こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。
「商品は良いはずなのにプレゼンでなぜか他社に負けてしまう」「せっかくランディングページを作ったのに全く問い合わせが来ない」などのお悩みはありませんか?
もしかすると、それは商品の魅力が相手にきちんと伝わっていないのかもしれません。
今回は、商品の魅力を相手に伝える際に活用できる「FABE法(ファブ法)」と「BEAF法(ビーフ法)」という2つの手法について、解説いたします。
営業や接客の現場におけるアピール力を向上させたいと考えている方は、ぜひご一読ください。
FABE法(ファブ法)とは
FABE法(ファブ法)とは、商品やサービスの魅力をより分かりやすく、効果的に相手に伝えるための戦略的な手法のことです。
「Feature (特徴)→Advantage (優位性)→Benefit (顧客便益)→Evidence(証拠)」の話の流れの頭文字を取って、FABE法と呼ばれています。
Feature(特徴)
まず最初に、商品の独自性や特異性を相手に伝えます。
商品のスペック、デザイン、機能など、特徴を明確で簡潔に表現することが大切です。あれも優れている、これも優れていると、色々とアピールしたくなる気持ちは分かりますが、あまりダラダラと長く伝えるのではなく、「ズバリこれがこの商品の特徴です!」とシンプルでエッジの立った表現を心がけましょう。
Advantage(優位性)
次に、競合他社の商品と比較して、自社の商品のどの部分が優れているのかを示します。
競合他社や業界の動向をしっかりと調査して、品質や価格、利便性の高さなど、アピールポイントを考えましょう。数ある商品の中から、「なぜその商品を選ぶべきか」を理解させる役割を果たします。
Benefit(顧客便益)
さらに、この商品を利用することで得られる顧客の利益を具体的に提示します。
Feature(特徴)やAdvantage(優位性)を述べるだけでは、聞いている相手は「どんな良い体験ができるのか」が想像できません。顧客目線で「この商品を使うことでこんなメリットがあります」と伝えます。ここでのポイントは、機能的価値ではなく情緒的価値をアピールすることです。
以前解説した、こちらの記事も参考に、相手の感情に訴えかける表現を考えましょう。
Evidence(証拠)
最後に、Feature(特徴)・Advantage(優位性)・Benefit(顧客便益)が事実であることの根拠を示します。
実績データ、ユーザーレビュー、調査機関や専門家からの評価、学術研究による数字的なデータなどの客観的な情報を挙げ、今まで伝えてきた内容を裏付けることで、相手からの信頼を獲得します。
この4つの要素を順番に、分かりやすく明確に伝えることで、相手の理解度や納得感を高めて、商品の魅力を最大限に伝えることが可能です。相手が最後まで自分の話をしっかりと聞いてくれるようなプレゼンテーションや商談の場などで力を発揮する手法です。
FABE法を使った構成の例
1:カーテン
Feature(特徴):どんなに明るい光でも完全に遮ることのできる、抜群の遮光性を持ったカーテンです。
Advantage(優位性):特許取得済みの弊社独自の裏地特殊樹脂コーティング加工が施されています。
Benefit(顧客便益):遮光性の高さから、窓からの熱気や冷気を通しにくいので、室内の冷暖房効率をアップさせ、省エネ効果で家計にも優しいです。
Evidence(証拠):このカーテンを使った室内の温度計測実験をした所、外気の影響を受けにくく室内の温度を一定に保つという数値が出ました。また「電気代がxx円下がった」という利用者様の声がこちらです。
2:業務アウトソースサービス
Feature(特徴):製造業の経理業務に特化した業務アウトソースサービスです。
Advantage(優位性):製造業出身のコンサルタントが、現場業務を理解した上で丁寧なコンサルティングによる運用設計を行います。
Benefit(顧客便益):煩雑な日々の経理業務から解放され、残業時間が削減されます。
