ウェブ解析士マスターであるウェブ解析士事務所AITIE 石野 史康さんからも1月に発売された「Google アナリティクス 実践Webサイト分析入門」の書評を頂きました。
ただ一言、驚いた。アナリティクスというアクセス解析ツールの扱い方というものではなく、ウェブマーケティングをおこなう術をこの本には示されているからです。
アクセス解析を見る際、誰でも基本的な数値は拾えます。それではただの「数字」にすぎず、何の解決にもなりません。「誰に、何をしてほしいのか?」「どの数値がそのサイト、ビジネスに貢献できるのか?」を計画し実行しなければならない。
この「誰に、何をしてほしいのか?」「どの数値がそのサイト、ビジネスに貢献できるのか?」をしっかりと捕らえ、わかりやすく説明しながら、分析方法や使用方法を描かれているのがすばらしい。
初心者にもとても入りやすく、知識のある人でも「自分に抜けていた」部分を再確認できる一冊というのが私の感想です。
集計や顧客の動向、気持ちというのは、一昔前では時間や経費をかけなくては取得することができなかった情報。今はGoogle アナリティクスのように時間や経費をかけずに取得することが可能になりました。
昨今、情報がありすぎて何を、どのように拾っていけばよいかわからなくなり、余計に時間を取られる方もいると思います?私もそのような事態に陥ることがあり、ビジネスのスピードにブレーキをかけてしまうことがあります。
この本の第1、2章ではそのブレーキを踏むことのないようにアクセス解析の設計と設定を、第7章では業務を効率的に行う基本の法則がしっかり盛り込まれており、これから実践する方にとってwebサイト分析の日々をスムーズに回転させる方法が織り込まれています。
そして、一番身に付けたい「Google アナリティクスの使用方法」ですが、アカウント設定など初期設定からリスティング広告などの外部データの連携まで、写真を使用するなど、とても見やすくわかりやすい説明です。
ただ操作方法や扱い方を説明するのではなく、「集客状況の分析」、「サイト内の行動分析」、「仮説を立てデータを深堀する分析」、「費用対効果を分析」、などビジネスに活用できる「マーケティング」を軸に説明しているので頭にストレート入ってきやすいのがこの本の大きな特徴の一つではないかと私は感じました。
特に初心者の方でありがちな「リニューアルによるインターフェイスの変更での使い方の迷い」についてはこの本を読んでもらう事でつまづく事はなくなると言って良いでしょう。
さらに、ウェブ解析で大切な基本的な指標の意味、アナリティクスで使用される言語の意味も網羅されており、しっかりとした基本知識が自然に身につくというのもうれしい。
褒め褒めの一冊として紹介してきたわけですが、アクセス解析ツールは一つの武器にすぎないと私は考えています。操作方法を理解し、数字やデータとして起こしても、それをどのように活用し、どのようにビジネスに貢献していけるのか?は、やはりそれを見る「人」ではないでしょうか。大切な事は「ビジネスの改善」です。「定義し→現状を把握し→改善する」、この流れを正しく設計し、「原因分析」「仮説検証」「対策立案」を私たち「人」が実行できなければ無意味な武器になってしまいます。
この本には、「人が考え繰り返し行わなければならない行動」と、その為に必要な「Google アナリティクスの扱い方」の両方が記されています。
ウェブサイトの分析を行ううえで、必要不可欠な事柄がわかりやすく、ストレートに頭に入り、すぐに実践できる一冊だ! と感じました。
書評のご協力ありがとうございました。
ウェブ解析士マスターである株式会社パソナテック 寺岡 幸二さんからも書評を頂いております。