり、情報収集のために来場しています。しかし、具体的なニーズを持っていなかったり、競合他社の商品に興味があったりする場合もあり、興味度合いが低い状態であることがほとんどです。
企業側は「自社のブースに立ち寄ってくれたのだから興味があるはずだ」と思いがちですが、見込顧客側はそのブースに立ち寄ったという記憶すらないというケースが多々あります。それをしっかりと認識した上で、展示会後のアプローチを考えることが重要です。

名刺などの紙の状態からデジタル化されたデータに整理をすることが重要

展示会で獲得できる名刺などの紙媒体の情報をデジタル化して整理しておくことは、非常に重要です。データ化作業は手間や時間がかかりますが、紙の名刺をそのまま束にして保管している状態では、必要な情報を後から抽出して活用することが難しくなります。
展示会では多くの名刺を収集することができるため、手作業での整理は非常に困難です。必要に応じて、スキャン機やスマートフォンアプリなどを使ったデータの自動読み取り、OCR技術の活用による画像からの文字情報抽出などの方法も検討しましょう。
デジタル化された名刺情報は、後で検索・参照しやすくなります。さらに、デジタルデータはバックアップがしやすく、紛失や破損の心配もありません。展示会での名刺交換は、ビジネスを展開する上での貴重な出会いの一つです。その貴重な情報をデジタル化して、有効活用することが重要です。

興味度合いが低い見込顧客に対して定期接触をするためのコンテンツを事前に用意しておく

商品の興味度合いが低い見込顧客に対しては、定期的にメールで接触を行うということは前述の通りです。しかし、そのメールの内容が、単に商品の機能やスペック、価格などのアピールばかりでは、見込顧客の興味を引くことはできません。押し売り色が強くなってしまい、逆効果にもなりかねません。
そのため、見込顧客が「見たい」「読みたい」と思うようなコンテンツを用意することが必要です。例えば、コラムやダウンロード資料などのお役立ち情報、業界の最新動向やトレンドなどを紹介などがそれにあたります。ただ、このようなコンテンツを持っていない企業様も多いので、展示会出展が決まった段階から前もって、この定期接触用のコンテンツの作成にも取り組んでおくようにしましょう。

興味度合いが低い見込顧客の反応を追うための仕組みを整えておく

見込み客へのメール配信などでの定期的な接触を実施する中で、配信したメールの開封やクリック、またウェブ上のコンテンツの閲覧や資料ダウンロードなどの反応を把握するための仕組みを整えておく必要があります。
これらを把握するためには、メール配信ツールやアクセス解析ツール、マーケティングオートメーションツールなどの何かしらのツールの導入が基本的には必要になります。各種ツールは無料のものから高機能で価格が高いものまで様々ありますので、あなたの会社の状況に合わせて最適なツールを選定するようにしましょう。

オペレーションをルール化しておく

展示会後のオペレーションを標準化することで、獲得した見込顧客情報の整理や営業担当による直接フォロー、メールによる定期接触、反応があった見込顧客の随時営業送客などの一連の流れをルール化することが大切です。
これにより、展示会の度に毎回試行錯誤する必要がなくなり、スムーズに展示会から見込顧客の獲得・育成・営業活動までのプロセスを進めることができます。ルール化することで、マーケティング担当・営業担当の負担軽減や、展示会後の見込顧客への迅速な対応が可能になります。また、ルール化した内容は継続的に改善を重ねることで、より効果的なオペレーションを実現することもできます。

戦略的に展示会への出展に取り組もう

展示会は販売促進や顧客獲得に効果的ですが、その成功にはオペレーションの適切なルール化が欠かせません。事前準備、展示会期間中の接客、展示会後の見込顧客へのアプローチまで、全てのプロセスが重要であり、これらをルール化することでより効果的に実行ができるようになります。今回お伝えした内容を踏まえて、改めて戦略的に展示会に出展をしてみてください。きっと、よりよい成果につながるはずです!

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

株式会社ピージェーエージェント代表取締役。中央大学理工学部卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社に入社。IT・WEBを活用したデジタルマーケティングに関する法人企業向けコンサルティング業務に従事。顧客の購買プロセスに基づいたマーケティングシナリオ設計、メールマーケティングを基軸としたCRMコンサルティング等、法人企業の売上向上に寄与するコンサルタントとして活躍。その後、2016年、株式会社ピージェーエージェントを設立、代表取締役に就任。ブランド戦略の立案を強みとして、ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している。

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