ただ開催するだけでは意味がない!イベントマーケティングの成果を最大化するには?

こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。

展示会出展やセミナーなどのイベントをやっただけで終わりになってしまっていませんか?

コロナ禍を経て、オンラインとオフラインの両立が進む中、BtoB企業にとってイベントは今も有力なマーケティングチャネルの一つです。しかし、単なる「開催」だけで終わってしまっては意味がありません。本当に重要なのは、成果につながる戦略的な設計と運用、そしてその後の活用フローです。

この記事では、「イベントをやりっぱなし」で終わらせないための考え方と実践ポイントを解説します。これからイベント施策を強化したい方、既に実施しているが成果に悩んでいる方にとって参考になれば幸いです。

目次

目的を明確にすることが重要

イベントを成功に導く第一歩は、「なぜやるのか」という目的の明確化です。

多くの企業が、展示会やセミナー、ウェビナーなどを実施する際、「前年もやったから」「とりあえずやることになっているから」といった、慣習的な理由で企画を進めてしまいがちです。しかし、それではなかなか成果が見えず、次回に活かすこともできません。

重要なのは、ターゲットに対して、どんな行動を促したいのかを明確にすることです。

たとえば、以下のようなイメージです。

  • 新規リードを○○件獲得する
  • すぐに商談につながる案件数を○○件獲得する
  • SNS投稿数や参加者満足度などの指標でブランド好感度を向上させる

そして、こうした目的に対してKPIを設計し、関係者間で共有することが大切です。これによって、企画・運営・営業連携・分析まで、ブレのない進行が可能になります。

最適な形式を選定する

イベントにはさまざまな形式があります。展示会、セミナー、カンファレンス、ユーザー会、体験型イベント、ポップアップ、ウェビナーなど、それぞれに適した目的とターゲットがあります。

たとえば、新規リードを広く獲得したいなら展示会深い理解や関係構築を目的とするなら小規模セミナーやユーザー会が適しています。つまり、どの形式が最も効果的かは、「誰に、何を伝えたいのか」によって決まるのです。

また、ウェブ会議が普及した昨今においては、オンライン開催かオフライン開催か、あるいはそれらを組み合わせたハイブリッド開催かも重要な判断軸です。対象者の行動傾向やリテラシーを考慮し、参加しやすさと伝わりやすさのバランスを取ることが成果に直結します。

運用を型化して体制を整える

「準備が8割」とも言われるイベント運営において、運用の型化(オペレーション設計)が成果を大きく左右します。

属人的な進行に依存した体制では、担当者の異動や退職のたびにイベント運用の品質が変わってしまいます。イベントの成果を再現性のある形にするには、標準化されたプロセスと運用体制の構築が不可欠です。

たとえば:

  • タスク設計や進行管理をテンプレート化
  • マーケ/営業/制作/広報との連携を図るフローを整備
  • 情報共有ツール(例えばBacklogやNotionなど)で進行を見える化

こうした運用の仕組みを整えることで、「無事に開催完了すること自体が目的になってしまう」事態を防ぎ、本来のビジネス成果に向かって機能するイベント運営が実現します。

イベント後のリード活用の流れを設計する

以前の記事でもお伝えした通り、イベントで得た名刺などのデータを活かすことができるか。それこそが、イベントをビジネス成果につなげることができるか否かの最大の分かれ道です。

イベントでせっかく獲得したリードも、適切に活用されなければ営業につながりません。

そこで、以下のような後続業務の設計をしておくことが大切です。

  • リードの選別:アンケートなどに基づいて興味関心度合が高いリードを選別
  • MAツールなどによるナーチャリング:メルマガなどで、自動的に定期接触を続けて信頼関係を構築する仕組みを用意する
  • 営業との連携:営業チームが受け取りやすい形でリード情報を引き渡し、商談化以降のアクションへつなげる

たとえば、イベント後24時間以内にお礼メールを送付すると共に、アンケートで好感触だった上位のリードに営業がすぐに接触することで、商談化率が大幅に改善したという例もあります。また、イベント終了後にメルマガで定期接触を続けて長期追客を実施することで、そこからの商談発生数が数多く発生しているという例もあります。 このように、イベントは「入口」であって「ゴール」ではない。そう認識するだけで、成果は大きく変わります。

イベントの成功確率を高める5つのチェックポイント

イベントは、見た目の華やかさや集客人数だけでは判断できません。地に足のついた運営設計と成果導線を整えることで、初めて再現性のある成功が生まれます。

以下の5つは、弊社がクライアント企業様にお伝えしている、イベントを実施するうえで押さえておきたいチェックポイントです。イベント企画、実行時の参考になさってください。

  1. 目的とKPIが明確に言語化されているか?
    曖昧なゴールでは施策がブレやすく、評価もしづらくなってしまいます。
  2. ペルソナに基づいた手法とテーマ選定ができているか?
    誰のためのイベントなのかを意識しましょう。テーマや形式がターゲットペルソナにフィットしているかを見直しましょう。
  3. 運用体制が属人化せず型化されているか?
    再現可能なテンプレートや社内運用フローが整っているかを確認しましょう。
  4. 営業との後続業務の連携フローが構築されているか?
    リードの取り扱い基準や引き渡し方法など、営業と事前にすり合わせておきましょう。
  5. 効果測定と振り返りの仕組みがあるか?
    イベント後の結果を、次回施策に活かしたり、前回と比較したりできるような形で数値化を行えているかをチェックしましょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

イベントマーケティングは、単なる「イベント開催」ではなく、戦略・運用・営業連携・データ活用までを含めた一連のプロセスです。

もし今、「イベントを行ってもうまく成果につながらない」と感じているなら、上記でお伝えした内容を踏まえて、一度自社のやり方を見直してみてください。よりビジネス成果に貢献できるイベントの企画・運営ができるようになるはずです!

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

株式会社ピージェーエージェント代表取締役。中央大学理工学部卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社に入社。IT・WEBを活用したデジタルマーケティングに関する法人企業向けコンサルティング業務に従事。顧客の購買プロセスに基づいたマーケティングシナリオ設計、メールマーケティングを基軸としたCRMコンサルティング等、法人企業の売上向上に寄与するコンサルタントとして活躍。その後、2016年、株式会社ピージェーエージェントを設立、代表取締役に就任。ブランド戦略の立案を強みとして、ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している。

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