Evidence(証拠):導入実績は1000社を超えています。顧客アンケートによる満足度は95%です。
BEAF法(ビーフ法)とは
BEAF法(ビーフ法)とは、FABE法の話の流れの順番を入れ替えたものです。
「Benefit (顧客便益)→Evidence(証拠)→Advantage (優位性)→Feature (特徴)」の順番で構成されます。
FABE法は、相手が最後まで自分の話をしっかりと聞いてくれるようなプレゼンテーションや商談の場などで力を発揮します。対してBEAF法は、ウェブ上のランディングページやプロモーション動画など、最後まで必ず見てくれる保証がないような場合に力を発揮します。
まず最初に、Benefit (顧客便益)を伝えて相手の興味関心をひいた上で「話を聞く気」にさせてから、Evidence(証拠)、Advantage (優位性)、Feature (特徴)と続けていきます。
Benefit(顧客便益)
BEAF法では、まず最初に顧客の利益を提示します。
まずは相手に興味を持ってもらわないと始まりませんので「そんなに良いことがあるの!?」と驚きを与えたり、「そうそう、まさにこんな悩みを解決したかったんだよ」と自分ごと化してもらうためには、どのように伝えるのが効果的かを徹底的に考えましょう。
Evidence(証拠)
Benefit(顧客便益)に興味を持った人は、「でも本当にそんなことができるの?」という疑問が必ず生じます。
そこで、すかさずEvidence(証拠)を提示することで、安心感を与えます。
Advantage(優位性)
Benefit(顧客便益)・Evidence(証拠)まで話を聞いてくれた相手は、その商品の分野にはある程度興味を持ってくれているはずです。しかし、「この分野で他にも似たような商品はないかな」「この商品じゃなくても良いよな」と迷いが生じます。
そこで、「競合他社の商品と比較して、自社の商品のここが優れているんです」というポイントを明確に伝えるようにします。
Feature(特徴)
最後に、商品に対する興味を持っていただけた相手に向けて、商品のスペック、デザイン、機能などのFeature(特徴)をしっかりと説明します。
「どんな商品なのか」という疑問に答えるために、詳細内容を説明するイメージです。
BEAF法を使った構成の例
1:パーソナルトレーニング
Benefit(顧客便益):3ヶ月で10kg痩せて、健康的で魅力的な体になります。
Evidence(証拠):弊社のパーソナルトレーニングを受けた利用者のBefore/Afterの写真がこちら。モデルのxxさんも通っています。
Advantage(優位性):専用アプリであなた専属のトレーナーと毎日連絡を取って二人三脚で頑張るので、絶対に三日坊主にはなりません。
Feature(特徴):運動習慣がない人向けの無理のないプログラムで、楽しみながら継続ができるパーソナルトレーニングです。
2:ウェブ広告代理店
Benefit(顧客便益):ウェブ広告活用でECサイトの売上を1.5倍に。半年後には外注コストゼロで自社運用が可能になります。
Evidence(証拠):ご利用いただいたお客様の90%が売上の増加を実感。上場企業のxxやxxにもご利用いただいています。
Advantage(優位性):広告設定方法などをブラックボックス化せず、最終的には御社の社員だけで内製運用ができるように、スキルやノウハウを惜しみなく伝授します。
Feature(特徴):ウェブ広告の運用代行だけではなく、御社の社員向けの教育プログラムもセットになった画期的なサービスです。
商品の魅力を伝えるには話す順番が大事
商品の魅力を伝えるためには、相手の心理状態を想像しながらそれに合わせて最適な情報を伝えるということが大切です。
今回お伝えしたFABE法やBEAF法を、ぜひ日々のプレゼンテーションや商談、販促の現場などで活用してみてください。
「話が面白い」「トークに切れ味がある」などのセンスに頼らずとも、「伝える内容に抜け漏れは無いか」「伝える順番は正しいか」を意識するだけでも、きっとアピール力は格段に上がるはずです!